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2024年4Q決算に向けて持てる不動産銘柄ランキング
以前投稿した不動産セクターの基礎編は上記2記事を参考にいただけますと幸いです!
ちなみに本決算に向けたセクター記事第一弾は自動車・第二弾は石油銘柄
第三弾は損保3社、第四弾は商社
第5弾は不動産にフォーカスしていきます。
不動産業界はなぜかマイナス金利撤廃でポジティブに
日銀政策決定会合の内容をいまさら振り返るのは避けますが、普通に考えればマイナス金利撤廃・YCC解除・オーバーシュート型コミットメントの終了・CP社債の買い入れ停止とすべてネガティブに見えます。
当然これはいつかは起こる内容だということで、身構えられていた分、悪材料出尽くしでむしろ抑えられていた買い圧力が噴出したともいえるかもしれません。
もしくは空売りしていた投資家の買戻しが優勢になった可能性は十二分にあり得ると思います。
日銀が最初に正常化に動き出したのが黒田総裁の最後の方、2022年12月でYCCのレンジを0.25%⇒0.5%に変えたときでした。
その時はREITも不動産株も急落しました。
そこから1年3か月経過した今、実際にYCC解除となり、むしろいい味出してきたのでしょう。
建設費上昇に対する考え方を整理
当然頭に入れておかなければならないのは建設費の高騰です。
不動産価格は上昇しており、不動産株にポジティブという話が目先では話題になっておりますが、その分今後開発するビルの建設費上昇は利益率悪化につながり、ネガティブに働きます。
そんな当たり前のことはさておき、もしビル建設費が上昇したら不動産会社はどういう行動をとると思いますか?というのが重要なところです。
例えば都心一等地、今三菱地所が建設を開始した「トーチタワー」
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こちらは東京駅目の前、日本橋と大手町の間くらいに作られる日本で最も高いビルになるといわれております。高さは390m。完成は2028年3月予定とされております。
建設費高騰でネガティブ、なのですがこういうプロジェクトは今後も行われるでしょう。なぜなら土地の価値が高いため、建設費高騰を踏まえてもポジティブになる可能性が高いです。
一方で、地方のビル開発はどうでしょう?
土地の価値が上がらないため、建設費高騰のネガティブ影響が相対的に大きくなります。そのため、都心の一極集中がさらに加速すると見ます。
都心の開発案件の多い不動産にポジティブ、地方にはややネガティブというインプリケーションです。
空室率は継続的な低下傾向へ
都心5区の空室率は5.86%まで低下しております
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コロナショック前は2%程度でしたが、コロナショックを経てピークで6.5%程度まで上昇、足元でようやく空室率が低下し始めました。
また賃料についてはコロナ前、坪22500円程度をピークに、足元では坪20014円となりました。
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恒常的に下がり始めていた賃料がとうとう底打ちしたという感じです。
2024年新築完成のオフィスビルは地味に少なく、空室率が急激に上昇するリスクは低いと考えられます。新しいビル乱立すると最初は全部空室から始まりますからね・・・、供給増えると空室率があがってしまうのです。
2024年5月赤坂グリーンクロス竣工(積水ハウス・日本生命)
2024年8月赤坂トラストタワー竣工(森トラスト・NTT都市開発)
大手不動産銘柄2023年1月以来パフォーマンスランキング
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1位 三井不動産 +108.19%
2位 東急不動産 +101.37%
3位 住友不動産 +90.38%
4位 東京建物 +67.93%
5位 三菱地所 +65.25%
6位 野村不動産 +57.31%
7位 ヒューリック+52.42%
三井不動産と東急不動産と住友不動産が頭一つとびぬける形。
次いで東京建物・野村不動産・三菱地所・ヒューリックという構成になっております。
足元特に上昇が著しいということで注目度が上がっている不動産株の中で、本決算で注目すべき銘柄という観点でお話していきたいと思います!
何卒宜しくお願い致します。
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