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小説チャレンジ7/100

★ここまでのあらすじ

遅々として進まない筆に嫌気がさした頃、
ひょんなことからストーリーのリライト作業を手掛けることに。しかーし!書いているとき、あまりにも物語的な文章表現の低下に驚いてしまう!TLで見かけた「800文字で小説を書く毎日チャレンジ」を実践すると心に誓い、noteで書いてみることにしたのであった……!!

今日のお題「百鬼夜行」

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こんなに暑いのに
どことなく秋のにおい

夜の帳が落ちたとき
世界を支配するのは
蝉の声か虫の音か

百鬼夜行に参ずるかっぱは
わたつみの神のかばん持ち
今夜も提灯引っ提げて
主の道を照らす誇らしさ

「やあ海の神こんばんは」
「ご機嫌麗しゅう」

悠然と闇を進む主の姿に
様々な異形の者が声をかける
かっぱは青白く光る鬼火を待った

「久しいな、ネプチューン」

『ほら、来た』
かっぱは心躍らせた
青白い鬼火をまとった狐さまだ

「かっぱも、元気そうだな」
「はい!」

狐は大妖怪だが
供として歩くちいさな妖怪にも
声をかけることを忘れない

青白く照らされる優雅な姿
主のわたつみの神との
相性も悪くない

「稲荷、少しやつれたな」
「少し里が荒れている」
「そうか、大方今夜の百鬼夜行もその影響かな」
「頭が息抜きさせたがっているのだろう」
「……お前が素直に頭と呼ぶのは珍しいな」

このおふたりはどちらも神だが
いつの間にか大妖怪となっていた
百鬼夜行は妖怪のお祭り
大勢の妖怪が往来を練り歩く

「オムリ オムリはいかがかね」
売り子の元気な声が響き渡る
主の承諾を得て、売り子のもとへかっぱは行く
「ありがとなー今度行商で遊びに行くよ」
売り子のムクドリとは旧知の仲
寒いところへ渡り珍しい魚の燻製を仕入れてくる

妖怪と言っても誰もかれも
真面目なやつらというわけではない
柄の悪い連中が
オムリを食べ食べ歩くかっぱを
小突きまわすこともある

そんなときは鬼火がかっぱの周りを旋回して
狐さまの存在を感じ取った連中が去っていく
狐さまは弱いものにやさしい

「ありがとうございます!」
「悪いな」
「いや」
主と狐さまは表情も動かさず
もとの会話に戻っていく
かっぱはモグモグ
オムリを食べつつ足元を照らす

柄の悪い連中の存在はそう害ばかりではない
百鬼夜行の輪郭では
だいたいやつらが派手に暴れて
人間どもの腰を抜かす

人間が闇を恐れなくなれば
人ならざるものたちの
安全が脅かされる

あの大妖怪
この大妖怪
かっぱは目を白黒させながら
主の足元を照らして歩く
百鬼夜行の夜は長い

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ちょうど820文字だ!!
冒頭書いたときは蝉も元気だったんだけど
わりと長いこと下書きで寝てましたんで
今や秋の虫の声の方が優勢ですね。

日の入りも早くなってきたし、気温も上下が激しいみたい……体調気をつけましょうね。


※IDAHOだとアイダホ州が出てきてしまうので、IDAHOBITと略さず表記することにしました。わたしは、平等を実現するには、単にそれを支持するだけではなく、差別に抗議する必要があるな、とこの理念には共感しています。
もしフェミニズムをIDAHO風にいうなら、Against Misogyny, Patriarchy,Rapecultureでしょうか。IDAMPRみたいな。

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