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なぜ日本の起業家がアメリカに移住して挑戦をするのか
先日ブログを書いたようにO-1 VISAを取得し、12月上旬よりアメリカに来ております。
今回は出張のような短期滞在ではなく、タイトルにもある通りで移住を目的としており、今まさに銀行口座の開設やSSN(ソーシャルセキュリティーナンバー)取得、さらにはマンションの賃貸契約や車の購入(アリゾナは車必須)などを進めているところです。
これまで「MLBのチームとやりとりを…」みたいな話をしてはいましたが、なぜ自分がアメリカに移住してまで挑戦しようとしているのかはあまり話していませんでしたので今回はそれについて書いてみたいと思います。
いつ移住を考え始めたのか
まずそもそもでいつ移住を意識し始めたのか。何月何日といった感じで正確な日付はないですが、2022年の秋から冬頃だったかと思います。ちょうどその頃からMLBのチームと話す機会が増え、「このまま彼らをメインの顧客に出来たらいいな」とか「MLBと仕事するってかっこいいな」と漠然と思い始めたのがこの頃でした。
そのときは事業的な進捗や資金面でいける可能性はほぼゼロに近かったのではと思いますが、とにかく来たるべきときがいつ来ても良いようにと思って英語の勉強をし始めたのもこの頃です。逆にこの頃から仕込んで2年近く掛けてようやくギリギリというレベルなので早くから始めるに越したことはないと思います。
なぜアメリカで戦う必要があるのか
弊社は野球に関するビジネスを行っており、よく言われることですがMLBとNPBは10倍近くのビジネス規模の差があると言われています。これは全体の話なので厳密にどんなビジネスをするかなどで異なるのであくまでも規模感をザッと把握するための数値にしかすぎませんが、実際に我々も同じような感触を持っています。
特にMLBとNPBのチーム双方にヒアリングすると我々が狙っているドメインに投下される資金量は10倍前後の差があると感じており、さらにはNPBが12チームに対してMLBが30チームの2.5倍の数なので掛け合わせると25倍近いマーケットサイズの違いがあるなと見ています。
よく起業家は「自分の会社が10倍になることを考えろ」などと言われますが、まさにこの話に当てはまっており、毎日/毎時/毎分/毎秒と会社のことを考える中でまさにこれは10倍以上になるチャンスなのではと思うようになりました。そしてそんなチャンスは滅多にないというのも非常に大きな事実でした。
ただ、とは言ってもアメリカで挑戦することの難しさ、具体的には言語や文化の違い、さらには競争環境がより激しくなることを考えると上述した25倍が期待値としてそのまま反映されるとは言いづらいのも事実ですし、現にそんなに甘くないのではと言われることは多々あります。
一方で、僕の中では「期待値が25倍のまま反映されないとしても日本でやるよりは期待値が高いのでは?」と強く思うようになりました。幸いにもまだまだ小さい会社ですし、アメリカで挑戦すると言っても誰が先陣を切って突っ込むのかと言われれば間違いなく僕です。だからもし僕自分がその環境に飛び込める、少しでも期待値25倍に近づけれるように努力できるのであればその価値があるのではと思い始めるようになりました。
僕が1番の営業マンでありたい
とは言いつつも、CEOである自分が移住するとなると会社に負担を掛けるのは間違いありません。組織運営の話でも資金的な面などのことを考えると悩んだのは言うまでもありません。
ただ、そんな悩みを完全に払拭させてくれたのは今年の8月のアメリカ出張がきっかけでした。(この頃にはVISA申請進めていたのに迷いがw)
出張ではMLBのチームに対して彼らの施設で実際にデモをさせて頂く機会をもらい、とてもポジティブなフィードバックを受けました。さらには様々な質問やリクエスト、なぜお前はこんなことをやっているのかなど本当にありとあらゆることまで話す時間を頂き、拙い英語ながら非常に濃い時間だったのを覚えています。
そして、何よりも日本から来た僕を非常に温かく迎えてくれていることを強く感じました。なぜかなと思ったので聞いてみたところ、「僕がわざわざ日本から来て営業することで僕らの本気度を感じ、リスペクトしているから」といったニュアンスのことを言ってくれました。
このときにアメリカで戦うというのはどういうことか少しだけわかったような気がしました。今は便利な時代なのでオンラインでも営業することが出来ますし、現に僕らもその出張まではオンラインのみでかなり商談を進めている状態でした。
ただ、どうしても最後ひと押しが足りないなとずっと感じていたのですがその答えがこの出張で少しだけわかったような気がしました。
アメリカはソフトウェア大国なので野球界でも様々なソフトウェアが使われています。その中で自分たちがどうしたら選ばれるのかというのは技術的な優位性や使いやすさなどは言うまでもないですが、どんな人たちがどのような想いで作っているのかも重要になってくると。
特に我々のサービスは比較的単価も高く、1度導入するとスイッチしづらいものでもあるので、より「どんな人たちなのか」と言った面も見られているのではないかなと。
そんなことを考えていると「では、それを売るのは1番想いが強い僕がやるべきなのでは?」と強く思うようになりました。そして1番マーケットが大きい市場でそれが誰が責任をもってやるのかと言われれば間違いなくCEOである僕だと。もしここを誰かに任せて失敗した時に言い訳もしたくないし、とにかく後悔することにならないようにと。
CEOは組織の運営、採用、調達など色々とやるべきことがあるのは理解しています。ただ、会社を維持していく上で最も大事なのは売上であり、もっと言えば我々のサービスを使っているお客さんなのです。そのお客さんと僕が向き合わないでどうするんだという想いから今ここアメリカに来ているんだと思います。(まとまった…?)
それっぽくまとめたけど…
と、ここまで書いてみましたがシンプルに僕が「1度の人生なのでアメリカでとにかく大きな挑戦をしてみたい!!!」という気持ちがあったのも否めません笑
スラムダンクで言うところの「バスケットの国アメリカの、その空気を吸うだけで僕は高く飛べると思っていたのかなあ」に近いですかね…。
あとは正直に言うと2020年に起業してとっても楽しい毎日を送っているのですが、一方でこのままで良いのかなという思いが強くありました。
少し生意気ですが前職で上場も経験しており、このまま日本のスタートアップとして進むとどうなるかというのは少しイメージ付いてしまうところであり、また、シンプルに自分自身に対しての負荷が足りないと思っていました。
日本にいれば美味しいご飯も食べれるし、言葉も通じて安全だし、仲の良い友だちもいて…。けどそれって本当に幸せなのかなと。若いときの自分はもっと何かに飢えていたし、まだまだ自分は何者でもないし、まだまだ飢えていたい。
笑われるかもしれないけど同じ人間のイーロン・マスクやサム・アルトマンが出来て自分が出来ないことなんてあるのかな。大人になるってことと同時にそういったことに対する物わかりや諦めが良くなっているんじゃないかなと。
そう思うとまだまだ子供でありたいし、自分が自分の可能性を1番信じる人間でありたいのでこれからも自分自身にフルベットしていきたいと思っています。そのためにもより大きくて困難な挑戦をこれからもしていきます。
最後になりますがこんなわがままを聞いてくれて心から応援してくれる会社のメンバーや株主の皆さんに心から感謝しております。本当に素晴らしい人たちに囲まれているなと思っています!!!
2日間終わりました。たくさんの人たちと話せて良かった。ありがとうございました。さて、アリゾナに移動して家探しが始まります笑 pic.twitter.com/SWVGSNFRk2
— Hisashi Ito⚾️アメリカで挑戦中!! (@HisashiIt710) December 10, 2024
ちなみにMLBのウインターミーティングの1日は全部打ち合わせで埋まり、さらには(打ち合わせをした)全チームからスプリングキャンプでのテスト希望が来たのでとっても良い結果だったのではと思います。そのときに「アリゾナ住んでるからいつでも行けるぞ」って言ったらみんな笑ってましたが笑
最後に毎度恒例ですが絶賛採用中です。特にエンジニアが足りていません!直接応募でもカジュアル面談でもお待ちしております!