市川雛菜 LandingPoint感想
・まえがき
【TRICK☆☆☆】の雛菜さんでやったのでところどころ雰囲気にそぐわなかったな……。今回は初読の感想を少し整えたくらいです。
『Congrats?』
ワンマンライブと聞いて起き上がる雛菜さん。オンとオフの切り替え。プロデューサーが驚いてるってことは適当な話は寝転びながら聞いてるのね。
かわいいデザインのスクショ。人ではない。
まさかの「トール」くん!? 雛菜さん名前覚えてたの? ああなるほど同じ名前だから……。
雛菜さんのテーマのひとつである『終わり』。楽しい時間もいつかは終わるという事実、あるいは諦め? 私は身構えました。だってずっと触れられてきたことなので。W.I.N.G.であれ【HAPPY!NG】であれ楽しい時間はいつかは終わるということを雛菜さんは度々口にしてるんですよね。そして大した成果をあげずに終わることも。楽しいこと、しあわせなことを自分で選んで取りに行くけどそれがずっと続くとは思ってない。
雛菜さんの強さの裏にあるのがこれなんだと思っています。有限的で刹那的。楽しい時間はすぐに終わってしまうし楽しいからってそれが世間的成功ではないと雛菜さんは知っている。
『dunno』
I don't know. の略らしいです。雛菜は他の人のことはわからないって言ってましたね。
「トール」くんをチェックする雛菜さん。
場面変わって事務所にひとりの雛菜さん。初めの頃は居残りに付き合わないのを言われたりしてたけど本当にやりたいことをやってるんだなって。デザイン案出せるってことは雛菜さん絵描けるの? アイドル衣装とか難しくない?
「トール」くんの卒業ライブ。アイデンティティというかアイドルじゃなくなることへの純粋な興味? 興味というほどポジティブではないけど決してネガティブでもなく単純に気になったんでしょうね。アイドルじゃなくなっても「トール」くんは「トール」くんじゃない? 知らないけど。
『IDOL/P』
めちゃくちゃストレートなタイトルでびっくりした。
野球選手がコーチや監督になるみたいな話。指導する才と実演する才は違うとは思う。地味にあったシャニP元アイドル説が否定されましたね。
他人との共感の話でもあるのかなあとは。自分じゃないものの立場にどれだけ立てるかであってアイドルって言っても例えば灯織と雛菜は全然違うけどまったく違うわけじゃないしプロデューサーが寄り添えるところを探すのがシャニPの言う理解なんだろうなと。
雛菜さんがいつも通りなので深刻さはないけどこれ雛菜さん過去最大級に『市川雛菜』がブレてますね。『A.H.I』こと『市川雛菜』になるっていうG.R.A.D.で見出した答えが揺らいでいる。あれもアイドルありきではあるから不自然さはない。雛菜さんは雛菜さんのままでいてください。
『Q&Q』
質問を質問で返す。
撮影前のインタビューに応じる雛菜さん。雑誌の発売日を気にしたり前のコミュで可能不可能について言及したりでやっぱり全体を見る能力はあると思う。今やってること、やりたいことについて聞かれて答える雛菜さん。
そしてプロデューサーからの問い。
『雛菜は何になりたいんだ?』
言われてハッと気がついた。雛菜さんは終わりを見ていてもその先のことは考えていなくて、今を楽しむことに真摯であるけど長期的な目標や目指す方向みたいなものはない。
だからこそ雛菜さんは『雛菜さんのままで居続ける』というアンサーをW.I.N.G.でもG.R.A.D.でも言えたんだ。雛菜さんの居る先に何があるのかはあの子自身分かっていない。
そして今回の流れに漂うぼんやりとした危機感みたいなものの正体も分かった。雛菜さんにアンサーがないからだ。疑問を持ったり質問をされるけどその答えを模索している最中だから。今までならそれを喋るにせよ喋らないにせよ雛菜さんには雛菜さんの考えがあってそれが示されてきたけど今回は雛菜さんの中でまだ明確なものが何もない。だからこんなにも雛菜さんのままでドキドキさせられる。
『Everyth!ng』
雛菜さんがごくごく当たり前のアンサーを出してくれたことが嬉しい。やりたいことをやらない理由は無いんだと思う。やりたいことに向けて進んでいけるからあの子の中で目標というほど遠くにないのかもしれない。
#ライブ中
「ありがとうございました」が揃ってる……! 感謝祭からの積み重ねですね……。バラバラなのがうちらとか言ってたしもちろんそれもそうなんだけどさ、ゆるい繋がりがアイドルを経ていい方向に変わっていってくれたのかなって。ちゃんと終わらないと始まらない。終わることのプラス面を見た言葉で、雛菜さん以外の三人についても期待が高まります。そして多分この言葉で「トール」くんの卒業もいいことだったんだろうなっていう暗示になりますね。
『Smart♡cookie』
雛菜さんにもやりたいけどやる気出ないことってあるんだ……。書きたくて手をつけてない原稿がいくらかありまして。
好奇心は猫を殺すと言いますが退屈は人を殺すのだと思うのですよ。ちょうど雛菜さんが溺れそうになっていたように。頭の中に空想だけがあってそれを実現……というより近くに手繰り寄せるだけの機会もやる気もないようなときの何かが自分を覆っている感覚。
行動に移して自分を実践するっていうごく当たり前のことこそ雛菜さんの秘訣かもしれません。
・あとがき
終わりまで楽しかったです。ノクチルの物語がここでひと段落ついてしまった(イベコミュと育成シナリオは微妙に繋がってるけど繋がってない別物として見ている)ので惜しい気持ちはありますが終わらないと始められないので、そう言った意味でもいい締めくくりだったと思います。