時事メディカル、連載中ー啓発活動は自分にとっての恩返し
こんにちは。岩見@臨床眼科学会も無事終了、です。
現在、時事メディカルというところでコラムの連載をいただいております。
医師としていろいろと知識を蓄え、目の前の医療を行うことは充実させることは当然であり、むしろ最低限しなければならない内容かと思います。
それだけでは不十分なのです。
自分をここまで育ててくれたことに感謝し、その恩返しとして若い先生や社会に還元していく。
その還元するまでが出来て一人前の医師であると私は考えます。
尊敬する眼科医師であり、手術の師匠でもある柴宏治先生からも同様のお考えを伺い、これを若い先生にも伝えるようにしています。
そのために社会へ正しい知識を普及させ、人々がより良い人生を送れるように啓発活動を行なっております。
ちなみに、啓発活動と啓蒙活動の違いは何か、知っておられますか?
自分も知らなかったのですが。。
ざっくりまとめると、正しい知識を与えるのが啓蒙活動、正しい知識を与え、行動変容まで促すのが啓発活動にあたるようです。
とすると、私の活動は啓蒙活動ではなく啓発活動が当てはまりますね。
そういえば、アイフレイルという概念の普及を目指している組織も「日本眼科啓発会議」です。
正しい日本語をもっと使えるようになりたいです。
時事メディカルの連載も全10回中、半分の第5回まできました。
第1回は眼科健診の意義と現状について述べています。
日本は諸外国に比べ、眼科健診への意識が格段に低い現状があります。
なぜ健診を受けるべきか、様々なデータや取り組みを並べながら書かせていただきました。
第2、3回は非常にメジャーな病名である緑内障、白内障について書いています。
名前が似ておりますが全く違う病気になります。
緑内障は視覚障害認定原因のトップであり、末期まで自覚症状が来ない病気です。
治療して改善するというより、治療して進行を止めるしかないものなので早期発見がキモになります。
白内障は高齢になるとすべての人がなってしまうものです。
避けられないものとして、どのように考えていくべきかを述べています。
第4回は老眼について書いています。
老眼(老視)もすべての人に訪れますが、それぞれの人が近視か、遠視かで困り方がまるで違います。
先進国では約1/3の人が適切な老眼鏡を持っていないとされています。
そのあたりのアレコレを書いています。
第5回は加齢黄斑変性編です。
私の学位論文も加齢黄斑変性の研究に関連するものであり、最も深く知っているジャンルです。
名前が有名なわりに、実は頻度は高くなく、50歳以上の1%ちょっとしかなりません。
専門外の先生が加齢黄斑変性「モドキ」や「予備軍」をごっちゃにしていることや、ルテインなどのサプリメントはどう考えるべきかなど、一般の方が混乱しがちなことを中心に書いています。
こういった健康リテラシーは、自分がどう生きていきたいかに直結するものだと思っています。
例えば喫煙の害に関しても、知ったうえで人生設計と照らし合わせて続けられる方もおられるでしょう。
しかし、「喫煙がそんなに悪いのであれば吸わなかった」と考える人もいるでしょう。
そのような人のために、知識を届けていきたいと考えています。
第6〜10回が出ましたらまた紹介していきますね。
ご一読頂けましたら幸いです。