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決して諦めない

昨日は旧正月の新月でした。

まさに新しい1年の始まりですね。

60代になって新しい仕事に就き、新しい環境に入り、

一から人間関係を築いていくというのは、なかなか精神的にも体力的にも大変なことでもあります。

多くの人は、学校を出て、遅くても20代には職に就くでしょう。

ですが、私は、職業を得ることが出来ませんでした。

私達の時代は、音大を出れば、多くが結婚をし、専業主婦になり、家庭でピアノを教えるという仕事をしました。

もしくは、音楽教室の先生になる。

自宅でレッスンを教える。

そんな人が多かった時代です。

特に、私は私立の音大に行った為に、教員になる人は男性以外は、ほぼいない、という環境の中にいました。

今でもそうかもしれませんが、私達の時代も音楽をする人は、経済的に豊かな人が多かったからです。

私の実家は、そうではありませんでした。

ですが、父も母も私に教員になることは薦めず、好きにやらせてくれました。

そして、なぜか、必要なレッスン代や衣装代、チケット代金などを賄えるだけの収入は、歌の仕事で得ることが出来ていたのです。

あの頃のことを振り返ってみると、一体、どうやってお金を回していたんだろう、と不思議になります。

欲しいと思ったものは、ほとんど、手に入れることが出来ていたからです。

但し、留学費用だけは、どうにもなりませんでした。

友人達が短期留学や海外セミナーなどに参加するのを見ながら、どんなに頑張っても資金を貯めることは出来ず、結局、留学の夢を諦めたのは確かです。

それでも、結婚後も私はなんだかんだと音楽の仕事や歌の仕事を就職もせずに手に入れては、その時々、必要なお金をやりくりしてきた人生でした。

以前、リンパサロンの近くの手相占いのお店で、初めて手相を見てもらった時に、

「あれ、あんた、ちゃんと就職とかしてこなかったん?」と言われました。

仕事を表す線が、切れ切れになっていたからでしょうね。

それで、「ええ、そうなんです。ずっと音楽の仕事をしていたので、きちんと会社などには就職してないんです」と言いました。

そして、「将来を見てもらいたいんですけど」と言うと、

「あんた、もう60超えてるやろ?将来、言うてもなぁ…」と言って、「まあ、頑張り!」とお茶を濁すような鑑定を受けたのを覚えています。

それから、2年後、私は音楽評論家になりました。

翌年には、出版ゼミに入り、出版社で連載を書くようになり、曲がりなりにも原稿料を頂く身分になったのです。

今では、職業欄に、著述業、と書くか、評論家と書けるようになりました。

ずっと、仕事に就きたくても、与えられませんでした。

「食べていく為に仕事をする」

「やりたくない仕事でもお金の為に就職する」

そういう考えが持てなかった私です。

組織の中で仕事をする、ということが性に合ってなかった、我慢が出来なかった人なのです。

ですから、ずっと会社勤めをしている人、決まった時間に出社をして、夜遅くまで残業している人、組織の中で仕事をしている人を本当に心から尊敬するのです。

ずっと憧れの職業は、OLで、「何になりたかったの?」と聞かれると、「会社勤めしたかった」と答えては、相手を驚かせます。

文学部に行って、会社勤めしたかった。

なぜ、文学部かといえば、勉強もしないで成績が良かったのは、国語と音楽だけだったからです。

作家の学校に入った時、周りは文学部出身者だらけでした。

皆、文章がうまく、文才に長けていました。

「私も文学部に行ってたら、今頃、作家になっていたかもしれない」と何度思ったかわかりません。

彼らが読書三昧で文章のセンスを磨いていた時間、私は、歌の練習をしていたのですから、叶うわけがないのです。

ずっと、ずっと、「ちゃんとした仕事が欲しい」と思い続けていました。

そうやって、62歳でやっと今の仕事に就いたのです。

「男性と対等に働ける仕事」

「死ぬまで現役で働ける仕事」

この2つが私の希望でした。

今の職業は、この2つを叶えてくれているのです。

自分の働き方次第で、どうにでもなる可能性のある仕事です。

やっと手に入れた職業をしっかり仕事をしていきたいと思っています。

そして、諦めなかったから、この年代で、やっと自分の仕事に辿り着いたのだと思います。

60代。

先日、お会いした美容家で今年90歳の現役メイクアップアーティストの小林照子先生。

75歳で高校を建て、86歳でピアノを始め、89歳で絵画を始めた先生の年齢まで、まだ20年以上あります。

そう思うと、60代なんて、まだまだ可能性があると思うのです。

人生は諦めなければ、何が待ち受けているかわかりません。

私はこれからも諦めずに人生をやっていこうと思います。

あなたも自分の夢を諦めないで、毎日をしっかり過ごしてみて下さい。


昨年の春のパーティーでお会いした時の先生。


先日、ご一緒した時、1年経っても全く変わられていない先生。

とても90歳には見えません。

私の憧れで、目標です。

どんな1年を過ごすのか、自分の気持ちのままに決めることが、そのまま、自分の将来になります。

自分の将来を諦めないこと。

自分の夢を諦めないこと。

決して諦めない人だけが、夢に辿り着く。

私もまだ道半ば。

これからも頑張ります。

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