転職時に引きずるべき成功体験と捨てるべき成功体験
FacebookやTwitterで報告した通り、2月末でリクルートテクノロジーズを退職し、3月からCAMPFIREに新規事業のプロダクトマネージャーとしてジョインしました。
それから現時点で約2週間経過しましたが、この期間にやったことを振り返ると、
・プロダクトロードマップ策定
・ビジネス戦略検討(リーンキャンバス作成)
・KPIツリー策定
・諸々案件の開発ディレクション
・組織設計
・業務フロー整備
・採用面接2回
・採用プロセス整備
などなど。我ながらなかなかの好スタートを切れたと思ってます。
これはリクルート時代の成功体験を応用してできたことです。リクルートはビジネスやプロダクトの成長プロセスを論理的に設計します。リボン図やKPIツリーはほぼ全員が把握し、どの案件が何のKPIに効くのか大体皆が理解していました。
一方でCAMPFIREの担当プロダクトはまだ新規事業なのでこの辺りがしっかり言語化されておらず、やるべきことの優先度が判断できていませんでした。なので最初にロードマップ、リーンキャンバス、KPIツリーを一気に整理しました。ここで体に染み付いたリクルート文化が役に立ちました。
またリクルートは1つのサービスに関わるステークホルダーが多いので、運用において誰が何をするのかを可視化しないとグッチャグチャになります。なのでいつも組織設計と業務フローの可視化は脊髄反射のごとくやってました。
CAMPFIREはそもそも圧倒的に人が少ないので、役割分担とかしている場合ではありません。ただそのままだとどこの業務にどれだけの人が足りないのか、どの業務がボトルネックになるのかが見えなくなり、いずれ問題が起こります。なのであるべき組織を設計し、それに対して不足している役割を可視化し採用計画に反映させました。
このように新しい環境で過去の成功体験を応用することで、いいスタートダッシュが切れたと思ってます。これぞ引きずるべき成功体験です。
ただ、一方で成功体験を引きずったことでうまくいかなかったこともあります。
その一つの例が「リスクへの向き合い方」です。
リクルート時代はプロジェクトマネジメントもやっていたので、リスク管理は重要な役割でした。なので何か新しいことをするときには十分にリスクヘッジをしてから進める体質になっていました。これによってリクルート時代は大きなプロジェクトを成功させてきたので。
ただCAMPFIREではベンチャーらしくある程度勢いで進んでいく文化です。多少のリスクがあっても走りながら修正してくようなスピード感じゃないと生き残っていけません。そんな文化で「リスクがあるから止まろう」と言ったところで誰も同意してくれません。
これにより若干ストレスがたまり昨日はパフォーマンスがちょっと落ちました。
その後酒を飲んで一度冷静になって「あ、これは引きずっちゃいけない成功体験だったな」と気づきました。これは捨てるべき成功体験だと。
新しい環境での活躍するために過去の成功体験を武器にすることは大事です。それを期待されて採用されている面もあるので。ただ新しい環境にマッチしていない成功体験は惜しみなく捨てるべきです。
新しい環境において引きずるべき成功体験と捨てるべき成功体験。事前に自分の中で区別するのは難しいと思います。ただ実際にその成功体験を適用してもうまくいかなかった時は、本当にその成功体験が新しい環境に必要なのか、合っているのかを冷静に考えてみることをお勧めします。
自戒も込めて。