デジタル聴診器
デジタル聴診器ネクステート
去年12月~幕を開けたコロナ時代。
いかに自分、家族、患者を未知のウィルスを防ぐことができるかという視点から疫学や公衆衛生学を改めて振り返る機会となった。
そんな時に、聴診器は
・色々な患者を見るためウィルスを媒介しやすい
・一人一人の耳に依存するため、技術的な差異もあれば、言語で伝えられる表現にも差がある。(肺雑音の種類は言語化できるが呼吸入りの差は表現できない。)
・聴く人が変わると昨日と今日の違いが分からない
・急に重症化する患者の特徴は呼吸音の違いから、早期発見に繋がるのではないか疑問視するが、感染リスクから聴診に積極的になれない。
などの問題があるので、
聴診器自体にスピーカーを取り付けたり、音をデータとして保存できないものか。音をその場でチームで共有することはできないものかと考えていた。
しかし私はデジタル家電が好きなだけで、知識もなければ、ましてや作り出すこともできない。
ネットであれこれ調べていた時に、
シェアメディカルのネクステートを知った。
ネクステートはBluetooth無線通信機能を内蔵しており、市販の対応ヘッドフォンやスピーカーなどをつなぐことで、約10m離れてワイヤレスで聴診可能だ。患者自身が自分の身体にあて、ビニールカーテンなどの仕切り越しに医師がワイヤレスヘッドフォンで診察を行ない、飛沫感染リスクを低減する試みを行なえるというものだ。
私はすぐに、この聴診器はコロナ時代のニーズに合った物だと思い、法人への営業に力を入れて欲しいと連絡をとった。恐らく、私が言わなくても営業に力を入れると思ったが、なんとなく現場からの言葉を伝えたいと思った。
そして昨日、嬉しいことに 2019年12月に出荷を開始して以来、「半年で出荷台数が約100倍になった」というネット記事を見てとても嬉しくなった。
定価は5万円とリットマンの聴診器の約5倍の値段だが、これからの時代は1病院に1ネクステートが来るのかもしれない。