福丸小糸 LandingPoint感想


・まえがき
妹ちゃんの解像度が上がって二次創作書けちゃうな

『墨子糸に泣く』
幼少期って殆ど覚えてないからそんだけ覚えてれば充分だよ。浅倉・樋口とは家が近かったのかな。
三者面談、結果は出てるのに自信がない。自信って『自分を信じる』以上のことはないんですけどじゃあその信じたい自分は何で出来てるかって他人の評価だと思うんですよね。雛菜さんみたいに自分で自分を作れる、選べる人間ってのはごくわずかでさ。小糸ちゃんは多分すごさがないんだろね。幼馴染のことすごいって言ってたから。すごくない自分は勉強が出来ようがだめな自分のまま。自分が出来て当たり前のことで結果が出たって褒められたって自信には繋がらないよね。これくらい全然余裕って言っちゃうもんね。
走って事務所に行きますがこれ多分本人は気付いてないけど逃げたんだろなって。進路と親から? ある意味残酷で、雛菜さんが認識しているようにアイドルがいつまでも続くわけじゃないけど辞める選択も取れないわけで。まして小糸ちゃんの一番最初はあの子らと離れ離れになりたくないで始まってるから。頭いいから多分目の前に選択肢を並べなくてもある程度見えちゃってて、だから逃げた。
求められてることに応えたいって気持ちは真摯なものだし分かるけどまあ脚本は意図して意地悪ですよね。求められてるって、誰から? ファン? 親? 幼馴染?
自分?

『ささくれた指先』
妹ちゃん登場。妹ちゃんの話すっごい欲しかった。小糸ちゃんより低いのかな……。個人的には低いっちゃ低いけど小糸ちゃんより大きかったら嬉しいです、なんとなく。
小糸ちゃんすげーまともで真面目ですよね。言いつけとか大人の都合を真に受けちゃった真面目さ。いやまあそれが理想的ではあるんですけど。
小糸ちゃんアイドルの話しないのなんか分かっちゃうな。成果も過程も人に見せないでしょ。後ろめたさはあるんだと思う。だから言えないでいるし、多分それを嬉しそうに楽しそうに話そうとすることに抵抗があるのかな。親はアイドルやることなんて求めてなかったからさ。
妹ちゃんいい感じに人の厚意を受け取れるタイプである意味一番かわいい時期ですね。正直みんなの妹っていうフレーズで来たにちかに期待してたのはこういう感じ。もちろんにちかも妹っぽくはある。絶妙に憎しみあうタイプの妹だけど。

『まだらな刺繍』
自主練ひとりでやってる小糸ちゃん。この曲で終わるつもりだったって本当に? 足りないものが見えてる子だよね。これが出来るじゃなくてこれが出来ないが先に来る。性格としか言いようがないんだけどさ。自信のなさが自然と描写されてます。みんなの期待に応えたいからって言う小糸ちゃんは本当に雛菜さんと対照的だなあと。そこにひなこいの波動を見出しますよ私は。
小糸ちゃんの部屋出てくると笑っちゃうな。寝室は別だよね……? アルバム、両親に頼まないのは前述の後ろめたさかな。この判断も雛菜さんと対照的で、あの子なら自分がいいと思ったのを持ってくる……というか他二人もそうだと思う。でも小糸ちゃんはプロデューサーと決める。求めに応じたいから。見せたいものがあったとしてもそれが人に阻まれて出せないんですよ。
部活無かったらいくっていう距離感がいいですよね。なんかお姉ちゃん隠したがってるしこっちもそこまで興味があるわけじゃないし無駄にプレッシャーかけるもんでもないしっていうほどよい感じ。私はそれくらいが好きです。
期待に応える、求められてることに応えるって小糸ちゃん得意というかそのためなら頑張れるんでしょうね。だってそれには正解があるから。勉強と一緒でどこかにある答えを、かくあるべきを探して見つければいいから。自信のなさが相俟って正解じゃないといけないような気がしてる。問題だとは思わないけど、正しさを保証してくれない、誰も答えを用意してない時はどうしたらいいんだろう。

『縫い違えても』
ご両親から借りてこれたんだねえ。ちゃんと話を通せたんだねえ。よかった。いや小糸ちゃんのことだからこっそりって可能性はあるけど考えないことにする。
ちゃんと上で思ったことが回収されててまだ終わってないけど丁寧な作りをしてるなあって感心しました。こう思ってほしいって狙ってきっちりそれを活かす。難しい。
長男長女の写真って多くなりますよね。今だとスマホで現像せず消えてくんだろうか。まさかね。泣いて、笑って。それがすごいことで残しておきたいことだったのかもしれない。
小糸ちゃんのそれが単純な承認欲求から来てるのかもという自己分析とそれに対する優しいなっていうシャニPの解釈。私は優しさを無条件に肯定することが嫌いです。優しい人間が使い潰されて死んでいったり自分のことを後回しにしてボロボロになっていくのを『優しさ』っていう形容でいいことのようにまとめるのが気に入らない。
まあそれはさておきここで小糸ちゃんの頑張りを優しさだと提示したので多分それが報われる方向に行くのかなあって。
ただ成功に終わりました次も頑張りますじゃああの子はずっとあのままなので出来たら自分を認める方向に成長してくれないかなと思います。

『愛しき糸たち』
これ妹ちゃんかお母さんの名前にも糸って入ってる……?
母親ってのはこういう生きものですねぇ。何にも見てないふりしてチェックしてたりさ。後ろめたさがあったとしても最終的に許可出しましたし。
今回本当妹ちゃんがいい働きしてくれますね。当人同士が直接言葉や態度で表すのと第三者がしれっとそれを明かすのとじゃまた意味が違うじゃないですか。小糸ちゃんのこともお母さんのことも普通に好きなんだろうなって。好きかって聞かれて好きって即答するようなのじゃなくて、ふつーに好きって感じ。

ライブ
頑張りたいって言えたこと。それがこのシナリオの小糸ちゃんの成長ですね。声援や応援は期待じゃなくて、すごいえらいっていうもので、それを認められることで自信が形成されていく。まあ小糸ちゃん調子に乗るとこあるけどまずは自信を持ってアイドル続けられるようになったのかなぁって。

『あなたの笑顔まで』
なるほど着地点……か。
嬉しさとか喜びってさ、身を震わすような感動ではあるんだけど、それが素直に行動に表れるとは限らないじゃないですか。多分ね、多分だけど大勢の人の前に立ってパフォーマンスして、それで歓声を浴びる我が子を見たとき泣きたいくらい嬉しかったと思うんですよ。声を出したら震えてしまうくらい。その震えが涙を流させると分かってしまうくらい嬉しかったんだろうと。
追いつけない理想や高い目標じゃない地に足ついた目指すべきものが見えて小糸ちゃんの物語としてよい終わりでした。

・あとがき
一番王道の成長ストーリーが小糸ちゃんなんだなと。みんなより遅れているところから始まって何にも持ってない(と本人は思っている)ところからスタートするのでみんなより進んだ距離は大きい。
君の行く先に幸あれ。

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