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2023年2Q決算に向けて持てる総合商社銘柄ランキング
2Q決算に向けてのセクターランキング記事第四弾です!
第一弾は自動車セクター、第二弾は半導体セクター、第三弾はゲームセクターでした。もしよろしければ、ご一読くださいませ。
第四弾は低PBRやバフェットが買った日本株としてもここ近年見たことないほどに人気を博している総合商社株です。
ここまで株価が上昇してくるとさすがに買いにくいと思う方もいれば、今まで過小評価されすぎていただけでここからも買いだ!と考える方もいるでしょう。
PBRは1倍超えた銘柄がかなり多くなっており、適正水準までは来た銘柄も多いですが、潤沢なキャッシュフローを活用した株主還元が魅力で、それでもなおも高い評価を受けております。
業界の整理を行ったうえで、今後2Q決算に向けてカタリストのある銘柄を整理していきたいと思います。
何卒宜しくお願い致します!
7大総合商社銘柄の中期経営計画期間を頭に叩き込め
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商社で重要な論点は、資源価格の推移とかも大切ではあるのですが、今特に株価のカタリストになっているのは潤沢なキャッシュフローを活用した株主還元です。
株主還元をするかしないかなどを判断するうえで、新しい株主還元策が出て来るかもと予想するうえで非常に重要な判断材料になってくるのは中期経営計画です。
例えば三菱商事は2022年度~2024年度の中計期間となっておりますので、現在2023年は中計の2年目になります。
三菱商事の場合1年目に大量の自社株買いを発表したため、2年目はもしかしたら流してくるかな?なども考えられます。
逆に三井物産のように2023年度を初年度にしている場合、スタートダッシュ切ってくるかも!なども考えられます。
また、伊藤忠商事のように2023年度が中計期間の最終年度であれば、目標の駆け込みでラストスパート切ってくるかも!とか、来年度になれば新しい時期中期経営計画が始まるので、新しい株主還元策に期待が集まるかも!?
とか、いろいろ想像が働きます。
7大商社のどこを買おうか?と考えるうえで、各社の現在の立ち位置を頭に叩き込んでおくことは非常に重要です。
7大商社のバリュエーション分析
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まずは株価とPER・PBR・時価総額と配当利回りを確認していきたいと思います。
PER面で割安感を感じるのは三井物産・丸紅・住友商事・双日が10倍割れ、そのほか三菱商事や伊藤忠・豊田通商は10倍を超えて推移しております。
会社のクオリティを考えても三菱商事や伊藤忠が高いバリュエーションでつけられることは違和感ないですが、豊田通商が3番手に来ている点を考えると結構期待値織り込んだなと感じます。
PBRも今となっては1倍超えている銘柄がメインとなっていて、三菱商事・三井物産・伊藤忠・丸紅・豊田通商が1倍越え、しかも1.3-1.6倍の評価となっており、潤沢なキャッシュフローを有効活用できているという評価に変わりつつあります。
一方、未評価なのが住友商事と双日で割安感はあるもののクオリティでかなり水をあけられている印象。
配当利回りでも3%越えは丸紅・住友商事・双日のみとなり、丸紅はPBRで正当な評価をされながらも配当利回り3%と魅力的な還元。ほか2社はクオリティなりの評価です。
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念のため各社の1Qの当期純利益進捗率を一覧で載せました。
進捗率が高いのは三菱商事・丸紅・豊田通商で2Q上方修正期待が高い。
順調なのが三井物産・伊藤忠・住友商事と30%弱の進捗です。
やや物足りないのが双日で決算ではネガティブ視されました。
方向性は同じだが銘柄間の株価パフォーマンスには大きな乖離
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年初来の株価パフォーマンスランキングはこちら。
1位 豊田通商 +91.08%
2位 三菱商事 +81.68%
3位 丸紅 +71.27%
4位 三井物産 +52.11%
5位 住友商事 +45.74%
6位 伊藤忠 +43.18%
7位 双日 +38.45%
1位のベストパフォーマーはなんと豊田通商です。しかし、実は2022年は通年通して-11.60%となっており、去年はワーストパフォーマーかつ、唯一年初来マイナスだった銘柄です。
そのため、今年に入ってから、再評価が進んだのです。なので2年間通年で見ればまだ株価上昇は甘く見えるという状況。果たしてまだ買って行けるのか・・・?
2位は貫禄の三菱商事です。商社の中でも足元時価総額11兆円を超え、圧倒的一位となっております。2年程前までは三井物産にも伊藤忠にも純利益を抜かれ、かなり厳しい状況でしたが、現行中計が始まってからかなり積極的な株主還元に舵を切り出して評価されております。
3位は変化率の大きさが評価され丸紅です。昨年度から始まった中期経営計画では、今までの配当性向25%による還元から、総還元性向30~35%+累進配当制度を導入し、ポジティブサプライズとなりました。3年間の減配リスクがなくなったことによる大きな変化が評価されています。
4位は安心と安定の三井物産です。コロナ前比パフォーマンスでは、変化率の大きかった丸紅に次いで2位のパフォーマンスを出しております。ただこちらは総合商社の中で最速で爆裂株主還元を出しまくっていた銘柄です。コロナでどの会社も苦しくて株主還元どころじゃなかった時からずっと多額の自社株買いをやっていたので、既に結構株価が高かったのです。そのため2023年の変化はあまり大きくはない、というところです。
5位はまだまだ業績に安定感が生まれない住友商事です。大手5社の内4社が累進配当を採用する中、いまだに配当性向で還元をしていて唯一減配リスクが残る銘柄です。一方、当然割安感は随一のため、低PBR銘柄が上昇する2023年ではソコソコのパフォーマンスをあげています。
6位は非資源の伊藤忠です。ここもお金はあるのに株主還元を出し惜しみするので、パフォーマンスがやや劣後しています。やる気出せばもっといけそうなのですが、いつどのタイミングでやる気出すかがポイントの銘柄です。
7位は石炭価格の影響を受けやすい双日です。特に1Q決算の進捗が最も芳しくなく、資源影響を受けやすく、キャッシュフローも他商社と比較して潤沢さに欠けることが要因で、この2023年ではワーストパフォーマーとなっております。
さて、一言現状整理が終わったところで、2023年2Q決算に向けてカタリストを持ち、決算プレイや決算目がけて、または決算後の株価想定を考えてランキング形式でご紹介いたします。
では早速宜しくお願い致します!
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