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20240907 08 横浜ロマンスポルノ「解放区」part2

これの続きです。

11.むかいあわせ

因島に旅行に行ったとき、大浜の海岸にあった「移動喫茶ぽるの」で流れていたことが印象に残っていた。
ポルノグラフィティの曲をランダムに流していたのだが、「むかいあわせ」は久々に聴く曲だったために記憶に残った。サビの上下が激しい、不思議な雰囲気を与えるメロディが好きだ。
事前のMCで昭仁が言っていたが、映像作品(STUDIO SESSION〜稀・ポルノグラフィティ〜)以外では演奏してこなかった曲だ。

まさかの選曲に、会場から歓声が上がる。
この曲が公開された11年前から、昭仁の技術は遙かに向上している。心が震えた。

12.ギフト

いつもと違う、アコースティックなアレンジから入った「ギフト」。私はこの曲をライヴで聴くごとに涙を流す。

思い出すは、遙か青春の日。ギターを買ってもらい、初めてCD音源と合わせて最後まで弾けた曲。そのときの感動は今でも覚えている。

自分の才能(ギフト)のみすぼらしさを嘆くものの、最後は自分の足で未来へ向かっていこうとする「ギフト」の主人公。ギターがなかなか上達せず、周りのギタリストと比較して失望した日々を思い出す。
自分の「ギフト」を隠したり捨てたりせず、一歩ずつ自分らしく進んで行けたらなあ、と思わせてくれる大事な曲だ。

13.THE DAY

ハマスタで聴く「THE DAY」は特別だ。
なぜなら、前回の横浜ロマンスポルノ「THE WAY」の核となる曲であったからだ。

あのときは、会場に入るときに謎のリストバンドを渡された。
何が起こるのかと期待しながら「THE DAY」に入った。
すると、会場の観客たちのリストバンドが光り出した。青と白の光が特に印象に残っている。
そして最後には「THE DAY」の文字が浮かび上がった。この曲をさらに好きになる、本当に素敵な演出だった。

これを覚えているからこそ、「THE DAY」の激しいイントロが流れた瞬間、血がたぎった。

1日目は、昭仁の喉の調子が明らかに悪そうだった。絞り出すように叫ぶ昭仁。心の中で「昭仁さん!頑張って!!」と念じていた。この不安は一瞬にして払拭されるのだが、それはまた後の話……。

14.螺旋

最近のポルノグラフィティのライヴは、晴一が主役のインストゥルメンタル曲の時間が設けられるようになった。晴一のギターテクを存分に浴びることができるので、私はこの時間が好きだ。

この2日間の晴一は、ファッションも含めて色気を感じた。その色気が最大限に活かされた、エモーショナルなインストゥルメンタル曲だった。

ギターを嗜む者としては、ギターが主役となって4分近く演奏し続けるその体力や技量に改めて驚かされた。
昭仁の体力が賞賛されるのはSNSで目にする。しかし、晴一もすごい。ギターを弾き続けるには体力がいる。
4曲目の「アポロ」で疾走する昭仁の姿を見たときも思ったが、私自身も体力をつけてバテない大人になりたいと感じた。

15.Zombies are standing out

1日目では「THE DAY」を絞り出すように歌っていた昭仁だったが、「螺旋」で少し休憩を取っただけであっという間に元通りのコンディションに戻っていた。
驚いた。岡野昭仁というヴォーカリストは、袖に少し引っ込んだだけで体力が全快するのか……!?ゾンビもびっくりである。

激しいロックに乗せて、ゾンビ視点の悲哀を描いた曲。この曲が出たときは、ポルノグラフィティのロックの部分を全面に出してくれたことが非常に嬉しかった。そのときも衝撃を受けたが、この2日間でも衝撃を受けた。

ゴリゴリのギターに、昭仁の力強い声が映える。
個人的にはヘドバンしたくなる曲である。周りがやらないので控えめにしたが。

16.今宵、月が見えずとも

ロックナンバーは続く。
アニメ「BREACH」の映画主題歌にもなった名曲だ。

イントロのシンセサイザーが鳴った瞬間、会場の熱は一気に上がった。
「喉からCD音源」とはよく言われるが、昭仁はそれ以上である。圧巻のロングトーンを披露し、会場の盛り上がりは留まることを知らない。

晴一らしいシニカルな歌詞。この曲を初めて知った中学生の頃は思わなかったが、ちょっと大人な歌詞である。
先ほどの「Zombies…」もそうだが、ポルノグラフィティのアップテンポに乗せて悲哀を歌う楽曲が好きだ。曲の盛り上がりと反して歌詞はどこかもの悲しいというギャップがたまらない。

MVの「瞼閉じる それだけでいい」と歌う昭仁の仕草が好きだ。

2日目では、この箇所で昭仁が目を手で覆いながら歌った。あまりの妖艶さに鳥肌が立った。ここに魅せられたファンは多いだろう。

まだまだ成長を見せる名曲に、今後の期待が高まった。

17.ひとひら

静寂。突如流れる一節。

まさに「わかっていなかった歌の意味」が11年越しに私の胸に届いた。

20周年記念ベストアルバム「ALL TIME SINGLES」の最後に収録された、郷愁と未来への一歩を感じるミドルバラードである。
憧れを抱きながらももがくこの曲の主人公は、ポルノグラフィティの足跡とも重なる。

この曲を初めて聴いたとき、私は大学生だった。少し大人になった気がしていて、ポルノグラフィティの曲の意味も分かった気がしていた。
「わかっていなかった歌の意味」という歌詞の意味は分かっていた、ともっていた。

それから約10年。改めてこの曲を聴く。あのときは「わかっていなかった歌の意味」が分かっていなかったことに気付き、はっとした。「今なら少し分かる気がする」。この「ひとひら」は、「まるで違う歌のよう」だった。

余談だが、この曲の1番は1人オフィスで残業をする主人公の描写から始まる。
転属前の職場で、定時から4時間経って泣きながら帰った苦い思い出がある。そのときのことをポルノグラフィティが見ていてくれたような感覚になり、涙してしまった。

18.ヒトリノ夜

イントロで会場のテンションは一気に高まる。

カラオケで歌おうとすると、この曲はキーを下げることを推奨される。そのくらい、高いキーの曲なのである。一番高い音は高いソなので特別高いわけではないのだが、曲全体で見ると高いキーを維持して歌わなければならないため、難易度が高い。
しかも、インディーズ時代から数えれば30年近く経つ曲である。
そのキーを維持している岡野昭仁。苦も無く岡野昭仁。なんなら成長している岡野昭仁。何者だ。

2日目ではお茶目な歌声も披露していた。そんな声が出せたのか、と大変驚いた。昭仁の歌の成長や可能性は無限大である。

この曲を初めて知った中学生の頃には、ちょっと刺激が強めな曲だった。
そのドキドキ感は、今回のライヴでも感じた。

この後、2日目ではより刺激が強い曲が来ることも知らず……。


ゆっくり書きたいので、今回はここまでにします。

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