干し草の中の針
こんにちは辻村です。「干し草の中の針」(A pin/needle in a haystack.)という言葉をご存知でしょうか?山ほどある干し草の中からたった一本の針を探すことはとても手間がかかることから、「無駄骨を折る」とか「望みのない捜し物をする」という意味です。
針を探す役に任命されました
現在勤めている会社では、メーリングリストに加えられると通知が来ます。最近はSlack が流行ですが、メールもまだまだ健在です。そっとメールを開けてみると「ファイルシステムプロトコル」というグループに追加されたらしいのです。
「ファイルシステムプロトコル」と聞いて?マークが飛び交った方、たぶん一般の方です。大丈夫です。それが普通です。
同じ業界の方だと、Windows でネットワーク越しのファイルコピーをする SMB とか、Solaris や Linux といった OSなら NFSとかがうかぶと思います。
まだ何をやるかはっきりと聞いてはいないのですが、どうもネットワーク上の通信を分析すると言うことをやることになるようです。一部の方はパケットキャプチャをやれば何でもわかると思っているのか、とりあえず収集して、あまり説明も頂けずに調べて欲しいと依頼が来たりします。
最近のネットワークはすごく速いので、あっという間にギガバイト単位のパケットになってしまいます。ここから障害の手がかりになるものを探すのは、まさに「針を探す」様なものです。
個人的には公開情報が多い分戦いやすいかなとは思っています。
どんなことをするの?
IT業界にいらっしゃらない方には分かりにくい仕事だと思います。また、IT業界の中の方でもネットワークのお仕事をされていない方にはちょっと分かりにくい仕事かもしれません。
コンピュータとコンピュータがお互いに依頼をしたり依頼を受けた結果を返したりするためにネットワークを通して通信をしています。依頼とか結果を返すためには、何がどんな順番にどんな形で送られてくるかを知る必要があります。これをプロトコルと言います。ちなみに外交儀礼のことをプロトコールと言いますが、これは同じ単語です。英語で発音すると、プロトコールの方が近いような気もします。
(外交の国際儀礼の方のプロトコールに興味がある方は外務省のページをご覧ください。)
障害解析の時にやりそうな仕事は「プロトコル違反じゃないか」とか、「おかしなリクエストが送られて来ていないか」を分析するのが主になるのではないかと思っています。残念ながらパケットを見てハッカーの居場所を割り出すとか、どこかの国がサイバー戦争を仕掛けてきているのを守るためのソフトウェアを書いて撃退するとか、そんな映画みたいな話じゃありません。世の中の多くはコツコツとやる仕事で成り立っているのです。
今までの業務は?
気になったので上司に聞いてみると、「うん?今までの業務も今まで通りやってくれていいよ」とのこと。ファイルシステムの表面をひっかいたくらいしか学べていないと思うので、ありがたいと思う反面、ちょっと業務量が多いよなと思ったりもします。
日本にいるのに一日の大半を英語で過ごしている変な状況、業務内容が変わったことで果たして少しは変わるのでしょうか?
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