リスクが大きい運試し。
退屈な毎日にスリルを求める。
結果、鍵をかけずに自転車を置いて買い物をするという運試しを始めた。
いざ勝負。
待っててね…私の自転車。
今日はイケル!
何処から出てくるのかわからない
根拠のない自信。
鍵をかけずにお店の中に入る。
スーパーの時は何故かドキドキ感が少ない。
ゆっくり野菜のコーナーから商品を見て回る。
最後のパン、アイスの新商品のチェックまでしてしまう。
いやーごめんごめん。
遅くなって。
予定より買い物いっぱいしちゃった!
袋に入りきらなかった食パンを片手に自転車の元へ。
私の自転車は今日も無事。
回数を重ねるごとに余裕が出てくる。
今日はこのまま鍵をかけずに仕事に行こう。
鍵をかけず8時間。
これは大チャレンジ。
運が悪かったら自転車とはもう会えない。
変な自信がついた私は
今日も運試しをする。
ちゃんと待っているんだよ。
行ってきます!
自転車に別れを告げ仕事に行く。
勤務中自転車が少し気になる。
ないかなーないよなーきっとね、いないよな。
若者のすべてが頭の中をぐるぐるぐるぐる。
ダメダメ。
それって自転車ないじゃん。
仕事終わり小走りで自転車の元へ急ぐ。
あれ?
私の自転車…ない!!!
ないよ!
えええ!どうして?
なんでないの!
サドルが!!!
変わり果てた私の自転車がそこにあった。
まさかのサドル無し…
初めての経験。
一瞬何が起きているのか理解が出来なかった。
何十台と自転車がある中で私の自転車だけがサドル無し…。
なんで選ばれるのよ!!!
悲しかった。
せめて何か代わりのものをさしてほしかった。
ブロッコリーでもネギでもいい。
ごめんねの何かが欲しかった。
懲りずに私は今日も運試し。
サドルは一つ無くなった時用にスペアを用意した。