音楽の持つ厳かなパワーを感じて 〜 ジャック・リー、ネイザン・イースト
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Jack Lee, Nathan East / Heart and Soul
ジャック・リーという韓国人ジャズ・ギターリストがいるっていうのをついこないだ知ったんですが、それはネイザン・イーストとの連名による新作『Heart and Soul』(2023)でのこと。このアルバムがとってもいいですよ。
基本カヴァー曲が多く、オリジナルもありますが、いずれにしてもテーマはスピリチュアル・フュージョンってこと。ゴスペルふうな曲や神、信心というモチーフを持った曲ばかりで、ジャックは敬虔なクリスチャンなのかもしれないですね。
1曲目から、なんだか聴いたことあるなじみのメロディだぞと思ったら、J.S. バッハのカンタータ。それも神をテーマにしたものですし、2曲目はスティーヴィ・ワンダー、3曲目はフォーレ。
サイモン&ガーファンクルの7「Bridge Over Troubled Water」にしたってゴスペルふうな曲でしたし、続く8「Amazinfg Grace」は説明不要ですね。オリジナル・ナンバーにしたってジャズとゴスペルの合体を聴かせるようなもの。
おそらくこの2020年代の世界に訴えかけていこうという気持ちをジャックは持ってこのアルバムをつくったんじゃないでしょうか。平原綾香のヴォーカル・ヴァージョンとマイケル・トンプスンのギターをフィーチャーしたインスト・ヴァージョンの二種類が収録されている「It’s You」にしたって、音楽の持つ厳かなパワーを感じながら演奏しているようなフィーリング。
聴き手にもそんな音楽の持つスピリチュアルなパワーを感じてほしいという意向がはっきりと伝わってくるヒーリング・アルバムでしょう。
(written 2023.11.27)
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