「そんなんじゃダメだって……」。残念な”なんちゃって仕上工・機械エンジニア”にならないために重要なこと
柳井工業に従事して、10年経ちました。その間にたくさんの機械エンジニアと出会って感じたことは、仕事ができる優秀な機械エンジニアには"謙虚さ"があるということです。
今回の記事ではこれから機械エンジニアを目指す方へ、「愛される機械エンジニアになるために重要なこと」を僭越ながらアドバイスできればと思います。
柳井工業は常に”挑戦”や”柔軟性”を大切にしているのですが、その想いもこの記事で知っていただけるとうれしいです。
「できるようになった」の落とし穴。”なんちゃって仕上工”にならないために。
機械エンジニアになりたては、特に大変だと思います。見慣れない機械の部品を1つ1つ覚える必要がありますし、技術を習得するのにも時間がかかるからです。
そこから場数を踏み、みんなが通る最初の壁を乗り越えることで、少しずつ”プラントのいろは”が見えてくるのです。
特にタービンやレシプロが扱えるようになったり、ポンプを分解できるようになれば「立派な仕上工」と言われるようになり、自信にも繋がってきます。
ただ、私は「ある程度できるようになった」が1番怖いと思っています。ある程度の基準に満足して慢心し、成長スピードが緩み、その場止まりの機械エンジニアをたくさん見てきたからです。
きつい言い方になてしまい恐縮ですが、私はこの状況を”なんちゃって仕上工”と呼んでいます。
なんちゃって仕上工は、1つの機械を「完璧に知ろう」と思わず、ある程度のスキルを満たせれば満足してしまいます。そして、同じプラント内だけを担当しているので、惰性で続けてしまっているのです……。
本当のプロが大切にしている”挑戦”と”柔軟性”
では、どうすれば”なんちゃって仕上工”から脱却し”優秀な機械エンジニア(仕上工)”になれるのでしょうか?
答えはシンプルで、常に”挑戦”と”柔軟性”を大切にすることです。私が今まで見てきたプロの機械エンジニアは、この2つを意識していました。
例えば、プロの仕上工は拠点を定めません。「プラント」と言っても、日本には様々な機械や部品が存在します。10社あれば、10通りのプラントになるわけです。
プロの仕上工は「もっと色んなプラントを扱えるようになりたい」と向上心が高いので、全国津々浦々、数々のプラント企業に足を運び、ゼロから会社のルールや施工方法を覚えていきます。
ゼロから知ることは並大抵のことではありません。お客様とのコミュニケーションも必要になるので、柔軟性や探究心がないと現場にすんなりと馴染めないからです。
ただ、コンフォートゾーンから抜け出し、「成長痛を楽しむ」というバイタリティーがある人が、お客様にも気に入られますし、希少価値もぐっと高まります。(プラント業界の職人は、変化を嫌う方が多いんですよね……)
まずは柳井工業が、”プロの仕上工部隊”になるために……
柳井工業が設立して40年が経過し、様々な企業様と一緒にお仕事をさせていただいております。
いつもお世話になっているお客様との繋がりはもちろんですが、柳井工業は全国のプラント会社に足を運んでいるもが特徴的です。これは柳井工業が挑戦を止めないために、あえてストイックに行っています。
この地道な挑戦の暁には、「柳井工業さんは、どんな時も謙虚でプロ意識の高い仕上工集団ですよね」とお客様からお墨付きをいただけるように、日々精進していきたいですね。
取材・文/ヌイ(@nui_nounai)