USCPAとJCPA

私はUSCPAとJCPAの両方の試験に合格。USCPAはライセンス保持、JCPAは修了考査の受験を終えた身で、合格していれば近いうちに公認会計士として登録ができる身分である。(追記:2023年7月に正式に登録完了)
巷ではUSCPA or JCPAという論争があるが、両方の資格試験を突破した身として思うところを記載してみたい。両方の資格ホルダーは一定数おり、特段珍しくはないが、私の場合は先にUSCPAを取得、その後にJCPAという流れで、両方の資格試験合格者の中でも少数派であると思う。

試験難易度
これは試験に合格する難易度という意味では明らかにJCPAです。だからと言ってUSCPAが簡単だとも思いませんでした。私がUSCPAに合格したのは遥か昔、25年ほど前になりますが、当時は日本では受験できず渡米しないといけない時代。なので今とは状況が違いますが、受験手続自体も(地方にいたせいもあるが)面倒で手間がかかるものでした。会計学の学位を取得したネイティブであればそれほどの難関ではないと思うが、やはり日本人には英語の壁があり、その分、難易度が上がっているように感じた。前提の会計知識がどの程度あるかで大きく左右されると思われ、JCPAの方であれば、英語力の問題さえクリアできれば正直、この程度の試験内容?という感じだと思います。かくいう私も簿記2級の事前知識がある状況でUSCPAを勉強、受験し、会計関係(当時はFARとAREの2科目)については1回目でパスできた。しかし、他の監査、ビジネスローについて、特に監査については最後まで苦労して手こずりました。監査実務についていない者が英語での説明を読んでも正直、ピンときませんでした。なので、JCPAとUSCPA、どっちが難しい?受かりやすい?については、JCPAは基本的に競争試験で落とすための試験、USCPAは求める一定の水準がクリアできていれば合格させてくれる試験です。なのでUSCPAは諦めないで勉強続けられればいつかは必ず受かるものだと思いますが、JCPAは正直、どんなに頑張っても、必要な知識や解釈が仮に身についていても競争試験である以上、必ずしも合格には至らないかもしれないです。なので撤退者が相当数いると思う。

キャリアの観点
キャリアの観点からはもし、監査業界、会計士という道に進むことが明らかであればUSCPAを先に取得し、実務についてそこからJCPAへチャレンジするというのも選択の一つだと思います。私の場合、学生時代に税理士を少し志した時期がありましたが、そのままUSCPAではなく税理士試験や会計士試験に挑み続けていたら今のキャリア(海外勤務を含む監査法人での経験)は築けていなかったし、今の待遇も得られていなかったと思うと、当時の選択は自分にとっては正しかったと思っている。学生や試験に専念できる方はもちろんJCPAへチャレンジするのが王道だと思うが、やはり時間のない社会人にとってはJCPAへのチャレンジはかなりハードルが高いと思う。その意味でUSCPAはコスパの良い資格だと思う。英語+会計という知識が効率よく得られ、若手なら転職にも有利に働くと思う。

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