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アナログ造形:『KILLING ROMMEL』(2014年作品)(その6)
前回(↓)の続き。(最終回です)
※この記事はいわゆるテクニックとかを解説する「模型制作のハウトゥ記事」ではありません。あくまでもそれを刺し身のツマにした読み物として読んでいただけると幸いです。
シボレートラックとタイヤもの
このLRDGシボレートラックの制作に関しては、一つの目標を掲げました。
「タミヤ1/35LRDGシボレーを使った作品の中での最高傑作を作る」
です。
私は昔から同じ車両をテーマにした作品をラーメン屋のオヤジのごとく何度も何度も作って量産することにはまったく興味がありません。基本、同じ車両は一生に一回作ればそれで十分です。
ただ、このLRDGデザートシボレーに関しては、作るのは人生3回目でした。最初は小学校の頃。2回目は出戻り直後。そして今回のこの「KILLING ROMMEL」で3回目です。この作品は「このシボレートラック作品にケリをつける」つもりで作りました。
少年時代の自分への回答作品
少し脱線しますが・・・以前「人生初のジオラマ」と題し、画像と記事をアップしました(↓)。
記事の中で触れたように、私は13歳のころ作った人生初のジオラマから
「荷台に銃を乗せたガントラックとイギリス軍のジオラマ」
を作っています。
どうも私は戦車よりもトラック系が好きなようです。小学校3年の終わり頃にAFV趣味に走る前、つまり小3の頃は、F1やスーパーカーのプラモばかり作っていました。特にタイレルP34に異常に魅せられてしまい、何台も作りました。同時期には、シャーシに木材と工作セット、ボディに紙を使ってF1を1/10でスクラッチビルドしたりもしました。もう手元には残っていませんが振り返るとあれが人生初のスクラッチビルド模型ですね。
AFVに入った最初に買ったキットは「イギリス軍のスカウトカー」で、理由は「面白い形の車だなと思ったから」です。AFVの入口は「MMが流行っているから」とか「戦車が作りたいから」ではなく「カーモデル作りの延長」だったわけです。
さらに別の趣味でロードバイクをやってた時期もあり今でも所有しています。そんな感じで、まったく無自覚ですが昔から何故か「タイヤのある乗り物」が好きなようなのです。
ただ、いわゆる「カーマニア」ではありません。車は好きですし運転することも好きですが、走り屋ではないし車のモデルの事自体にマニアックに詳しい訳でもありません。エンジンが好きなのか?と言われたらそうでもなく、エンジンのない馬車とかも好きだったりします。車やオートバイよりもどちらかというとロードバイクのほうが詳しかったりしますが、それも「ロードバイクだけ大好きなマニア」というわけではありません。
普通マニアはそのジャンルだけが好きで他のタイヤものに関してはあまり興味を持たないと思います。私の場合は車やトラック・オートバイ・ロードバイク・馬車も一律に「タイヤもの」として同じように興味の対象です。
恐らく、タイヤが転がって進む感触と感覚、人が移動するには絶対必要なもの、映画「イージーライダー」的な「旅・自由・開放の象徴」である事、そういう、あらゆる乗り物や道具で活躍する「車輪」という人類の発明そのものに魅せられているのかもしれません。
話はだいぶ脱線しましたが・・・このように、自分のルーツを顧みる、という意図も含まれていました。
模型を作る人・・・いや、何か作品なるものを作りたいと思う人は全て、
「そもそも自分が何に魅了されて作ろうと思ったのか?」
「何が初期衝動だったのか?」
「ほっといたら無意識にやり始めているものは何だったのか?」
それを時々顧みることが大切だと思ったりします。
作品に話を戻します。
この作品は、そういう自分のルーツ、制作のパッションの根源を顧みつつ、模型少年だったころの昔の自分に大人の私が未来から回答を返す、という想いも込めました。
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ロードムービーやマッドマックス的な世界観が好きな私はそれを彷彿させるこの「LRDG長距離砂漠挺身隊」で使われたシボレートラックに魅せられたのだと思います。小説「砂漠の狐を狩れ」では、その過酷な任務のリアルが描かれていますが、それを読んだ時「あぁ、やはり読む前にイメージしていたことに近い世界だな」と思ったので違和感がありませんでした。
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ドライバーも、その過酷な任務下に置かれている兵士らしい厳しい面構えの造形が表現出来たと自負しています。
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まとめ
全6回に渡って、1/35ジオラマ「KILLING ROMMEL」を刺し身のツマにしつつ模型談義を書いてみました。いかがだったでしょうか。
このジオラマで、私の中の「LRDGシボレートラック」は昇華され、完結しました。LRDGをテーマにした作品はまたいつかデジタルで作りたいと思っています。しかし、もう、今後このキットを使った作品を作ることは一生ありません。このキットを使った名作は他にも沢山あると思いますが、
私の中での最高傑作が出来た
と自負し、誇りを持っています。このキットへの魂は全てこの作品に込めたので、もうこれでお別れです。
最後にもう一度、完成作品をお見せしながらお終いとしましょう。ではまた。
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