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インド仏跡巡り旅行記

2024/10/5~12で、「築地本願寺 インド仏跡巡りとタージ・マハル8日間」というツアーに参加してきたので、その記録をここに残します。


なぜ書くのか?

理由は2つあって、1つはこの「築地本願寺主催のインド仏跡巡りツアー」は、以前から何度も開催されている割には、ネット上にあまり情報が無いため、今後参加を検討される方への役に立てばいいなと思ったためです。
もう1つはシンプルに、自分のために記憶を記録しておきたいためです。

行程

タイトルの通り仏跡巡りが目的なので、ブッダゆかりの地をメインとし、それに加えて世界遺産を見にいくといった行程でした。

  • デリー(フマユーン廟、国立博物館など)

  • ベナレス(ガンジス川、サルナート)

  • ブッダガヤ(大菩提寺)

  • ラージギル(霊鷺山、竹林精舎)

  • ナランダ(ナランダ仏教大学跡)

  • アグラ(タージマハール、アグラ城)

結構盛りだくさんで、しかもインドは広いので移動に結構な時間がかかります。特にデリー→ベナレスは飛行機移動だし、ベナレス→ブッダガヤはバスで6時間ぐらいかかりました。これはなかなか個人旅行で手配するのは難しそうです。

参加者

50人ほどの参加者がいたので、常に2台でのバス移動でした。
参加者はご夫婦やご家族で参加される方が多かったのと、やはり目的が「仏跡巡り」という渋めなものであるため、比較的ご年配の方が多かったです。おそらく参加者の中では、自分が最年少だったのかなと思われます。

右側に写ってるバスで移動していた

かつ自分は1人参加だったので、参加者の輪の中に入れるかどうか不安ではありましたが、結果的には適度に会話もでき、適度に一人でぼーっとでき、という感じでした。

ハイライト

クトゥブ・ミナール

綺麗な写真撮れた

建物の立派さもさることながら、この建物の歴史が印象的でした。こういう歴史を逐一説明してもらえるのも、ツアーの一つのメリットでした。

こちらのサイトの説明を引用すると

ニューデリーの南郊外約15kmに位置するインド最古のイスラーム遺跡群。1192年、後に奴隷王朝を打ち立てるクトゥブ・ウッディーン・アイバクが、北インドを制圧した記念に建立したのがクトゥブ・ミナールです。本来は礼拝の時を知らせるためのものですが、国内のヒンドゥー教徒たちに対するイスラームの勢力誇示という意味合いが強かったようです。

https://www.hankyu-travel.com/heritage/india/qutubminar.php

つまり、もともとヒンドゥーの一強だった地域にイスラムが入ってきて、周りのヒンドゥーや仏教の寺院をぶっ壊しまくって建てたのがこの塔とのことでした。かつ、そのぶっ壊した寺院の柱などを再利用しているため、周りの建物にはまだヒンドゥーや仏教で使われる模様や彫刻が残っていました。この「宗教対立の歴史」が体感的に感じられて、非常に興味深い場所でした。

ガンジス川

朝焼けのガンジス
沐浴

朝日と共に行われる沐浴を見にガンジス川を訪れました。多くの人が躊躇なく沐浴をしていたし、なんならシャンプーしてる人もいて、色々と衝撃的でした。

あと、流石にこれは写真は撮れなかったのですが、いくつもの火葬場が川沿いにあり、まさに遺体を焼いている現場も見ることができました。ヒンドゥー教では、ここで焼かれて遺灰をガンジス川に流されることが栄誉なのだとか。

生と死が自然と入り混じる風景を眺めていると、どこか現実世界ではないところにいる感覚がありました。

大菩提寺・菩提樹

ガイドさんに撮ってもらった

ブッダが悟りを開いた場所と言われる菩提樹と、その横に建てられた大菩提寺。個人的には今回ここが一番印象深い場所になりました。

まず雰囲気が非常に厳かなのと、世界中から仏教徒の方々が訪れていて、各々のスタイルのお経を唱えていました。かなり混雑していたのですが、決してお互いのお経や祈りの邪魔をせず、お互い尊重している姿が素晴らしいなと思いました。

タージ・マハール

狂気の建造物
装飾が細かい…!

インドで最も有名な建築物、タージ・マハール。遠目から見てもその大きさと美しさを感じられますが、近づいた時に感じたのは「狂気」でした。

このサイズで全て大理石を使っているし、その中に宝石による細かい装飾がびっしりあったし、全てが完璧にシンメトリーになってるし、いつ見ても美しいように太陽の軌道の真下に置かれている(=逆光にならない)し…この「美しさ」に対するこだわりに「狂気」を感じました。

なお余談ですが、タージ・マハルで話しかけらた18歳のインド人の大学生と仲良くなり、インスタアカウントを交換しました。いずれ日本に来た時に連絡をくれるそうです。

予想通りだったこと

インドの10月はやはり暑い

日光のパワーが強い…

基本的には写真のようなピーカン照りが続き、雨はほとんど降らなかったです。日光のパワーが強く、日向にいるとすぐ大量の汗をかきます。一方で湿度は低めなので日陰に行くと割と涼しかったです。インドには大きい街路樹がたくさんあるので日陰が多く、都市部は意外と快適に過ごせますが、写真のような開けた場所はなかなかしんどかったです。

道路事情はカオス

あちこち三輪タクシーだらけ

都市部の道路は三輪タクシー・原付・車で常に混雑していて、ろくに信号もないので道路を横断するのも一苦労です。自分は数ヶ月前に滞在してたベトナムで慣れてたので、あまり躊躇なく横断はできましたが、最初はやっぱり怖いです。

また、高速道路には別の怖さがありました。各ドライバーが攻めた運転をするし、平気で逆走してくるし、道路状態も良くないのでめっちゃ揺れるし。運転が怖くて寝れなかったのは初めてでした。

カレー三昧

ほぼ毎食カレーがある

今回は50人規模のツアーだったので、基本的に食事はホテルでバイキング形式でした。だからかもしれませんが、ほぼ毎食カレーが出てきて、ちょっと途中から飽きてきました。

あと豚肉も牛肉も基本的には出ないので、肉は鶏肉ばかり。内陸部なので魚介類もほとんどない。となると、毎食カレー・炭水化物・鶏肉・野菜・フルーツの組み合わせになります。

予想とは違ったこと

食べ物・飲み物に気をつければ、意外と腹は壊さない

元々お腹が弱いので、ぜっっっったいに腹は壊すと思って万全の準備をしていきましたが、意外と大丈夫で、結果的に正露丸は一回も飲まずに済みました。

今回以下のことを徹底したおかげかなと思います。

  • 水道水は飲まない(歯磨きもミネラルウォーターで)

  • レストランで出される水も飲まない(瓶・缶の物や、コーヒーなど温かいものはOK)

  • 生野菜、カットされたフルーツは食べない

  • 食べる前に食器を拭く

  • 腹八分目をキープ

ただ、帰国後すぐに胃炎になりました。何が原因かは心当たりがありすぎてわかりませんが、ギリギリ滞在中じゃなくてよかったです。

ガンジス川の周りは歓楽街

謎のイルミネーション
人が多すぎ…

早朝のガンジス川は上述の通り、厳かな雰囲気ではあったのですが、夜のガンジス川は全くイメージと違う世界でした。

付近の道はほぼ歓楽街のような様相で、人も露店も多く、なぜか大音量でクラブミュージックを流しているお爺さんもいました。
あと川沿いではどこかの宗派の儀式が行われており、それを見にきた宗徒の方や観光客でごった返しており、厳かさのかけらもない雰囲気でした。

「聖なる場所」というイメージを持っていたので、この雰囲気は完全に予想外でした。

文化・宗教の境界線が曖昧

ヒンドゥーとイスラムの装飾が入り混じる

インドは他宗教の国ということは知っており、かつカースト制のイメージもあったので、「いろいろな宗教や人種が、きっちり棲み分けしている」と勝手に思っていました。が、実際はその境界みたいなものは感じられず、曖昧さを受け入れながら、かつお互いをリスペクトしているような雰囲気を感じました。

特に宗教に関して言えば、上述のクトゥブ・ミナールは「国内のヒンドゥー教徒たちに対するイスラームの勢力誇示」という目的で作られているので、ヒンドゥー教の方からするとムカつく建造物なのではないかなと思ったのですが、実際はそうでもないみたいです。
あと、大統領官邸にもお邪魔したのですが、最も華やかな場所に仏像が置かれていました。ヒンドゥー教が大半を占める国の中心に仏像を置くのも不思議な感覚がありました。

こんな感じで、お互いの宗教は違えど、他の宗教を必要以上に区別するのではなく、いい感じで共存しているのだなということが今回の大きな気づきでした。日本でいう神道と仏教がもう区別できない感覚と近いかもしれません。やはりこういうものは現地に行かないと気づけないですね。

街中は動物だらけ

無防備に昼寝する犬だらけ
街中に普通に猿がいる
路地裏の牛と子犬の戯れ
道路を歩く牛たち
木の周りには大体リスがいる

ガイドの人が初日に「インドには動物園はいらない」と言っていた意味がわかりました。



以上、旅日記でした。誰かの役に立てば幸いです。

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