プラント業界でめずらしい「給与テーブル」の採用。柳井工業の判断基準をまるっと公開します!
2020年、柳井工業はプラント業界で異例の「給与テーブル」を導入しました。実際にnoteでも何度かお伝えしています。
ただ、評価基準を細かくお伝えしていなかったので、今回は「給与テーブルができた理由」や「評価基準の詳細」について解説します。
柳井工業が気になっている方はもちろん、大手プラント企業で働いている人で「給与が物足りないよ……」という方にも、ぜひ読んでほしいです。
学歴や勤続年数よりも、”技術”で正当な判断がしたかった
まず、「給与テーブル」を導入した理由からお伝えします。
結論から言うと、メンバーの”技術力”や”人柄”を基準に正当な判断をし、技術に見合った給与を渡したかったからでした。
noteでもお伝えしてきましたが、プラント業界は体制が古く、なかなかアップデートしません。主な課題として、
・多重請負による低賃金化
・残業過多と休日返上
・なかなか上がらない給与
・技術ではなく学歴と勤続年数重視
などが挙げられます。(もちろん、すべての企業に当てはまるわけではありませんが……)
せっかくの技術力を持っているのにも関わらず、”高卒”というだけで大卒よりも給与が低いことはよくあることです。
柳井工業は「プラント業界を”より”よくする」というビジョンを掲げています。
私たちだけの力で業界を変えるのはむずかしいことかもしれません。ただ、まずは柳井工業がロールモデルとなるべく、先陣を切りたかったのです。
給与テーブルの”仕組み”
ここからは給与テーブルの仕組みについて解説します。
計10段階で用意。大きくA・C・E・Sと用意し、さらにA1・A2といったように細分化しています。ざっくりと分けるとこのようになります。
・AとCクラス:主に現場
・EとSクラス:主に管理職・経営者
では次に、それぞれどのような基準が求められるのかを深掘りしていきます。
現場クラスの「A」と「C」の違い
AクラスとCクラスは、主に「現場」で働くメンバーになります。大きな違いはこちらです。
・Aクラス:未経験者・基礎段階の職人(目安 1〜3年目)
・Cクラス:ある程度の技術が身についた職人
Aクラスは、未経験から基礎を学んでいる段階になります。次のCクラスは、基礎は十分に学んでおり、指示がなくとも1人でどんどん動ける段階です。
6段階に分けられた基準がありますが、長くなってしまうのでここでは割愛いたします。詳しく知りたい方は、面接で詳細をお伝えします。
●Aクラスの特徴
Aクラスで注目していただきたいのは、未経験でも”350万円”からスタートしていること。
柳井工業は大分県を拠点に、地方に展開しています。地方の平均年収の中でも比較的高い年収を、未経験でもらえます。そして技術が身に付けば、A2・A3と登っていただけます。
未経験の方でもきちんとした報酬をお渡ししているのは、メンバーのモチベーションを下げたくないからです。
●Cクラスの特徴
次のCクラスでお伝えしたいのは、大手プラント企業よりも年収が高いことです。
一般的な大手プラント企業の場合、いくら優秀な職人でも高卒であれば最高年収は600万円前後。
しかし柳井工業は、学歴や勤続年数に関係なく、Cクラスの基準に達していれば達成可能です。さらに次のEクラスになれば、+αの報酬を見込めます。
ここで1つ秘密を。ここまで好条件な理由は、「大手企業から優秀な職人が来てほしい」から。
(柳井工業のレベルを上げるためにも、喉から手が出るほど優秀な職人がほしいのです……)
マネージャー・経営者クラスの「E」と「S」の違い
さいごに、EクラスSクラスの違いをお伝えします。
Cクラスまでとは違い、主にマネージャー・経営者が対象です。定修工事であれば、”監督以上”になりますね。さらに以下を基準に判断しています。
●Eクラスの特徴
Eクラスのポイントは「業績連動給」です。この仕組みが少し複雑なので、噛み砕いて説明しますね。
以前、プラント業界で「年収1,000万円」を到達するための一手間という記事で、人件費を削減して浮いた分の一部を、インセンティブとしてもらう裏技をお伝えしました。この手法で給与を自分次第で上げれます。
他にも報酬を上げれる方法があります。
例えば定修工事の際、人手不足なので協力会社から職人を集っています。このメンバーを自分で集めれば、さらにインセンティブをお渡ししています。
経営者である私は、Eクラスの仕事をしています。イメージとしては、私の仕事をまるっとお任せできるのであれば、その分の給与をお渡しできるよという話です。
●Sクラスの特徴
柳井工業は、大分の他に地方に4箇所、支店を構えています。
Sクラスは「支店長」としてマネージメントできる方限定です。インセンティブの獲得は、Eクラスと一緒です。売上の一部を還元しています。
現段階では、Sクラスの社員はいません。ただ、現場やマネージャーを経て「さらなる高みを目指してほしい」と思い、設定しました。
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今回は「給与テーブルができた理由」と「評価基準の詳細」をテーマにお伝えしてきました。少しでも柳井工業の給与制度について知っていただけたら幸いです。
どうしても”文章だけ”だと限界があります。給与制度について気になることがあれば、気兼ねなく面接などを通して聞いていただけたらと思います。
取材・執筆・図解/ヌイ(@nui_nounai)
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