不妊治療と仕事の両立
私は今、病棟の看護師として働いています。
夜勤もやっていましたが不妊治療のために夜勤を免除してもらっています。
現在の治療はタイミング5回、人工授精3回、今周期から体外受精にステップアップします。
自分で言うのもなんですが、私は真面目で責任感が強いタイプ。
周りに迷惑をかけられても、迷惑はかけたくないタイプ。
プライドも相当高いです(笑)
まず不妊治療を初めてぶち当たる壁が受診と休みの調整が難しい。
毎回決まったタイミング、曜日で受診が決まるわけではなく、卵胞の成長具合など見て決まります。
なんとか作ってもらった休みに受診しても、明後日も受診来て、といった具合に受診日が決まります。
管理者に相談しますが、いい顔はされません。
そりゃそうです。管理者だって何十人ものスタッフの勤務管理をしていて、わたしだけ特別扱いなんてできないのです。そんなことはわかりきっているのです。
それでも休ましてくださいと言わなくてはいけないのですね。
わたしはこれがめちゃくちゃ辛いです。8年間働いてきて、ある程度仕事も任せられてきて、できることも増えて仕事が辛いばかりではなく楽しくも思えます。
私が抜けた分を他の人がカバーに回らなきゃいけないのです。心苦しい。
仕事が終わった夜に受診の予約を入れても、定時で帰らねば間に合いませんので急いで帰ります。
他の人はまだ残って仕事をしているのに。
ここの関門を突破しなければ仕事と治療の両立はできません。
あまりにも苦しく、辛く、どうしたらいいかわからなくなるときもあり、涙が止まらなくなることもあります。
女性の上司に相談すると、
それは辛い、あまりに辛いなら辞めるのもいいんじゃないかと。
男性の更にボスに相談すると、正社員である限り、やらなくてはいけないことがあるため、それができないなら今やってる仕事から外さざるを得ないと。直接は言われなくても、こんな感じのことを言われます。
十分に仕事ができないなら、他にも人はいるのだから仕方ないと思います。
不妊クリニックの看護師さんに、「今辛くない?」と不意に声をかけられ、溢れてしまいました。
ひどい顔をしていたのかも知れません。
クリニックの看護師さんはさすがベテランといった感じで、他の誰からも感じられない暖かさがあります。
「不妊治療をやってる人は守られなくては行けない存在だから、そんなに頑張ってる仕事はやめないで」
と言われます。そうだよな、わたしは守られる存在だよねと持ちこたえ、今に至ります。
そもそも、私は大学病院で働いていて、常に看護師不足と言われています。正直、結婚して子供ができたとしたらとても過酷な職場で、独身だから続けられるような環境のためみんな妙齢になったら退職していきます。
私は辞める勇気もなく、だらだらと働き続けた結果今に至るのですが、それでもここまでちゃんと働いてきた自負があります。
だからこそ色々な仕事を任せられるようになったと思っているのですが、それが十分に(現在も時間内はしっかり仕事をしていますが)できなくなったから疎まれるって優しくない世界です。
しかも、私はこどもができても働き続けたいと言ってるのです。やめたいとは言ってない。
看護師不足の原因はここにあると思います。ライフプランに沿った働き方ができない。
ライフプランは出産・子育てだけではないですよね?
産休、育休は当たり前だけど、そこに至るまでの不妊治療はどうなんだ?と疑問に思うのです。
そう思うと、退職するのはあまりに悔しく、働き続けてやるといった意地ですね。
しかし、不妊治療というのは経験したことない人には未知な世界で、
経験している人にとってはとてもナイーブな話題になります。
現に、私は治療の話になると自然と涙が出てきますし、全身に世界地図のような蕁麻疹が出ています(笑)
今のわたしにとって不妊治療が最優先で、仕事8割。
それで何か言われたらもうやめてしまえばいいと思ったら心が軽くなります。
職場にも、産休・育休あるのに不妊治療の休みはないのかと申立をしてみました。
どうなるのかな。
不妊治療をしていることをカミングアウトすることだけでもとても勇気のいることです。
理解のある人なんてほぼいなくて、蕁麻疹でかかった皮膚科の女医ですら処方の際に一応言っとこうと思って言ったら「体外受精?それは妊娠する可能性あるの?今妊娠してないなら関係ないよね?体外受精ってストレスになるの?」とストレートに言ってきます。(耐えられず目の前で大泣きしてしまいました。)
医療者ですらこんなもんです。
わたしは人の痛みがわかる看護師になろうと誓った出来事でした。
不妊治療も仕事も全て100%はこころが死にます。
自分の中で優先順位を決めてそれに沿って自分の中で働き方を変えたほうが生きやすいです。
と言っても、妊娠できたわけではないので結果的にどうだったかを書ける日が来るといいなと思っています。