弊社で働いていたインターンが想像していなかったであろう未来がキタ!
地方で事業を行うことで、もしかしたら地方だからこそ、人の人生により強く影響を与えることがある。そんなことを感じた小話をぜひ。
地元で就職が決まった大学生
A君は地元で就職が決まっていた大学生だった。大学4年生のときに弊社にインターンとして参加してくれて、よく気配りのできる学生さんなんだろうな。という印象を受けていた。積極的に行動もするし、学ぶ意欲が感じられる学生さんだった。とはいっても、僕自身は数回くらいしか話したことがない。それでも、そうやって伝わってくる人柄の良さがあった。
そんな彼が決めていた就職先はレガシー産業と呼ばれる世界だと思う。数十年前からある産業だし、向こう10年20年はなくなることは恐らくないであろう業態だ。(30年後は分からないけど)
弊社でインターンとして活躍してくれた大学生が、他社に新卒として就職するために巣立っていく。ちょっと寂しい気持ちもあるが、本人が選んだ道なのだから、応援するしかない。社会人として楽しく頑張って欲しいなとエールをおくっていた。
影響力が交差する
緊急事態宣言も解除され、ようやく自分自身も九州への出張ができるなと、久しぶりに佐賀の地を踏んだ6月初旬。久しぶりにみんなで飲もうと話になり、駅前の居酒屋に繰り出した僕の目の前の席にA君はいた(笑)
そう。既に新卒の就職先を退社して、うちに出戻りでバイトを始めていたのだ。新卒の就職先の在籍期間は1ヶ月間か2ヶ月間だろうか。なかなかの見切りの早さだ。もちろん、「どうして就職した会社を辞めたの?」と聞いてみたところ、
「実際に働いてみたときに、10年先、20年先も同じ職場で働いているイメージを持てませんでした」
あぁ、なるほど。僕が調理師学校に入って、その道を進まなかったのも同じ理由なので、よくわかる。「他にはなにかあるの?」と聞いてみると。
「inahoさんで働かせてもらっているときは、こういう人みたいになりたいと尊敬できる人が何人もいたのですが、そういった方もいなくて」
この声を聞いたときに、ちょっと考えさせられた。前途ある未来を持つ若者の価値観のモノサシが、もしかしたら我々の会社でインターンをしたことによって、彼の中で少しなりズレたのではないだろうか。良い悪いは抜きにして。そりゃどちゃくそスタートアップで日々プロダクトを前に進める戦場のような職場と、安定企業の職場では生きているスピード感も変わるだろう。
果たしてインターンとしてinahoを経験したことは本人にとって良かったことなのか。もし、コンビニでバイトをしていたら、そのまま新卒で就職した会社でもう少し働き続けたかも。おそらく本人に「inahoで働かなかった方が良かった?」と尋ねたら、「あのときinahoを経験できて、今が楽しいので良かったです」と答えるだろう。いや、そう願いたい。でも、そう考えてしまったくらいに、人と人は影響しあっている。
企業としての責任
こういった話は弊社だけでなく、至るところにあるだろう。人と人が関わる世界であれば、誰にとっても同じくある話だと思う。誰だって自分の上司や部下や同僚との相性によって、人生の大切な時間をEnjoyできているか変わるかもしれないし、会社の目指す方向性が変わることで、自分がマッチしていないと感じるようになるのかもしれない。
ただ、そのような影響があると理解したうえで、今後我々は数多くの地方に進出することを考えると、より刺激的な存在であれたら良いなと思う。魅力的な企業がひしめいている都心ではなく、レガシー産業がまだまだ多い地域において、常に最新の技術で、最善のソリューションを提供できる、テクノロジーの最先端を切磋琢磨して地方で展開していく。そうすれば、地域にいても良い刺激を与えられる企業体になれるのかもしれない。これは、地方展開する企業だからこその面白みだ。地域にいたら、触れなかったかもしれない世界に、我々が進出して新たな機会を生み出すのだ。そのためにも、自分たちが魅力的である存在であることが重要だ。
地方の未来へ
地域の高専生が「学校でロボットのことを学んでいて、将来ロボット関連の会社に就職したいけど、地元にはロボットを扱う企業がなかなかありません。inahoさんのような会社ができて、興味があってきました」と言って、遊びに来てくれたり、採用候補者の方の中にも「自分の地元でロボットを活用できるようにしたいから、inahoに入社したい」そんな声もあがるようになってきた。
地元で就職したいけど、やりたい仕事がないから都市に出ている人は案外多いのだろう。昔からUターン、Iターンという地方回帰の動きの言葉はあるが、これからはUターンwithロボット、Iターンwithロボットというように、ただ自分自身が地域に入るのだけではなく、テクノロジーを引き連れて地元へ戻ったり、地方へ進出することで、より好きな地域で好きに生きる生き方ができる人が増えるかもしれない。
コロナの影響で、都心から人へと言われることもあるが、とはいっても、仕事の多くは都心にある。一度ある一定の水準を覚えた人が、地方に住むために多くのものを我慢する生活も難しいだろう。だからこそ、魅力的な仕事と一緒に地域で暮らせることが不可欠だ。まだまだ実力不足の点も多くあるが、早く1人でも多くの人がUターンwithロボットであったり、地元ステイwittロボットの世界を作れたら、きっと関わる人の多くがハッピーになるはずだ。
ちなみに、いまバイトとして出戻ってきてくれて大活躍してくれているA君は、どうやら大学院に進学するみたい。人生を楽しんで!!
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