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SAY MY NAME「TGC 北九州2024 TOKYO GIRLS COLECTION」出演に見る方向性と成功戦略

⭐️最後の項目を追記しました。

週末にSAY MY NAMEが出演した「TOKYO GIRLS COLECTION」を拝見しました。
2曲のパフォーマンスという短い時間でしたが、このグループの方向性と戦略が見えてきたように思います。
また、日本と韓国の両国で成功して行くためには何が必要なのかということについて業界の人間としての知見を交えて記事にしました。
冒頭部分だけ公開します。



楽曲レビュー

今回のステージでは、彼女達は2曲を披露しました。
『Goldilock Water』と『私は今夜の空で一番輝く星になる』です。
これらの楽曲のレビューから書きたいと思います。

『Goldilock Water』

この曲は、プロデューサーであるジェジュンが作詞した楽曲です。
楽曲の特徴として、非常に簡単で誰もが覚えやすいメロディーの軽快なポップス曲で、彼女達の明るい雰囲気、また、ポップでキュートなイメージにぴったりの楽曲に仕上がっています。

デビュー曲というものは、そのグループを印象付ける大切な要素を持つものです。
初めて聴く聴衆が、そのグループにどのようなイメージを持つかが決まる大切なもので、デビューミニアルバムの中から、この曲を1曲目に選んだということに大きな意味があると言えるかもしれません。

ボーカルサウンドとしては、明るめの細めのボーカルカラーを持ちます。
韓国人ボーカルが持ちやすいパワフルな歌声という特徴ではなく、あくまでもポップで透明感のあるサウンドに仕上がっており、この楽曲の持つ明るいメロディーに合わせた声のトーンということが言えるでしょう。

グループ全体の音色としては、「軽いポップな歌声」「細い歌声」「透明感」「明るい音色」という印象を持ちます。

『私は今日夜空で最も輝く星になる』

この曲は、グループのリーダーを務める本田仁美作詞によるもの。(韓国語歌詞)
こちらは、ダンスナンバーではなく、バラード形式のサウンドボーカルになっています。
6人の歌声が掛け合いになるパートとハーモニーとして被さってくるパートに分けられており、こちらも全体の音色は「細く、透明感溢れるトーン」構成です。
また、サウンドボーカルグループとして、きちんと綺麗なハーモニーに仕上がっているところが、このグループの1つの持ち味になっています。
このグループのボーカル力は、ハーモニーを作り上げる為の基礎力が徹底的に鍛えられている、という印象を持ちました。

これら2つの楽曲を今回提示したということは、このグループがダンスパフォーマンスとボーカルの組み合わせによるK-POPの基本的なスタイルのグループであるという一面と、パート割りによって綺麗なハーモニーを作り出すことの出来るサウンドグループである、という2つの側面を見せたと感じさせます。

これは非常に興味深いものでした。
なぜなら、K-POPの特徴とJ-POPの特徴を兼ね備えたグループであるということが言えるからです。

K-POPサウンドとJ-POPサウンドの大きな違い

K-POPサウンドとJ-POPサウンドの大きな違いとは、どういうことを言うのでしょうか。

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