無心の空白期間
寝る前に訪れる一日の空白期間が嫌いだ。
目をつむり、「何も考えない」ことを考えて、ただただ無心であろうとするあの時間。気絶するようにすぐ眠れるのなら良い。でもたいがい、夜の寝つきは悪い。
眠れないことがプレッシャーとなり、また眠れなくなる。次こそ寝よう!………眠れんやんけ!!!
そうして夜は更け、心も老けていく。
一日のうちで一番無駄な時間。それが寝付きの悪い夜のベッドの上で展開される。
人は好奇心の獣だ。頭の中に移りゆく日々の気づきは、人生をうるおす絶好の潤滑油だ。けれど、寝る前に至ってはただの薄汚れたタールのようにこびりつく重しでしかない。
そうしてその気づきは、たいがい気づかなくても良いことばかりだ。
あ、昨日忘れ物したな。
あの時は話しかけるタイミングじゃ無かったな。
高校生の頃、好きな子に行ったアプローチの仕方、愚かすぎない???
悪い記憶って、絶対ほこりを被らない。定期的に回収屋さんが来て、記憶の上の方にぽいって置きにくるから。
迷惑すぎん???大きなお世話すぎる。もうやだ。
かくして、夜は更けていく。目の下のクマの濃さとともに。
あーあ、機械だったら良かったのに。スイッチひとつでスリープモード。
そんな機能付きの機械だったらこんなに悩まないのに。くそう。
でも、スイッチを切った機械の私を、誰が起動してくれるんだろう。わあ、安易に孤独死してしまう可能性あり。もうやだ。
機械にもなれず、寝られず、こんな私はどこに向かっていくのだろう。
それを知っているのはきっと、明日の私だけ。
しょうがない、また空白期間にチャレンジしてみよう。もしかしたら、無心の考えを超えて、夢の世界に羽ばたけるかもしれないから。
だめだったらまた更新します。人生そんなもん。わはは。