協力会社を大切にする会社が、もっともっと増えてほしい。
プラント業界は、たくさんの職人さんがいます。人材不足な業界だからこそ、たくさんの協力会社さんが必要不可欠です。
長年プラント業界に身を置いている私ですが、「もっと協力会社にやさしい会社」が増えて欲しいなと思うばかりです。
・出張で全国各地にいく必要がある
・人間関係が煩わしい
・単調な仕事の繰り返しで面白みを感じない
このような理由で、プラント業界を去った人をたくさん見てきました。実際に現場にい方も、そう感じることがあるのではないのでしょうか?
かつては柳井工業も、協力会社さんに対し不遇な対応をしていたこともあります。ただ、現場の声をしっかり拾い、10年ほど前から改善をしてきました。
今回は、現場のこころの声と柳井工業がやってきたことを、こちらでまとめていきます。
飲みニケーションで気づいた、本当の不満
先ほど、辞めていく3つの理由をお伝えしましたが、現場の要望はもっと深くにありました。
飲みニケーションでわかったことを、以下でまとめますね。
1.出張で全国各地にいく必要がある
↪︎じつは、出張自体に不満はそこまでなく、問題は宿や環境。与えられた宿舎が2〜3人部屋で、仕事が終わってもプライベートの時間を確保できない。
2.人間関係が煩わしい
↪︎担当者や監督、一緒にいる作業員がころころ変わる。指示の仕方も高圧的で、こちらへの思いやりも感じない...。
3.単調な仕事の繰り返しで面白みを感じない
↪︎はじめて方は監督も「若いから、信用できない」と単調な仕事のみを依頼。ただ職人さんということもあり「自分だってできるのに...やりたいのに...」と不満を抱く。
このように不満の因数分解をおこなった結果、「人間関係」といっても、どこで煩わしさを感じているのかが、より鮮明に見えてきたのです。
柳井工業で行なった改善策
「辞めて行く会社は、辞めてしまえばいい」
「協力会社はたくさんある。相性がいい会社と組めばいい」
もちろん、このように考えても問題ありません。実際に、こう考えている企業さんもたくさんいるのも事実。
ただ、改善をしないければ、協力会社が弊社に不満を抱えたままになってしまう。このままだとダメだなと思い方針をガラッと変えました。
・1人部屋を提供しプライベートの時間を確保する
・協力会社でも客先を選べるようにする
・伸びしろがある方にはむずかしい仕事でも振ってみる
順に解説していきます。
●1人部屋を提供しプライベートの時間を確保する
弊社では必ず「一人部屋」を約束しました。たとえ予算が合わなかったとしても、多少の無理をしてでも確保しています。
その結果、自分の時間を持てるようになりストレスがぐっと減り、仕事のパフォーマンスが上がったとよろこんでいただけるように。おもしろいことに、「宿が快適だから!駅近だから!」と、行きたい人がむしろ増えています。
●協力会社でも客先を選べるようにする
協力会社側で、現場や担当者を選べるようにしました。これまでは変則的でしたが、改善後は同じ担当者や監督でチームを組んで施工しています。また、協力会社想いの担当者と監督を選んでます。
うれしいことに、「働きやすい環境になった」という声が増えています。人間関係のもつれがないので、休憩所でも、みなさん明るく会話も弾んでいます。現場がパッと明るくなりました。
●伸びしろがある方にはむずかしい仕事でも振ってみる
長らく職人をやっていると、2、3日で職人の仕事ぶりが見えてきます。「この人は真面目でコツコツとやってくれそうだな」や「この人はもっと大きな仕事を任せても問題ないな」と見えてくるのです。
そんな伸びしろがある方には、単調で誰にでも任せられる仕事から、分解や組立という高度な技術を用する仕事をお任せしています。こちらとしても、とにかく仕事を覚えてもらいたい、魅力を知ってもらいたい、楽しんでもらいたいと願っているからです。
結果的に、自発的な若手の方が増えてきました。「仕事がたのしい」と言ってもらうことも増え、弊社もとてもうれしく思います。
・・・
さまざまな不満があった過去ですが、実は、苦労しました。社内で大きな衝突や批判を受けることも...。
それでも、改善してよかったです。協力会社さんからは、いつもうれしいお言葉をたくさんいただいています。
今のプラント業界は、人材不足。そのため協力会社さんがいて、1つ1つの仕事が成り立っています。
お互いがいい仕事をするために。そして、いい関係性を築くために。そのためにも、柳井工業がお役立てできればと思います。
取材 / 文:ヌイ