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レポート:勝央まちづくりサロン「テーマ:姉妹都市・友好都市」(5月22日)

 この記事では5月22日に開催された、勝央まちづくりサロンの活動報告をさせていただきます。岡山県勝央町(しょうおうちょう)で「まちづくり」の立場から民間、行政、住民を巻き込んで、まちを元気にする取り組みを行っています。一般社団法人しょうおう志援協会が主催です。

 2020年3月から開始し、毎月開催しています。これまで、「観光」、「婚活」、「移住」などをテーマとして、楽しくお話をしてきました。感染症対策でオンライン開催が多いですが、感染が落ち着いたら、会場での開催もできればと考えています。ちなみに、前回2021年4月は私の取り組んでいる「勝央健幸ラボ」をテーマに開催しました。

1.「友好都市」のテーマは受講生の想いから

 今回は、「姉妹都市・友好都市」をテーマとして開催しました。このテーマになった経緯として、昨年度の勝央町のまちづくりの研修に参加されて、今年2月に勝央町で開催されたまちづくりに関して想いを発表するプレゼン大会で「友好都市」をテーマに発表されたKさんがいたからです。今回、Kさんに話題提供をお願いして、この「友好都市」の仕組みを活性化する構想を盛り上げていこうと考えました。

 簡単にKさんと友好都市との関係について紹介します。北海道釧路市で生まれ育ったKさん、就職して岡山県岡山市に引っ越します。そこで初めて、釧路市と岡山市が友好都市関係にあることを知って、不思議なご縁を感じたそうです。ちなみに、釧路市と岡山市の関係はタンチョウツルが取り持ったご縁がそうです。ここから、友好都市の関係を活かして地域をつなぎたいと考え、そのことを発表されました。自分のルーツから未来の地域の関係を考える、これは、Kさんならではの発想だと感じました。

2.「姉妹都市・友好都市」発足の経緯

 Kさんは、今回のまちづくりサロンに先立って、姉妹都市・友好都市について調べてくださいました。元々は、第二次世界大戦後、国と国との関係を強化し、争いを避けようという機運から国を超えた姉妹都市・友好都市関係が多く結ばれたそうです。さらに、日本の中でも都道府県をまたいで、姉妹都市・友好都市関係が結ばれます。

 例えば、「山のないまち」と「海のないまち」との友好都市関係。これは、それぞれのないもの同士を補って、お互いのまちが栄えるためだったといいます。そのほか、象徴的な出来事ををきっかけに、姉妹都市となるケースもあります。岡山市のタンチョウについてはこちらのページをご覧ください。

3.「姉妹都市」の現状

 今回、姉妹都市の現状を知りたいと思い、岡山県勝央町と姉妹都市の静岡県小山町(おやまちょう)の職員さんをお誘いしたところ、快くご参加いただきました。勝央町の行政職員さんも参加しており、双方の関係を改めて知ることができました。ちなみに、この2つのまちを取り持ったのは「金太郎」。小山町は金太郎生誕の地と言われており、勝央町は終焉の地と言われています(ちなみに所説あるようです)。

 姉妹都市として、以下のような関係があるようでした。

・小山町が富士山の麓にあるということで、両方の行政職員、小学生が一緒に富士山登山をして交流。
・お互いのまちの祭りに、町長、行政職員、議員、商工会の人が参加し、交流を行う。
・文化協会の交流。
・災害時の物資志援。

 お互いの住民は、広報誌などで取り上げられている姉妹都市のパートナーのこと認識はしているようですが、行政の担当や、学校を通じて交流する子どもたち、音楽活動など文化交流をする住民以外は、なかなか接点として感じていないようでした。

 行政の枠組みの中での関係で、住民にとっては、メリットがないと交流につながらないのでは…という意見も多く出ました。

 ちなみに、岡山県内の市町村の友好都市・姉妹都市として以下のようなホームページがありました。27つの都市関係がありました。どんな経緯で関係ができたのでしょうか?

4.友好都市の今後は…?「ハイブリッド友好都市」を考える

 今回のサロンでは、改めて姉妹都市・友好都市にスポットライトを当てることで、歴史はあるけれど、都市によっては数十年が経過もしてぶっちゃけ「形骸化しつつある」という現実も知ることができました。このこと自体は事実であって、良いことでも悪いことでもありません。

 関係の設立時には、今のような物流、人の交流、ましてやインターネットも盛んではなく、こういった関係ができることが、良い刺激になったことと思います。その当時は、経済的にメリットのある関係だった地域同士もあったことと思います。しかし、現在は社会情勢が変わって、一部の該当者だけの関係性というところかもしれません。

 行政という仕組み的に、このまま形式的に交流はしばらく続いていくものと思います。でも、それだけでは何だかもったいなくもあります。今は行政が主体にならなくても、住民、民間が先立って交流することも可能です。Kさんは、このネットワークを「ハイブリッド友好都市」として発展した取り組みを考えています。

5.「あるもの同士」の新たな関係を☆

 オンラインでどの地域ともつながりを作れる時代になりましたが、歴史的な縁のある関係だからこそ、住民、民間から交流を深めてみるのも、良いのかもしれません。行政のバックアップがあるということは、思い切った取り組みもできますし、うまくいったときの話題性も高いと感じました。

 例えば、「まちづくり」という立場。勝央町をはじめ、現在民間と行政の間に立って、そして営利と非営利との間に立って、地域の活性化を考える、私達のような組織が多くなりました。勝央町と小山町、まちづくりの立場から交流することで、お互いにとってメリットのある関係を築けるかもしれません。

 それは、一民間企業同士のビジネスライクな関係とは違う、精神的に豊かで、心のよりどころとなるような関係となることと思います。勝央町と小山町の活動のひとつにあった「災害支援」も、平時からサポートし合う訓練して関係をつくることで、物資だけでなく、心も支え合えると感じました。

 「無いもの同士」という関係だった友好都市が、「あるもの同士」で化学反応が起こる。そんな前向きなイメージを持った、まちづくりサロンでした。これからも、勝央町と小山町の関係を深めて、民間、住民同士でお互いの交流を深めたいと思います。

 そして、今後もKさんとも力を合わせて、しょうおう志援協会も地域と地域をつなぐお手伝いをしていきたいと思います。

 お読みいただきありがとうございました!

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