『ナオミの夢〜大再演』よくわかる写真付き改訂版最新あらすじ
初演の「ナオミの夢」あらすじはこちら👇文学的進化をお確かめくださいませ。
【「ナオミの夢~大再演~」最新あらすじ】
イントロダクション
……202×年、祭りは死んだ。世界はついに、人類史上類を見ない「祈りなき時代」に突入した。
しかし、たったひとりの希望、女神(ミューズ)が地上に舞い降り、祝祭の復活をこの世にもたらせる!
美神の名は、ナオミ。持病は糖尿。
(まるで夢のような、夢のものがたり)
●本番舞台写真/松田ミネタカ
―物語の舞台は25万人の観客で埋め尽くされたロンドン、ウエンブリースタジアム。
「この世の苦しみを抱くもの全てに幸福を~愛で地球を救う24時間を全員ノーギャラで」を合言葉に、
生ける伝説・スーパーロックスター「フレデェ・キング・キューティクル(岩佐好益)」がメインボーカルを務め、サポートボーカルに「ミス・ドンファン紀州(蟹江敬子)」、「スーパーガール陸軍大佐(華井二等兵)」、リードヌンチャクストに「ポップン・ポーップ(竹下ポップ)」、「キングス・ダンサーズ」としてマス(阿部七海)、ミル(RIO)、カラス(荒木優子)の“ダンシングこまどり三姉妹”を従えた今世紀最高のハードロックバンド「3年A組フレデェ学級」がライブを行っていた。
フレデェのしびれるボイスに魅せられた一般大衆25万人の観客と、全世界一億九千万の一般納税者たちが同時生中継を見守り、すでに数万ドルの寄付金がチャリティ本部に巻き上げられていた。
そのバックステージに現れた一人の美少女ナオミ(Yumi)。
まだ16歳のいたいけで美しく、あどけなさが残るけがれ知らずでクソ田舎もんのナオミは、有馬兵衛の向陽閣で催されたライブ前夜祭で伝説のロックシンガー・フレデェから見初められ、スタジアムのバックステージに招かれたのだった。
ミス・ドンファン紀州が一人でステージをつなぎ酸欠と水分不足で倒れそうになる中、
再会したフレデェとナオミは他人のことは忘れて果てしなくイチャイチャし続けるのだった。
しかし―。「世紀のプレイボーイ」フレデェ最後の恋の相手・ナオミに向けられる周囲の目は「サムライ小室&眞子ちゃま」を罵る一般大衆くらいに冷たく厳しい。
とくにバンドの京都出身マネージャーおけい・はん(片山音嶺)、バンドの専属麻薬医師ドクター・デス・キシワダ(なち)は京都人特有の「洛内以外は京やおへん」主義、キシワダン特有の「この世はすべて祭りやろがい感」を生々しく剝き出しにしてクソ田舎もんのナオミに敵意を燃やす。
なにより、バンドのリードヌンチャクスト・ポーップ(竹下ポップ)は長年、フレデェとの禁断のプラトニック同棲BLラブを続けていたが、突如現れた美しく可憐なナオミへの激しい嫉妬に狂う。
そんな時、バックステージに突如現れた、かつての「伝説の歌姫」ジャニズ(宇野結菜)。
ジャニズはチェチェンから北朝鮮経由で手に入れた質の悪い機関銃をポーップに向けて乱射!しかし自慢の楽器レスポールヌンチャクで機関銃の弾をすべて蹴散らすポーップ!
いまや落ちぶれ果てヘラヘラジャンキーとなり、最大限に貧乏をこじらせスキっ腹のジャニズは、かつてズブズブの恋愛関係にあったポーップにお金を借りに来たのだった。
ポーップは生まれつき染みついたその性根の悪さを全開にし、クオカードと引き換えに「ナオミを殺せ」とジャニズに命じる。
ナオミに迫る絶体絶命の危機!
いたいけなナオミをめぐる汚い大人どもの怪しい思惑と黒い陰謀でバックステージは混乱の極みと化す!!
一方、チャリティで二億ドルの寄付を目標とする梶芽衣子のような敏腕女プロデューサー伊勢山P通称いせぴー(伊勢美琴)。
いせぴー曰く「寄付金の伸びが悪いのはフレデェの歌にサライ級の感動ドラマがないからだ、そうに決まった」。ひそかに二億ドルの寄付金のうち一億九千万をポッポナイナイしようと画策するいせぴーは、ナオミの前に効果音の雷とともに現れ「フレデェの前から去れ」と一方的に通告。ポッポナイナイした金でバカンスを楽しむべく、すでに地中海の高級ホテルを予約したいせぴーは、予約日直前のキャンセルだけは断じて許せなかったのだ。だってキャンセル料取られるからこれは痛い。
ついに、まだ付き合ってもいないのにフレデェとの別れを勝手に決断するアンニュイ気取りのナオミ。
傷ついた心を癒すべくクソメンヘラナオミは一人、聖なる華厳の滝に向かうのだった―。
ポーップに命じられたジャニズは、質の悪い機関銃を手にスタジアムの客席へ。25万人のオーディエンスは誰一人として、おもちゃみたいな機関銃を手にしたイカレ頭のジャニズには気づかない。