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(元)アイドルのライヴは客席がちょっとやかましい (^^)

(4 min read)

はじめてわさみんこと岩佐美咲のコンサートを体験した2018年2月4日の恵比寿ガーデンホール。いまだから言えるぼくの偽らざる第一印象は、お客さんがなんてにぎやかなんだろうということでした。とにかくですね、「わっさみ〜〜ん!」「わっさみ〜〜ん!」とかなりデカい声でみんなが叫ぶというか、怒号みたいなものが飛びまくるわけですよ。お客さんはオッサンばっかりだからかなり野太い声で、そりゃあもうやかましいんです。

ぼくは慣れていなくて、そりゃあそうですよ、あのときがわさみん初体験というか、元アイドル歌手のコンサート初体験だったんですから、それがいったいどんなものなのか、いっさい知らなかったんですからね。もうビックリしちゃって、かなり引いちゃったというのが真相です。どうしてみんなこんなに叫ぶのだろうと、音楽のコンサートなんだからイントロがはじまって〜歌〜アウトロが消えるまでのあいだ、もっとじっと聴き入ればいいのにと思ったというのが事実です。イントロも間奏もアウトロも聴くべき音楽なんだぞと。

それまでぼくが体験してきたコンサートはジャズ系が多かったですからね、みんな客席で静かにすわって黙ってじっと音楽に聴き入っているんですよね。演奏が終われば熱狂的に拍手が起きたりしますけれども、演奏中に、もちろんイントロ中にでも、音や声を出すひとはまったくいないんですよね。その静寂と音楽の興奮とのギャップがこりゃまた楽しいもんだったんです。

ところがわさみんコンサートのばあい、まだ歌いはじめる前、イントロに乗ってわさみんが姿を現しただけで「わっさみ〜ん!」と爆大なる歓声が飛ぶじゃないですか。なんてうるさいんだろうと。だってイントロがもう鳴っている最中なんですよ。イントロも音楽なんですけどね。イントロだけじゃありません、ワン・コーラス歌い終えては「わっさみ〜ん!」、全コーラス歌い終えては「わっさみ〜ん!」と、そのあいだずっと音楽が鳴っているのに。

ぼくはといえば、その2018年わさみんコンサートのとき、「音楽を聴く」という目的で恵比寿ガーデンホールに来たつもりでしたから、客席から飛ぶものすごくデカい音量の声援で歌の前後の伴奏がかき消されてしまうのが実はあのときちょっとイヤで、なんだよみんな静かに聴いたらどうなんだ?!と実は本音では思ったというのが真相だったんですよね。

わさみんだけじゃなく(元)アイドルのコンサートはそんな静かに聴くもんじゃない、どんどん声援を送るものなんだということがわかるようになったのは、しばらく経ってのことでした。あの2018年2月4日恵比寿ガーデンホールは昼夜二回公演でしたが、昼の部で客席の盛大な歓声にすっかりけおされてしまっていたぼくも、夜の部のころにはこういうものなんだとなじんでおりましたね。

みずからも激しい声援を飛ばすようになったのは2018年11月の歌唱イベント初体験以後ですが、それに慣れてしまうとすっかり快感になって、声を出せない状況(というのが現場によってたまにある)だったりすると物足りなく欲求不満におちいるようになってしまいましたね。翌2019年1月26日のわさみんコンサートのときは叫びまくりしゃべりまくりました。

わさみん歌唱イベントなんかでも、2019年8月の笠間(都心のホテルから実に遠かった)でのときは、大きな声を出し終えると(特にわさみんファンではないであろう)地元のお客さんがぼくのほうをふりかえり、なんだこのひとは!?という不思議そうな、怪訝そうな、変態を見るような、目つきでにらみましたから。ぼくはそれがかえって快感で、そうですわさみんファンとはこういったものなんです、どうですか、と開き直るような心持ちでしたね。

2019年に二回体験した原田知世ちゃんのコンサートでも似たようなものでしたし、やっぱり(元)アイドルのライヴってそういったものなんでしょうね。ステージと客席のやりとり、ファンからの応援・声援がさかんであるっていう。いまや(元)アイドルではない歌手や音楽家のコンサートでもどんどん叫んだり歓声を飛ばすようになっているぼくです。

(written 2020.7.3)


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