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Web制作業界に就職するあなたへの手引き(その2)Webサイトの媒体特性とは何か?
未経験や他業種からWeb制作業界にチャレンジする方を対象に、価値あるスキルを身に付けていただくための座学連載、第2回です。まず「Webサイト」とはそもそもどういうものなのでしょうか。
突然ですが、あなたが最近見たWebサイトって何ですか?覚えていますでしょうか?Twitter, Facebook, YouTube, Amazon, Wikipedia…。メジャーなところでは、この辺りでしょうか。他には?
好きなアーティストの公式サイトは見たかも。新しく始まるアニメの公式サイトをチェックしました。近場の歯医者を選ぶのにホームページにアクセスしました。細かく見ていくと、色々ありそうですね。では、企業のWebサイトを最近見た方は?
数が多いのはコーポレートサイト
Web制作の仕事で、数が多いのは企業のWebサイト、いわゆるコーポレートサイトと呼ばれるものを作る案件です。少なくとも、あなたがスーパーエンジニアでない限り、Twitterの開発に携わるということはあまりないでしょうし、その一方で、調査によると、日本国内の民間事業所は600万社以上もあります(*1)。とてつもない数字ですね。その全てがWebサイトを持つことがないにしても、Webサイトが必要になる機会としては、とても大きなボリュームを持っていることはわかると思います。
そんな企業のWebサイトのひとつとして、弊社のWebサイトがどんなふうに利用されているのかを少しご紹介しましょう。
アクセス解析からわかる、一般的なWebサイトの特性と利用のされ方
本サイトでは、「Google Analytics(グーグル・アナリティクス)」というツールを用いて、利用者の行動を分析し、統計情報として活用しています。特殊なことをしているわけではなく、世の中の多くのサイトが利用しているツールで、個人を特定せずに「どれくらいの数の利用者が来訪したのか」「どういう経路でWebサイトにやってきたのか」「どんなページを見たのか」と言った情報が分かります。しかも、無料で使えるツールです。驚きですね。
このアクセス統計ツールから得られる知見を少しご紹介しましょう。
● 全体の80%は初めてアクセスする人です。
● 1回の訪問で見るページは平均で1.5ページです。
● 1回の訪問の滞在時間は平均で1.5分です。
● 全体の80%は検索エンジンから訪問します。
いかがでしょうか。SNSのように毎日訪問ししばらく滞在するWebサイトと違い、企業のWebサイトに訪れるのはほとんどが初めてアクセスする人で、ほんの少しだけ文章を読んで去っていくということです。
一般的に、1分間で読めるのは400〜600字だそうです(*2)。つまり、平均しても本記事の4段落目くらいまでしか読んでくれない。弊社サイトには400ページ以上のコンテンツがありますので、その0.1%も読まずに出ていってしまうということです。
ご紹介した数値は弊社のサイトですが、一部のサイトを除き、他の一般的なサイトでも大きな違いはありません。まさに一期一会の出会いと言えるでしょう。
このような利用のされ方になる理由としては、Webサイトへのアクセス手段が極端に簡便になっていることが考えられるでしょう。スマートフォンさえあれば、片手の中で一瞬でアクセスできますし、ビジネスにおいても一人1台のパソコンが支給されているのが当たり前です。簡単に、いくらでも膨大な情報にアクセスできるからこそ、去っていくのも一瞬なのです。
マイクロモーメント
Google は、このような反射的なユーザーの行動をマイクロモーメント(Micro Moments)と定義しています。ユーザーがなぜ、そしていつ、どのようなキーワードで検索し、いったい何を求めているのか。アクセスしてきた人は何を求め、どんなコンテンツに満足するのか。生活のあらゆるタイミングで瞬間的にWebにアクセスするユーザーのニーズを深く分析することを推奨しています。
なかなか、奥の深い世界だと思いませんか?
本日のまとめ
Webサイトにアクセスできる手段はますます簡便になり、同時に離脱するのもますます簡便になっています。
この一瞬の勝負で、読んで欲しい情報にアクセスしてもらい、正しく理解され、さらに印象にも残したい…果てしなく大変なことに思えてきませんか?少なくとも、誰にでも簡単にできるタスクのようには聞こえないでしょう。
それでも、多くの企業はWebサイトを持っており、それらのWebサイトはプロフェッショナルに発注し、多額の予算をかけて整備しているのです。次回は、企業はなぜお金をかけてまでWebサイト制作を発注するのか、その結果何を求めているのか、というお話をしたいと思います。
連載を第1回から読みたい方は、こちらからどうぞ。
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