ワークライフバランスって、え?
ワークライフバランスという言葉が世間一般化されてきたけれども、実際に "ワークライフバランス充実してるわぁ!" という人はどのくらいいるのだろうか。ワークライフバランスという言葉が注目されるということはおそらく、多くの人は決してワークライフバランスが充実していないから話題になっているのではないかと思う。そもそもワークライフバランスの充実の定義さえ人それぞれだと思うので、二児の父となった今、自分が思うワークライフバランスについて語ってみたくなった。
|独身時代
毎日の充実度で表現するなら独身時代が一番充実していたのかもしれない。充実というよりもストレスレスという方が適切かもしれない。仕事をしっかりやっていれば、自分の好きな時間に自分の好きなことができる。これほどストレスフリーなことはない。これがワークライフバランスといえば、そうなのだろう。今思えば、僕自身20代中盤の頃は本当にワークライフバランスが充実していたと言える。
しかし、仕事が忙しくて休みの日がいつの間にか過ぎる人や、自分の余暇の時間さえ無いと感じている人にとっては、ワークとライフのバランスが充実しているとは言えないのかもしれない。
僕は社会人になってから毎日残業のある仕事をさほど経験してこなかったので、非常に恵まれた環境で働いてきたのだと実感している。
|家族の一員としての責任感
独身時代が充実していたと感じている僕は、今はどこかで充実していないと感じているということになるのか(自問自答)。正直なところ、結婚してから自分の時間が少なくなったと感じるようになった。それは自分の時間よりも "家族に時間を使いたい" "家族を優先したい" という気持ちが強くなってきたことが考えられる。子供も生まれてきたことで、家族の一員として自分がやるべきことを優先させたいという責任感のようなものが芽生えた。
それと同時に、自分がやりたいことや友人との時間が減少したことで、独身時代の生活が恋しくなることもある。今まで通り友人と遊べると思っていたし、家で自分のやりたいこともできると思っていた。しかし、よく考えたら1日に使える時間が24時間というのは変わらないのに、今まで通りの時間の使い方で家事育児がこなせるはずもなかった。(ただのアホでした...)
|仕事への考え方の変化
自分がやりたいことや友人との時間が少なくなることは頭の中では何となくわかっていたので、「自由な時間が少なくなる ⇒ 感覚的にしんどいけど、理解しようとする ⇒ 受け入れる」といった流れで、今のところ段階を経て対応することができていると思いたい。
しかし、家庭を持つことで仕事にも影響が出ることは全く想定していなかった。影響が出ると表現すると語弊があるかもしれない。仕事に対する意識が変わったという方が適切だろうか。
これまで仕事はキリがつくまでやり切って帰るスタンスを貫いてきたし家に持ち帰って仕事をすることもよくあった。しかし、現在は長時間通勤ということもあり、早く帰宅して家事育児をするために時間が来たら業務が途中でも翌日に持ち越すようになった。それに加えて、それまでは自宅に持ち帰って仕事をしていたが、家事育児が思った以上に負担があり、自宅では仕事に意識を回すことができなくなった。それどころか、業務時間外に仕事の連絡が来ると精神的に辛いと感じるようになり、仕事の時間以外は通知をOFFにまでするようになった。
これまでは仕事をやり切って、その残り時間が自分の時間という日々を過ごしてきた。それが現在、家事育児が最優先事項となり、仕事がやらなければならない(できれば避けたい)ことに成り下がり、わずかな合間になんとか自分の好きなことをするという生活に変化してきた。
|仕事、家族、自分の時間
独身時代は仕事が最優先だったし、10日を超える連勤があっても疲労感はあまりなかったし、精神的にも非常に充実していたように思う。しかし、結婚、長女誕生、次女誕生をステージが変わるごとに「仕事・家族・自分」それぞれに使う時間と意識が変化していった。それと共に悩みやストレスが増えていくのを感じている。
ただ、悩みやストレスが増えるのは当然のことだ。仕事以外の時間は "自分の好きなように" 時間を使うことができたが、結婚して子育てのフェーズに入ると "自分以外" のために使う時間が増えるからである。自分のことだけ考えていればよかった独身時代とは違うのは当たり前のことだと受け入れる必要がある。それに気づいたのも長女が生まれてから1年以上経ってからで、受け入れるのに随分と時間を要してしまった。
|自分の現状を分析して最適解を出す
自分の悩みはどこにあるのか、自分が充実している状態とはどんな状態なのか、それは現在の環境で実現可能なのか、現状を分析してどう折り合いをつけていくのか。
悩みがある時、自分に問うべき課題は沢山ある。ワークライフバランスを考える上で、一つ大切だと感じたことがある。それは現状の不満や悩みを外的要因のせいにしないことだ。
"家事育児が忙しくて、○○できない"
"仕事が○○だから、やりたいことができない"
悩みや不満の中には、どうしようもない外的要因というものは存在する。しかし、それのせいにしたところで現実は変わるだろうか。自分の頭の中だけで "ここが変わればいいのに" と想像したところで現実は変わらない。まず変わるべきは自分なのだ。悩みや不満は自分と向き合うところから始めなくてはならない。ベクトルを外に向ける前に、内なる自分と会話をして、現状を正しく認識し、うまくいかない時は折り合いをつけて、受け入れていくことも必要だ。少なくともここまで辿ってきた人生は変えられないし、周りの人も勝手に変わってくれるわけではない。変えられるのは自分と未来だけ。正直言って、自分と向き合うことはツラい作業だと思う。しかし、自分が求めるワークライフバランスは自分で変えて作り上げるしか方法はないのだと気づいた32歳と8ヶ月の二児の父は、今日も家事に、子育てに、自分のやりたいことに奔走するのであった。
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