Firefoxのエンジン開発のために開発されたRustという言語
最近Pop!_OSのメインブラウザをChromeからFirefoxに移行(正確に言うとデフォルトに戻した)した話を書きました。↓ その続き。
FirefoxのエンジンはRustで開発されている
ちょっと前からRustという言語をチラチラ目にするようになり、気になっていました。Pop!_OSを使うようになり、そのPop!_OSの開発者Jeremy氏が開発しているオリジナルUNIX互換OSの「Redox OS」がRustで書かれているというのを目にしたのが最初のきっかけです。
そこでこのRust言語を調べてみると、開発の大元はMozillaプロジェクトであることが分かりました。
マルチコアプロセッサでの高パフォーマンスが売りのChromeに対抗すべく、Firefoxを開発するMozillaチームはエンジン部からのテコ入れを始め、
その開発のために開発言語を開発する(!)
ということを始めたわけです。
いやはや・・・なんともすごい話です。
そこで完成したのがFirefoxのブラウザエンジンの「Servo」。
最新のFirefoxがマルチコア対応で先行するChromeに追いつくレベルの高パフォーマンスを実現しているのはこうした中の人たちの戦いの賜物である、というわけです。
GoogleもRust採用へ動いている様子
最大のライバルChromeを開発するGoogleもAndroidのLinuxカーネル開発にこのRust言語を採用することを検討しているという話もあります。
本家Linuxカーネル開発もRust採用を検討する動きもあるようです。
Pop!_OSにRustを入れてHello World
というわけで、私はカーネル開発者でもなんでもないですが、ちょっと興味が湧いたのでPop!_OSにRustをインストールしてHello Worldしてみました。↓
この一連の行為に特に深い意味はなく、言語を触って、ビルドして動きを確認して「なるほどー」と思うだけです。
ですが、自分が使っているFirefoxのブラウザエンジンを開発されるために開発されたこの言語を触ってみるというのはなにか壮大で不思議な感覚を受けるものです。作り手達の魂にちょっと触れたような感覚といいますか。
自分のやることとは異なるジャンルであっても、そういう「クリエイトする人達のスピリット」から感じられるバイブレーションを少しおすそ分けして頂いて、自分のやることにフィードバックしていくというのは大事だと思ったりします。
まとめ
ふだん何気なく使っているブラウザの中の人たちが裏ではまだまだ開発バトルを繰り返しており、そのために未だに新しい言語が開発され続け、そしてその恩恵を末端ユーザーの私が受けるというこの現代テクノロジーの世界観ってワクワクしないですかね。私はワクワクします。
「いや人間ってすごいな」
と思わずにはいられません。
そんな感じで、私はただ使うだけの身ですが、開発者たちに深いリスペクトの念を送りつつ、最大のライバルChromeに追いつき追い越すためにエンジンを開発する言語から開発してしまったFirefoxとMozillaチームを改めて応援してみたい気持ちになりました。真面目にPop!_OSのメインブラウザとして使い続けてみようと改めて襟を正した次第です。
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