ZBrushCoreMini公式CFに作例が採用されました。
まずCFをご覧下さい
まずはYoutubeにアップされているCFをご覧ください。
2021年5月19日リリースの「ZBrush Core Mini 2021.6.5」の公式CFにて、私の作例が採用されました。(祝)CFの0:11〜あたりです。
30秒ほどのCFなのでほんの一瞬ですが、公式に作例が使われるというのはZBrushユーザーとしてはとても光栄なことです。
経緯
この作例はこのnoteやTwitterなどでもプロフアイコンとして使っているものです。去年の6月にZBrush Core Miniがリリースされた時に作りました。そのときにZBrushCentralのサイトに「作例をアップしよう」というスレが立ち、その流れでいくつか違うバージョンの作例画像をアップしたところ、Pixologic社のPaulさんの目に止まった、というのがきっかけです。
ZBrush Core Miniをご存じない方のために説明しますと、3D業界標準の3D造形アプリ「ZBrush」の機能限定版です。使える機能とパーツ、扱えるポリゴン数が制限されているため出来ることが非常に少ないのです。
その制限の中で、あえて、球体1個からどこまで作れるか、というところにこのZBrushCentralでのスレの意味がありました。
制限という名の起爆剤〜ユーロの経験から
模型のコンペなどでもそうですが、レギュレーションは
「同じ条件・制限の中で作者がどれだけ表現出来るか」
ということに意味があります。
作者の力量が問うのにレギュレーションは非常に有効なのですね。
私は昔は
「レギュレーションなんかクソ喰らえ。自由に、無制限に、自分のやりたいことをやるのだ」
と思っていました。なので、模型趣味をやっていても、コンペの類に出したことは一度もなかったのです。
しかし、模型の世界に出戻ってから知った、「ユーロミリテール」という毎年イギリスのフォークストンで開催される欧州No.1のミニチュアコンペを知り、考えが180度変わりました。
このコンペはレギュレーションがガチガチなのです。カテゴリーもいっぱいあります。その制限の中で自分をのびのびと表現している欧米モデラー達の表現力にショックを受け、魅了されたのです。
そして実際、自分自身もそのコンペに出品することで、多くのことを学びました。そのコンペに参加したときの写真を少し紹介します。↓
わたしはこのような作品(他数点)で挑みました。
会場&審査の様子。左側の方の手前にある大きめの2つの兵士の作品が私の作品です。
大きめ作品なら金賞を狙えると思ったのですが、そんな甘くはありませんでした。厳しいレギュレーションと審査基準があり、それに沿ってドライに採点がなされます。
結果は「優秀賞」。
その上に金・銀・銅があります。
今だから言えますが、正直、とても悔しかったです。審査員の方からは、
「初めての参加で賞をもらえるのは素晴らしい。15年通って1個も貰えないひとも沢山いるんだから」
「レギュレーションに沿っていないところがあるから減点された」
「審査基準に則った作品を作ったらもっと上にいけるよ」
と言われました。
が、12時間かけて大金使って日本からイギリスに乗り込んだ私の打ち砕かれた思いにはその慰めもあまり効果はありませんでした。
ですが、他の「金・銀・銅」の作品を見ると、レギュレーションに則った上で素晴らしい表現をしているのです。レギュレーションのフェアネスと、それを起爆剤にして表現する作品の数々に圧倒されながら、レギュレーションの意味と価値を見出せるようになったのです。
まとめ
話は長くなりましたが、「ZBrush Core Mini」という制限の中で「機能が少ない」と文句をいうのではなく、
「制限された機能をレギュレーションとして捉えて、作ってみよう」
と思って作った作品がこうやって取り上げられたことを誇らしく思っています。
作った1年後にこういうこともあるんだな、と思った出来事でした。
ではまた。
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