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レポート:勝央まちづくりサロン『ワーケーション&留学生と地元学生の交流』(11月15日)

 この記事では11月15日に開催された、勝央まちづくりサロンの活動報告をさせていただきます。岡山県勝央町(しょうおうちょう)で民間、行政、住民を巻き込んで、まちを元気にする取り組みを行っている一般社団法人しょうおう志援協会が主催です。facebookページはこちら↓

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 2020年3月から開始し、毎月開催しています。最近は、これまで「DX」、「居場所づくり」、「健康」などをテーマとして、楽しくお話をしてきました。感染症対策でオンライン開催が多いですが、感染が落ち着いたら、会場での開催もできればと考えています。過去の内容はマガジンに記録しています。

1.今回は岡山県瀬戸内市の取り組みを一緒に考えました

 今回は、話題提供されたのは、昨年度の勝央町のプレゼンイベント「あつまれ!プレゼンターの森」で発表をしていただいた橋口博州さんです。橋口さんは、瀬戸内市にある、日本ITビジネスカレッジという専門学校の校長をされています。こちら、玉津小学校が廃校になった跡地を活用した学校になります。

橋口さんのプロフィールをご紹介します。

福岡県直方市生まれ。大学時代に中国・武漢大学に2年留学し、卒業後は電器メーカーと商社で計9年中国に駐在。過労による肺炎で入院したことをきっかけにサラリーマン人生に疑問と限界を感じて退職、大学時代の後輩が立ち上げた学校法人に参画した。2018年に東京に妻を残し岡山に移住し、人材育成と地域活性化の両輪で地方創生の一助になるべく奮闘中。

 プレゼン大会では、「自分らしく生きていける場所をつくる」というタイトルで、瀬戸内市の自然豊かな環境を活かした教育や観光の取り組みへの想いを発表していただきました。

 その内容は、家族で瀬戸内市に滞在しながら、親はワーケーション、子どもは自然学校で、豊かな体験を提供するという構想です。他にも、学校に多く所属する留学生さんをひとつの魅力として、地元学生、地域との交流のあり方も考えているところです。瀬戸内市の観光協会の理事も務められています。

 昨年度のプレゼン大会についてはこちらにまとめています。

2.「日本ITビジネスカレッジ」について

 アジアからの留学生が多く、IT、観光などビジネス実践につながる教育の機会を提供し、日本で就職できるような人材を養成しています。留学生と地元の交流を意識的に取り組んでいるところです。

 学校のある玉津地区でマルシェを開催したり、ドローンを活用した教育やイベントをしたり、地域との関わりを意識して様々な取り組みをしています。また、ITのスキルを活かして、地元高校のHPを作成したり、留学生向けのアプリを開発したりもしています。

(「玉津の市」コロナ禍前のイベント案内です。)

 ただし、コロナ禍で外国人の入学に波があり、今後は積極的に日本人の入学も増やせるようにと検討されているところです。今は、地元高校でIT教室をして、関心を高めようと工夫されています。ただし、日本人学生の獲得にあたっては、ITビジネスカレッジが留学生の多い専門学校というという特徴から、「留学生が行く学校」と思われており、どうやって日本人高校生に伝えるかが課題になっています。

 これまで、いろんな取り組みは行っていますが、まだ地元との交流に工夫が必要と感じています。

3.瀬戸内市の観光の取り組み

 「ワーケーション」の取り組みは橋口さんが観光協会として関わっている分野です。コロナ禍で瀬戸内市の観光業にはダメージがあり、今後の取り組みを考え直しています。こうした中、ワーケーションの拠点を整備して、観光メニューを一緒に提供したり、農泊、子どもいなか学校といった複合サービスを提供することで、さまざまな人をターゲットにしたいと考えているところです。

 瀬戸内市としては、宿泊施設はあるけれど、ワーケーションとして仕事に使える施設(拠点)がない分、自然を活かしたサービスの提供を検討しています。ただ、施設やWi-Fiの環境が乏しい分、今後の取り組みについて課題を感じているということがあります。

 参加者から、瀬戸内市は邑久町、牛窓町、長船町の3町が合併でできた市なので、関係性が大変なのでは?という質問がありました。観光協会もバラバラでしたが、地元の全国区で活躍している影響力のある企業の社長がこの観光協会のテコ入れをして、観光協会が合併でき、方向性が一緒になりつつあるということでした。橋口さん自身よそ者ということもあり、この地域の分断はあまり意識せず活動され、良い方向に働いているようです。

4.ワーケーションについてのアイデア

 橋口さんの取り組みを紹介していただいたあと、参加者同士でアイデア出しをしていきました。瀬戸内市に限らず、勝央町も含めて田舎では、Wi-Fiがつながる喫茶店が少なく、公共施設、駐車場でPCの仕事をしているビジネスマンが多いという意見がありました。地元の人、働く人をターゲットとしても、まだまだ仕事をするスペースへの需要があるのではないかという意見でした。喫茶店の営業などは、まだ可能性を感じるところですね。

 橋口さんの構想では、瀬戸内市では、景色の綺麗な場所も多く、空き家を使って、地域全体で複数の拠点を設け、点々としながらワーケーションをできることが理想というイメージでした。地域の魅力を十分に発信できれば、Wi-Fi環境はそもそも自分でポケットWi-Fiを持っている人がいますし、必要なら近隣の民家からWi-Fi環境をお借りするよう金銭的なするなどすれば、そこまで影響ないのでは、という意見がありました。

 農泊制度を活用しながら行う事業に関しては、勝央町でも農泊の取り組みがあるので、情報交換の時間として有意義でした。(瀬戸内市では10月に農泊シンポジウムもされていたので、紹介します)

 こちらは勝央町の農泊の取り組みです。

5.日本の高校生へのアプローチについてのアイデア

 高校生へのアプローチは、勝央町の勝間田高校の取り組みなどから、まずは親に説明して理解してもらうことが大切という意見や、報告会をするアイデアとして出ました。

 地元高校以外にも、県外に視野を広げてITビジネスカレッジが小中学校や高校への出張授業の機会を増やすというのも、接点を持つ機会が増えて、入学希望者を増やすことにつながるという意見がありました。この部分では、勝央町の勝間田高校や美作市の林野高校とも連携ができそうです。

 地元以外の高校生への提案の仕方としては、国内で「安全に外国人と学ぶという留学と同じ経験ができる」ということは魅力として伝えられるのではという意見がありました。「100人高校生の生徒がいて、1人、2人でも刺さる」ようなPRができると思います。特にIT分野は今の時代需要が高いので、「留学×IT」という視点では、PRしやすいかもしれません。このように尖った教育環境をPRすることで、地域を広げていけるのではないか、という意見が出ました。

 また、外向きだけでなく、学校の中でも職員の皆さんが自分の子どもを通わせたいかという視点、自尊心を持てるかという内部に視野を向けて考える大切さも意見として出てきました。これは、まちづくりとも関わりますね。

 先日、しょうおう志援協会の人材育成事業「魅力開発塾」の中でも、地元に誇りを持つ「シビックプライド」の話をしていただいたところです。特に謙虚な県民性を持つ岡山の地域は、内部へのPRも大切なところですね。

 今回、瀬戸内市の取り組みを一緒に考えながら、自分達の地域の魅力や教育環境など、客観的に考える時間となりました。橋口さんが多岐に渡って活動をされているので、意見交換も多岐に渡ってできました。こうして交流をすることは良い刺激にもあります。勝央町のメンバーからは思いつきで一方的にアドバイスを提案させていただきましたが、参考になれば嬉しいです。

 お読みいただきありがとうございました。

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