借金
奇特な人は隣人に金を貸す。援助の手を差し伸べる人は掟を守っている。
隣人が困っているときは貸してやれ。隣人から借りた場合は、期限内に返せ。
約束は固く守り、相手に対して誠実であれ。そうすれば、お前の必要はいつでも満たされる。
多くの人は、借りた金をもうけ物と見なし、援助してくれた人たちに迷惑をかける。
金を借りるまでは相手の手に接吻し、その財産について声音を変えて世辞を言う。返済の時が来ると期限を延ばし、返事をあいまいにして、都合がつかないと言って弁解する。
貸し主は、返してもらえたとしても、せいぜい半分しか取り戻せない。だが、それだけでももうけ物と考えよ。もしも、そのように考えでもしなければ、貸し主は財産をだまし取られたことになり、つまらぬことで敵をつくることになる。借り手は呪いと悪口を返し、感謝どころか、無礼な態度を返してくる。
多くの人が、貸すことを断るのは、悪意ではない。むざむざ奪い取られることが分かっているからだ。
聖書 シラ書 29章 1節