見出し画像

レポート:勝央まちづくりサロン『みんなが気軽に立ち寄れる場所とは?~多世代交流×子育て~』(7月14日)

 この記事では7月14日に開催された、勝央まちづくりサロンの活動報告をさせていただきます。岡山県勝央町(しょうおうちょう)で「まちづくり」の立場から民間、行政、住民を巻き込んで、まちを元気にする取り組みを行っています。一般社団法人しょうおう志援協会が主催です。

 2020年3月から開始し、毎月開催しています。最近は、これまで「SDGs」、「健康」、「姉妹都市」をテーマとして、楽しくお話をしてきました。感染症対策でオンライン開催が多いですが、感染が落ち着いたら、会場での開催もできればと考えています。ちなみに、前回2021年6月は「SNSとまちづくり」をテーマに開催しました。

1.今回のテーマは「みんなが気軽に立ち寄れる場所とは?」

 今回は、「みんなが気軽に立ち寄れる場所とは?」というテーマで開催しました。話題提供されたのは、昨年度の勝央町のプレゼンイベント「あつまれ!プレゼンターの森」で発表をされた楳溪(うめたに)奈美さんです。

 楳溪さんはご自身の経験を踏まえて、岡山市北区でみんなが気軽に立ち寄れる場所として、シェアリビングという考えを発信し、仲間を増やしながら活動をしています。住民主体のボランティア活動のため、運営や資金的な面で試行錯誤中です。

<楳溪奈美さんのプロフィール>
cococara okayama代表
cotocoto.coto代表
アメブロはこちらです↓

 岡山市に約3年前に転入。誰とも出会えない孤独を体験し、転入者がつながれる場として「cococara okayama」を立ち上げる。その後、子育て世代の孤立をなくし、多世代が関わり合えるシェアリビングを構築するために「cotocoto.coto」を立ち上げ、R3年4月より「つながる@home『ことこと』」オープン!縦割りの支援を超えたつながりを目指しています。

昨年度のプレゼン大会についてはこちらにまとめています。

2.「つながる@home『ことこと』」について

 まず、楳溪さんにご自身の活動を紹介していただきました。

 子育て支援の行政で足りない部分をサポートするために「つながる@home『ことこと』」を運営しています。2021年4月より、週1回月曜日に開催しています。

スライド7

スライド11

 しかしながら、資金面の課題、支援を必要な人に情報を届けるための情報発信など課題を感じているところだそうです。

3.立ち寄れる場所の理想

 まず、立ち寄れる場所の理想について参加者で意見を出し合ってみました。活動の目的を振り返るということは、大切な時間だと感じました。

・高齢者、子どもがいて、団らんがある
・一人ひとりに寄り添うことができる
・自宅で、もしくは自分だけで、ほっとする時間を作ることができる
・それぞれに役割を持つことができる
・つらい時に心の支えになる
・世代交流ができる

4.今後の取り組みのアイデア

 地域の多くの人にとって立ち寄れる場所のニーズがあるということが確認できたのちに、楳溪さんの取り組みの改善策を考えていきました。箇条書きですが、出てきた意見をまとめてみます。

・今は、開催場所で親が子どもとともに過ごす想定だが、子どもだけ預けて謝礼をいただくベビーシッター事業を行う(制度的に難しいかもしれないという意見もあり)。
・サブスクリプション的な感じで、会費を払うことで、継続してサービスを得ることができる。
・子育て経験として、20代などの若い人にスタッフとして参加してもらう
・プレママ、プレパパ、アフターママ、アフターパパという言葉で世代を広げていく
・お年寄りの方の力を借りる(社会福祉協議会に相談する、お年寄りの集まる場に出張して開催する)。
・公的な事業ファミリーサポートセンターの事業と連携してお互いの良さを補い合う。

 行動派の楳溪さん、さっそく次の行動に移られているようで、その後の展開が楽しみです。

5.勝央町ではどんな支援があるの?

 次に、勝央町内を振り返っていました。

 今回、改めて参加者で町内のサービスを確認することで、勝央町もいろんなサービスがあって充実していることに気づくことができました。

 未就学児の支援は健康福祉部、小学校以上は教育振興部とそれぞれの部署で取り組みをしていることが分かりました。それぞれの事業は経緯があって、今回勝央町内の参加者から経緯も聞くことができ、イメージが深まりました。公的な説明だとなかなかイメージが湧きにくいので、話を聞くのは良いなあ、と感じました。

 特に、新しく子どもが生まれた世代、他の市町村から引っ越してきた方へはこのような説明があっても良いかもしれません。最近では移住者募集に力を入れている勝央町ですが、町外の人向けに子育て支援の環境を紹介することもあっても良いのかな、という意見も出ました。

 さらに、今回の事例提供者の楳溪さんの住む岡山市のことや、参加者のひとりの住む赤磐市のことも聞くことができ、それぞれの共通点や違いを客観的に知ることもできました。

6.考えてくれる人が「そこにいる」ことが大切

 最後に参加者それぞれから感想をいただきました。一部紹介します。

・場所の選択肢があることが大切
・話をする場があることが大切
・同じ人の集まりではなく、どんな人でも出入りがしやすい環境が作れれば
・地域の助け合い(共助)にデジタルなツールを活用することができれば
・支援は充実しているところだが、制度だけでなく人と人のつながりが大切

 私が印象に残ったのは、今回のような「まちづくりサロン」で議論していることが大切だよね、という意見でした。地域で、悩んでいる、または将来悩みに直面するかもしれない人のためにこうして話し合い、情報共有して、またそれを続けるということ。そのことがこの地域に住む人の安心につながり、幸せにつながるような気がします。

 今回、岡山市の取り組みをきっかけにし「気軽に立ち寄れる場所」をテーマに話をすることで、「地域の安心とは」、「人と人との関係とは」、などいろんなことを見つめなおすきっかけとなりました。

 これまでの地域や血縁の深いつながりが良くも悪くも少なくなる一方、新しい時代に即した支え合いの形を考え続けることが大切なのかなと感じます。行政だけでなく、民間、地域の一人ひとりが考えていけるよう、この「まちづくりサロン」がそのような考える場として力になれれば、と感じます。

 お読みいただきまして、ありがとうございました!

いいなと思ったら応援しよう!