ベテランに陥りがちな罠
怒れる医師
医師「この文章を書いたのは誰だ!こういうことを書く看護師は質が悪い!」
ある日医師の怒号がナースステーションに響き渡る。
病棟を代表する師長が、医師にお叱りを受けている場面があった。
どうやら、医師連絡帳に
・点眼薬が残り少ないから処方お願いします。
・血糖値が高いので、食種を変えてください。
・水虫っぽい症状があるから抗真菌薬を処方してください。
等の、医師に対して指示をするベテラン看護師による伝え方にイラついたようだ。
ベテランとしての「知識」を「威厳」に変えて良いものか。
このベテラン看護師は勤続年数が長く、師長や後輩からも信頼が厚く何より仕事が早くできる。恐らくこれが、医師と顔を合わせたコミュニケーションなら問題なかった。
だが、文章を通して見る言葉は医師としてのプライドを傷つけられたのだと私は思った。
また、ベテラン看護師の思考仮定もなんとなく想像できる。
せっかくの「知識」と「経験」を指示や命令に使ってしまうと、結果的に対人トラブルを招き「威厳」を損なうことに繋がった。
伝え方が9割
今回の問題点は9割が伝え方にある。
そもそも看護師の仕事は
診療の補助、療養上の世話(訪問看護においては生活の中のケア)
なので医師に対する指示は基本的にはない。
診療の補助とは医師に対してであり、
療養上の世話は患者やその家族に対するものである。
つまり架け橋となる存在が、対人トラブルを起こして良い訳がないのだ。
だから伝え方の勉強については経験に問わず、謙虚さを忘れないことが大事だと私は思う。
普段使っている伝え方
ではどのように伝えたら良いのか。私が普段医師に対しての言葉意識遣いを共有。
※適応しそうな内服薬・軟膏・食事・検査を依頼したい時。
~~~(広く定義付けして)適応はございますか。
例:点眼薬が残り少ない時
→未だ眼脂の症状がありますが、残が少なくなっております。継続処方の適応はございますか。
例:血糖値が高く服薬拒否がある
→血糖値が◯~◯mg/dlで推移していますが、内服拒否が見られます。現在の食種は糖尿病食◯ですが、◯に変えるとカロリー数が減るので、食事変更「等」の適応はございますか。
※診察を依頼したい時
~~~(症状を伝えて)ご高診可能でしょうか。
例:水虫っぽい
→足趾に鱗屑が多く、掻痒感があるようです。1度ご高診は可能でしょうか。
例:高Mg血症っぽい
→ここ数日倦怠感が強く、血圧も低下しています。既往に腎不全あり、酸化マグネシウムを◯月~服用しています。1度ご高診は可能でしょうか。また採血「等」の適応はございますか。
以上!
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