小説チャレンジ3/100
★ここまでのあらすじ
遅々として進まない筆に嫌気がさした頃、
ひょんなことからストーリーのリライト作業を手掛けることに。しかーし!書いているとき、あまりにも物語的な文章表現の低下に驚いてしまう!TLで見かけた「800文字で小説を書く毎日チャレンジ」を実践すると心に誓い、noteで書いてみることにしたのであった……!!
本日のお題「借り物の日常」
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ごぽり、と口から空気が出ていく。
ヒトはエラ呼吸をしない。水の中なんて好きこのんで入る人の気が知れない。
だがわたしはこうして、遠ざかる水面の光に焦がれながらもがいている。浮力はどうした……ヒトの身体は水に浮くんじゃなかったのか……。アルキメデスおじさんが何を言ったかなんて、命の危機に際しては何の役にも立たない。
もはやこれまでか、と冷静に死を受け入れようとしたそのとき、急に辺りが明るくなった。
浮いたのか?いや、体感としては沈み続けている。海底からの光だ。これは俗に言う「お迎え」というやつかもしれない。
ほら、光の中から何かが近づいてくる。
"透花っ!"
……ウミガメ? わたしの名を呼んだ気がした。
逆光でよく見えないがウミガメに手を引かれて光の方へ潜っていくと、海底の宮殿が見えた。
幾百の甲羅がいきいきと往き来している。
わたしの手を引いていたのはウミガメだと思ったが、その手は亀の手ではない。カエルのように水かきがある。そしてわたしの手にも……?!
"透花、おかえり。やっと戻ってこれたね、かっぱの国へ"
いつの間にか楽に呼吸が出来るようになっている。かっぱ……? 思っていた死後の世界と違うが、懐かしい気がする。
"ヒトとしての生は、借り物の生だったんだよ。お前はもともと水棲妖怪だ。ヒトの身体の命つきるということはこちらに戻ってくるということなのだよ"
そうだよね、そうだったら、いいよね……
もうろうとしていく意識の中、酸欠なのにヒトの脳ってこんなに鮮やかに妄想が描けるんだなぁと妙なところに感心しながら、瞳を閉じた。
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650字……。
少ないしあまりおもしろくなかった……。
3日目にして初めて、設定テーマを書いてから変えることなく書き終えられた。
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