顧客志向だけでは成功できない~商品の位置づけを変えれば、売上は10倍。事業の位置づけを変えれば、効果は10倍
顧客志向だけでは、ビジネスも役所事業も、成功できない。
【商品の位置づけを変えると、売上が十倍増。事業の位置づけを変えると、効果が十倍増】という大きな成功を手にすることができます。
ジャパネットたかた が「ボイス・レコーダーを以前より10倍も売った」成功例は有名です。高田明社長は、テレフォンショッピングの視聴者(の多くは主婦)へ、ボイス・レコーダーという商品の位置づけを次のように再定義しました。
「子どもは小学校から帰宅した時、家に誰も居ないと、寂しいですよね。
お子さんに寂しい想いをさせているお母さんの気持ち、痛いほど分かります。そんなお母さんへ提案です。 このボイス・レコーダーを使って、
お母さんの肉声で、お子さんへメッセージを伝えてみませんか!」
ボイス・レコーダーという商品の位置づけは従来、会議などビジネス用途での録音だった。
この「古い位置づけ」の元、顧客志向で商品・政策を企画すると、次のようになります。
顧客ニーズ 解決策=商品企画は機能向上
日本の会議は、ダラダラ長い。 他社商品より、長時間録音できます!
重役のオヤジは、ボソボソ話す。 他社商品より、音声がクリアです!
この例は、顧客ニーズから企画する「顧客志向」ではある。しかし、
同業他社みなが横並びで同じような商品を企画すると、価格競争に陥る。
この「皆で同じ事をして安心する横並び主義」は価格競争=デフレを招く。
高田明社長は、ボイス・レコーダーという商品の位置づけを「ビジネス用途」から「親子のコミュニケ―ション・ツール」へ再定義し、新しい商品価値を創造した。
新しい位置づけ→新しい商品価値は、どうすれば発見できるのか?
他人ごとではなく「自分ごとで考える(当事者意識をもつ)」と良い。
私の体験を例に説明します。 共働きの久繁家は、愚息に小学生時代
「帰宅したら独り」という寂しい想いをさせていた。
すれ違う親子コミュニケ―ション・ツールとして、最初は皆と同じように
(冷蔵庫にマグネットで設置するタイプの)ホワイトボードを使っていた。
どんなメッセージを書くかというと、ホワイトボードの大きさから
「おやつは冷蔵庫の中にあるよ!」くらいしか書けない。
親として辛かったのは、書ける「メッセージ量の少なさ」よりも、
想いを「文字でしか伝えらない」ことだった。 そこで私は
「肉声を伝えることができて、愚息が少しでも楽しめる」方法を模索した。
解決策は、機種変更で使わなくなった携帯電話があったので、携帯電話の
ボイス・レコーダー機能を利用して音声メッセージを伝える方法に変えた。
このような自分の体験があると、ボイス・レコーダーという機能・商品の
「新しい位置づけ→新しい商品価値」を、創造できる(閃く事ができる)。
以下の連載で様々な事例をご覧いただけます。
1話 成功例を、縦割主義で定義・美化するから、読者は失敗する
2話 歴史を書き換える出版で、シビックプライドを創造→移住者が増加
3話 金/予算が無いなら、協働のプル戦略~努力しても成功できない原因
4話 地方が衰退する原因は弱いくせに、競争するから~競わない地方創生
5話 個性を磨け~ありきたりな政策は供給過多で、価格競争/デフレに陥る
6話 連携ありきで無節操に人を集める失敗~連携/恋愛は1本釣りで成功
7話 顧客目線とは顧客を絞る事~嫌われる勇気を持つと顧客目線になれる
8話 売上増加より、コスト削減に、予算を使え~代理店へ丸投げ多すぎ
9話 地域おこし協力隊の採用/活用5分類~人を使い捨てるブラック自治体
10話 役所の広報予算は 1/10に抑制できる~役所は広告代理店のカモ
11話 役所の 婚活パーティが酷い~政策と情報発信を改革する公務員研修録
12話 ゆるキャラ使い、重い結論を、軽い言葉で依頼するな~公務員研修録
13話 政策を考える前提~研修は同じでも環境が正反対なら、成果も正反対
14話 公務員は博打好き~成功確率1%で、いきなり多額投資の政策は博打
15話 帰納法で創造力と個性を高める~演繹法は皆が同じ(無個性)になる
16話 政策立案ノウハウ全公開~成功例だけ紹介→真似するから地方は衰退
17話 「裏が見えない=表面だけ視る」から失敗する~質問力を高める方法
18話 論理偏重は信頼されない~感情と論理の調和で、信頼される公務員に
19話 人材育成(研修)の基本~今は大物の恩師は新人の私をこう指導した
20話 創造的&貢献的な仕事だけが残る~役所仕事と裁量仕事は消滅
21話 地域資源がPRしても「埋もれる、顧客に伝わらない」訳と解決策
22話 オール与党化の地方自治・議会は、学習と改革を放棄して腐敗
23話 農業や観光をブラック産業にする地方(ブラック自治体)は衰退
25話 個性あるブランド都市vsミニ東京化で個性を喪失して衰退する都市
26話 役所の仕事をした「ふり、アリバイ作り」が地方衰退の元凶
27話 人口減少策に成功した海士町と下諏訪町の共通項~連携、市民主役
28話 成功者は育てる~成功者に惹かれて、起業者・移住者が地方に集まる
29話 コニュニティの「しがらみ」を価値に変える~久繁哲之介の講演録
30話 地方創生は顧客価値の創造~顧客の声は面倒だから無視して商店街消滅
31話 できない理由・批判されそうな事を先に探して失敗する地方創生の真実
32話 地域ブランドと、ぼったくりは紙一重~ぼったくりでないブランド化
34話 お上が認める表彰・計画だから、地方と人を骨抜きにする
35話 人口誘致も、NHK大河ドラマ誘致も、手段が目的化して失敗
36話 定住志向だから失敗~2地域居住など利用志向の地方は成功
39話 郷に入れば郷に従えは人が流出→人口減少vsダイバーシティで人口増
40話 仕事の引継ぎは、前例と方法でなく、目的と価値を伝え価値を高める
41話 内定辞退率63%のブラック自治体に見る、マザコン公務員
42話 関係人口⇔交流人口⇔定住人口の質量で、政策を創る~商店街再生1
43話 車&ネットは、まちと人を変え、関係人口も変える~商店街再生2
44話 失敗は「良いvs悪い」失敗と「自責vs他責」に分ける~商店街再生3
45話 皆が自分の為だけの消費に走り、地方・商店街は衰退~商店街再生4
46話 子育て政策も商店街政策も、公私連携な働き方で成功~商店街再生5
47話 久繁哲之介の経営指導で再生・成長した商店~商店街再生6
48話 地方創生は個性の創造が必要~地方は閉鎖的・つまらないから衰退
49話 自由裁量が高い町で、移住者が急増~自分探しの若者を受け入れろ
50話 地方移住の成功法~住む場所・目的を変えて、失敗が成功に変わる
51話 事業を始める事しか考えない役所の事業は失敗~育成と撤退も考える
52話 難易度・投資は低く、効果は高い事業を創れ~協働、パラレルキャリア
53話 できる2割を活かすパレート法則で地方創生~ダメな者の保護で衰退
54話 関係人口・顧客の口コミで観光者と移住者が急増~役所広報がダメな訳
55話 自分探しの若者・定住意欲が低い者を応援できる地方に、移住者が急増
56話 忖度させる首長が、公務員と地方を劣化させる~地方衰退の真実
57話 ふるさと納税&クラウドファンディングの欠陥~寄付で稼ぐな
59話 住宅の空き家・店舗の空室化を「予測、代替、関係」で解決
60話 スキル無き素人な公務員の補助金ばらまき、6つの病と処方箋
60話の内、読者(地方議員・公務員)から反響が大きいベスト3
3位 働き方をこのように改革したいと、公務員向け研修の依頼
40話 仕事の引継ぎは、前例と方法でなく、目的と価値を伝え価値を高める
2位 人口減少対策・地方へ移住政策に活用したいと、講演の依頼
54話 関係人口・顧客の口コミで観光者と移住者が急増~役所広報がダメな訳
1位 これが地方と公務員が劣化する真の原因。本にして世に問うてほしい
56話 忖度させる首長が、公務員と地方を劣化させる~地方衰退の真実
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