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経営学講座v1「みんな大好きAmazon」

スピード起業し、ゆっくり成長したAmazon

Amazon創業者ジェフ・ベゾスは圧倒的なスピード感でインターネットビジネスに乗り出しました。1994年春、ヘッジファンドの上級副社長だったベゾスは、生まれて間もないインターネットの利用率が以上な速度で上昇していることに気づきました。

なんと前年比23倍です。彼が注目したのは「本」です。リアル書店のトップ企業シェアも20%以下。千載一遇のチャンスだと、確信したのです。

その夏、彼は職を投げ打ち、妻とともにニューヨークを発ちました。サンフランシスコではプログラマーを面接し、採用。シアトルでは即日家を決め、ワークステーションを3台買い、ガレージでビジネスに取り掛かりました。引越しのトラックはまだ着いていません。

このスピードこそがベゾスの勝因でした。


Amazonは絶対的なケイパビリティ、物流に投資した


2000年、それまで前年比2倍以上の成長を遂げていた売上高は、68%増へと鈍化。最終損失はついに1000億円を突破しました。

2000年時点で、Amazonは全米8カ所の物流センターを構えていましたが、そのうち6つがその年に建てられました。建設費は1カ所あたり約5000万ドル。物流センターの総床面積は3万㎡から50万㎡に拡張され、オペレーションのための従業員は8000人近くまで拡張されました。

証券アナリストたちは物流センターへの投資を批判し続けました。ネットバブルの崩壊もあり、01年のAmazon株は5ドルまで下がりました。最盛期の20分の1以下です。

ベゾスは特に意に介しませんでした。
物流センターこそAmazonの持続的競争優位を与えてくれるとわかっていたからです。
それまでは全米の消費者に、翌日もしくは翌々日に確実にモノを届けてくれる物流サービスは存在しなかったのです。

この「クイックデリバリー」がAmazonのサービスの強みになりました。

「ワンストップ」が人を引きつけ、「ロングテール」が儲けの源泉

Amazonが持つ、実店舗の数倍・数十倍の品揃えと的確なオススメ、そしてクイックデリバリーは全米3億人の消費者を惹きつけました。

ネットマガジンWIRED編集長のクリス・アンダーソンはAmazonを始め大手のネットショップの売上のかなりの部分が、リアルショップでは手に入らないマイナーな商品(全体の93%)から上がっていると指摘しました。特にAmazonだとそれが57%以上にも上ります。


230万タイトルにも上る書籍の売れ行き

べき乗分布
売れるものは凄く売れるが、大多数はほとんど売れない

・28:72
売れる上位のもの(ヘッド)に売上は集中するが、通常の20:80(上位2割の商品で8割の売上を占める)でなくもっと下位のもの(テール)も売上に貢献する

1999年、ルーマニアの物理学者アルバート・ラズロ・バラバシはインターネットなどのネットワークのつながり方が、ランダムではなく、べき乗分布の構造を取ることを明かにしました。

ネットショップでは従来では売れない商品であるテール商品が、在庫にコストもかからずに定価で売れる儲かる商品に変わりました。

・アメリカではベストセラーもすぐに50%引きになります。日本のような再販制度は存在しないためです。


Amazonは今日さらなる飛躍を遂げています。
直販ECにより、販売商品は本だけでなく家電や音楽など様々です。Amazonプライムの会員数は1億人以上、1兆円以上の収入があります。ITインフラサービス、AWSを立ち上げ1兆円の利益を稼いでいます。


ベゾスのスピード感と売れない商品を売れる商品に変える発想の転換

ビジネスで成功する上でAmazonは非常に参考になります。今日成功している人に共通するのは動き出しがとても早いことです。考える時間があるならとりあえず動く。動いてからどうするか考える経営者やビジネスマンが今の成功モデルに共通した特徴なのだと思います。



参考・引用文献
すべての働く人のための新しい経営学/三谷宏治/Discover ディスカバー・トゥエンティワン


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ひさと Hisato
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