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OTP: 1キャラをやりこむという選択肢

どんなゲームをプレイするときも、私は基本的に「気に入った1キャラ/ロール」を使い続けるようにしている。いわゆるOTP(One-Trick Pony)というやつである。
もちろん、多くのキャラを触ることでプレイの幅を広げるのも一つの考え方だ。ただ、なぜ私自身はOTPのほうが良いプレイができると考えているのかを話したい。


「相手のキャラを使えばキャラ対ができる」という主張について

よくある主張の一つに「相手のキャラを実際に使えば、そのスキル性能を理解でき、動きが読みやすくなり、対策しやすくなる」というものがある。
しかし、私は「相手キャラの性能を理解したり動きを読むために、そのキャラを使う必要はない」と考えている。

なぜなら、キャラの性能は調べればいいだけだし、大体の対戦ゲームにおける読みというのは、都度「自分ならどう動くか」を考えて推測するというようなものではなく、「ある状況において相手が何を行うか」という経験の積み重ねによって、反射的に判断しなければならないものだからだ。

キャラを使った経験をもとに「自分ならこう動く」と考えても、その結果が相手の行動と一致するとは限らない。むしろそれが成り立つのは、自分と相手のスキルレベルがほぼ同じ場合に限られる。
例えば、初心者が上級者の思考を完全に再現するのは難しいし、その逆もまた然りだ。


1キャラを使い続けるメリット

相手の行動パターンを理解し、蓄積するには「1キャラに絞り、できるだけ多くの相手と対戦する」のが最も効率的だと考えている。
キャラを固定することでより深くそのキャラに習熟できるし、対戦中も他の要素に気を取られることなく相手の動きに集中できる。

また、複数キャラの使い方を覚えるとなると、習熟にかかる時間が膨大になりタイパが悪い。
その時間を、対戦経験の蓄積や反射的な判断力の向上に充てるほうが、結果的に強くなれると考えている。


「キャラを多く使えたほうが不利なマッチアップを回避しやすい」という主張について

確かに、不利なマッチアップというのは多く存在する。
しかし、よほどの場合を除いて、キャラ対策の工夫や経験によって、勝負できる状況に持っていくことは可能だと思っている。また、不利なマッチアップの対策は重視されやすく、情報が手に入りやすいのに対して「有利なマッチアップをより有利に進めること」は軽視されがちで情報が少ない。さらには、当然ながら普段大して使うことのないカウンターキャラを使っても自分のレート帯相当の実力は発揮できない。
そのため、自分の持ちキャラで不利マッチを克服する方が普段使い慣れていないキャラで挑むより勝率が高い(どうにもならないマッチアップを捨てたとしても)、と考えている。


余談だが、私は大昔『Age of Empires III』(AoE3)というRTSゲームをやりこんでおり、当時のアクティブプレイヤーは数万人程度だったが、1v1のラダーでは最終的に全体120位、ELORating 2100+に到達したことがある。
最上位のプレイヤーたちにはとても及ばなかったが、そこそこ上位のプレイヤーで、ラダーでは6割程度の勝率があった。
そのときも特定文明(オスマン帝国)OTPであり、このときの経験から本記事のような考え方になった。


まとめ

  • 相手キャラを使わなくても、その動きや性能は理解できる

  • 「相手の行動を読む力」は、経験の積み重ねによって鍛えられる

  • 1キャラに集中することで、対戦経験の蓄積が効率的に行える

  • 自分の持ちキャラで不利マッチの対策をした方が、普段使い慣れていないキャラで挑むよりも勝ち易い

  • 実際に高レートを達成したとき、この戦略は有効だった

もちろん、すべての人にこの考え方が合うとは思わない。しかしここまで話してきたように「多くのキャラを使ったほうが上達できる」という考えに縛られる必要はないと思う。
1キャラを極めるという選択肢にも十分なメリットがあるし、「自分に合ったプレイスタイル」を採用することが最も重要で、私にとってはそれがOTPだという話である。


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