アスクル決算 非常に優等生決算!LOHACOの売上成長はしばらく無い!?
こんにちはhissy(@hissybiz)です。今日はアスクルのFY2021Q3決算を解説していきます。さ、今日もビジネスレベルあげ!
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サマリ
1.増収増益の好決算 利益は過去最高水準
2.BtoBは顧客ベース・顧客あたり売上ともに成長と順調
3.設備投資もBtoBに集中している
4.LOHACOはしばらく黒字化に集中
・売上高:1,065億円_YoY+6.7%
・営業利益:43億円_YoY+52.0%
売上、利益ともに増加と好調な進捗となっています。特に営業利益は前年比+52%成長と大きく改善しています。
売上を牽引しているのは主力事業である、BtoB事業で前年同期比+44億円成長、LOHACOを中心としたBtoC事業も18億円伸ばし、成長率はYoY+16.5%と堅調です。BtoC事業についてはLOHACO事業が赤字となっており、全体の利益率の足をひっぱている状況ですが、収益性改善傾向にはあります。
3Q累計 でいっても、増収増益と好調な推移となっています。営業利益は3Q時点での通期過去最高益を更新とのことで、利益改善が進んだ期であることがわかります。
EBITDAも過去最高ということで現金を生み出す力が増加していることがわかります。
BtoB事業
主力ジャンルである「OA・PC」および「文具」は前年比マイナス成長ではあるものの「メディカル(おそらく消毒液など)」が感染症対策需要で大きく成長し、売上を下支えしている格好。
期初計画地を上回る売上進捗と好調です。
売上成長をブレークダウンすると、顧客数増加が+2.5%、顧客単価が+2.8%とともに増加しているとのことで、KPIも良好です。
BtoB事業の売上成長の戦略の一つであるロングテールの拡大ですが、引き続き取り扱いアイテム数は伸びており、830万アイテムを超えるまでに増加しており、更に増やしていくとのこと。
また、ロングテール商品の売上成長率は前年比+27%ということで全体の成長性よりもカナリ高い成長をしていることがわかります。既存顧客のARPUを上げるとともに、新規顧客獲得にもつながるので、物流施設への投資は必要になってきますが、間違いない戦略かと思います。
BtoC事業
LOHACOの黒字化というのが、ここ数年取り組み続けているBtoC事業の重要課題となっています。進捗としては順調に改善がされていっているとのことです。
LOHACOについては、黒字化プレッシャーが相当強いのか、売上の成長がほぼ止まっています。
ご覧のとおりで、月間売上40億円前後で止まっている状況です。
限界利益率がプラスに転じているので、売上が伸びることによる利益改善もあり得るのですが、ロードマップの中には「売上成長」は含まれていないので、売上はKPIではなくなっているのだと推察します。
また、後述もしますが長期的な売上の成長のために先行投資として必要な、物流拠点に対しての投資も、LOHACO向けには今年行っていません。
なので、しばらくの間は売上伸ばさない気なんだな、というのが印象です。
親会社であるヤフー(ZHD)との共同により販促費や人件費を削減という地味な改善もしっかり行っています。
このあたりの状況をみると、アスクルとしてはBtoCというよりは強みであるBtoBをしっかり伸ばしていきましょう、その結果、利益が残る形でZHDに貢献していこう、というのが期待値なのではないかと感じます。
バランスシート確認
・現金:732億円
・短期借入金:3.8億円
・長期借入金:123億円
長期借入金は123億円ありますが、短期借入金はほぼ無し、また現金は732億円あるので特に問題ありません。
9ヶ月間で現金は100億円積み上げているので(主に営業キャッシュフローによるものと思います)財務健全性は増加しています。
今期の設備投資は上記の通り年間118億円程度の予定。3Q時点で昨年比+112%ということで前年押さえていた設備投資を再開しています。
ここで注目なのは3つのメインの投資がすべてBtoBであることです。つまり、向こう数年においての成長の中心はBtoB事業に置いているということがよくわかります。
BtoC事業はしばらく売上を大きく成長させることは無いでしょう。(設備投資は先行して進むので、成長させたくても無理、とも言えます。)
hissyが経営者ならどうするか
では、hissyが経営者ならどうするかをというと以下の取組を敷いていきます。
1.Yahooショッピング出店者への営業
2.ソフトバンクとの協働営業でDX推進事業を立ち上げる
3.BtoC事業の売却
まず何にしても親会社であるZHDおよび、その親会社でソフトバンクとの協働は、もっと加速させるべきであると思います。
※そのための上場廃止等は受け入れるべきです。
アスクルの強みはなんと行っても法人のアカウントを大量に持っていることであり、今後も法人の顧客基盤を軸にビジネスを展開していくことが良いと考えます。
1.Yahooショッピング出店者への営業
まずは正攻法として、新規顧客開拓としてYahooショッピング出店者への営業を開始します。EC事業者ならではの「ダンボール」「梱包資材」などといった商材のニーズもあるはずで、新規開拓の余地は大いにあります。
2.ソフトバンクとの協働営業でDX推進事業を立ち上げる
次に、アスクルの法人アカウントを軸にしたDX支援事業を開始します。パートナーとしてソフトバンクと組めば営業力、DXソリューションの提供共に問題ないかと思います。
3.BtoC事業の売却
そして、BtoC事業の売却です。残念ながらBtoCのECで単独でAmazonに勝つことは不可能と考えて良いでしょう。モノタロウのように、あくまでBtoBのECとして特化してやっていくことのほうが強みを活かせます。また、もはやZHDの子会社でもあるので、1社で頑張ってBtoCをする必要もありません。なので、BtoC事業は黒字化したら売却してしまうのが良いかと思います。
※ZHDに譲渡、とかでも良いと思います。
サマリ
1.増収増益の好決算 利益は過去最高水準
2.BtoBは顧客ベース・顧客あたり売上ともに成長と順調
3.設備投資もBtoBに集中している
4.LOHACOはしばらく黒字化に集中
BtoB事業だけの会社と考えれば、非常に優秀な企業であるアスクル。BtoC事業を、同処理していくかが課題になってくるのではないかと思います。
一方で、BtoB事業は低成長率ながらも、しっかり毎年前年を超えていくので収益性が改善してくれば、毎年のように最高益を出していくような環境は整いつつあるかと思います。
現金も溜まってきているので、どの領域に投資を振り向けていくのか注目していきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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