映画:ベン・ハー
主演:ラモン・ノヴァロ
監督:フレッド・ニブロ
1925年の映画。
『想ひ出』の主演を務めたラモン・ノヴァロの代表作という事で気になっていた作品。
サイレント時代に最も製作費を費やされた映画と言われているそうだ。
確かに大スペクタクルな画で、戦闘シーンなども激しくて、見通すのが辛かった。
戦車競技の場面が有名との事だったけれども、ハイライトはローマ海軍のガレー船の描写かも知れない。
反対に、キリストの描き方は、今、観ると、ちょっとチープな感もある。
ベン・ハーの物語は、原作と映画では設定が異なる部分もある様だし、この映画の粗筋を解説したものを読むのと、実際に映画を観ての印象とも結構違う。
正直にいうと、何が起きているのか、初見では分かり辛い部分が多い映画。
それはサイレントだから、というのもあるとは思うのだけれども、ベストセラー小説を映画化して実際に大ヒットした作品だから、色々と知っている前提で作られている部分が多そうで、キリスト教が絡むから、余計に敷居が高かった。
こちらの教養の不足が、この映画の面白みを幾分か減じている。
という事は、分かるのだけれども、この映画でノヴァロを初めて観ていたら、多分、好きにはなっていなかったなぁ。
映画はやっぱり難しい。
その分、自分が何が好きなのか、少しずつ分かって来て、今が一番、面白い時かも知れない。
取り敢えず、またルビッチを何か観てみよう。