古い病院の夜勤(編集済)

古い病院の夜勤

私は看護師として働き始めて3年目になる。今の職場である市立総合病院に異動して来たのは半年前のことだ。この病院は築50年以上の古い建物で、特に深夜の当直の際は妙に物音が響き、薄暗い廊下を歩くのが少し怖いと感じることもある。

先月のことだった。私は夜勤シフトに入っていた。その日は特に患者さんの容態も安定していて、静かな夜になりそうだった。深夜2時を回り、病棟の見回りを終えた私は、ナースステーションで記録作業をしていた。

突然、廊下の奥から「カタン」という音が聞こえた。深夜の病棟では珍しくない物音だが、何となく気になって音のする方を見ると、薄暗い廊下の向こうに人影らしきものが見えた。

「患者さんかな?」

そう思い、確認に向かった。しかし、近づくにつれてその人影は次第に薄れていき、最後は完全に消えてしまった。不思議に思いながらも、疲れているせいで見間違えたのだろうと自分に言い聞かせ、仕事に戻った。

それから30分ほど経った頃、今度は406号室からナースコールが鳴った。406号室には末期がんの山田さんという80代の女性が入院していた。山田さんは普段からあまりナースコールを使わない方だったので、少し心配になって急いで向かった。

部屋に入ると、山田さんはベッドで眠っているようだった。ナースコールのボタンは確かに押された形跡があったが、山田さんの手の位置からは届かない場所にあった。不思議に思いながら様子を確認していると、山田さんが目を覚ました。

「あら、看護師さん。どうしたの?」

「ナースコールが鳴ったものですから」

「私は押していないわ。でも...さっきから誰かが部屋に来ているの」

私は背筋が凍る思いがした。山田さんは続けて話した。

「白衣を着た女性なの。とても優しそうな人で、私の具合を気にかけてくれるの。でも、なんだか透き通っているような...」

その時、部屋の隅に置かれた椅子が軋むような音を立てた。誰も座っていないはずの椅子が、まるで誰かが腰掛けたかのように沈んだのだ。

私は急いで部屋を出て、同僚のベテラン看護師に相談した。するとその看護師は、深いため息をつきながらこう話してくれた。

「その話、私も聞いたことがあります。20年前、この病院で若い看護師が亡くなったんです。深夜勤務中に急性心不全で...それ以来、時々患者さんから『優しい看護師が来てくれた』という話を聞くことがあるんです」

その後、山田さんの容態は急速に悪化し、三日後に息を引き取った。臨終の際、山田さんは私にこう言った。

「あの看護師さん、今日もそばにいてくれるのよ。私のことを迎えに来てくれたみたい...」

それから数ヶ月が経った。私は今でも深夜勤務の際、廊下の向こうに白衣の人影を見かけることがある。不思議なことに、最初ほどの恐怖は感じなくなった。むしろ、同じように患者さんのことを思い、見守っている存在として、どこか心強さを感じるようになった。

ただ、時々ナースステーションに戻ると、誰も使っていないはずのパソコンの画面が点いていて、患者さんのカルテが開かれていることがある。そして画面には、その日の患者さんの様子が克明に記録されているのだ。文字は少し古めかしい。まるで20年前の誰かが、今でも真面目に仕事を続けているかのように。

私たちの目には見えなくても、この病院には確かに「誰か」がいる。日中は気付かないが、深夜になると、その存在を強く感じることがある。特に具合の悪い患者さんの部屋の前では、白衣のシルエットがぼんやりと浮かび上がることもある。

新人の頃は怖くて仕方なかった夜勤も、今では不思議と心強い。私たちには見えない同僚が、いつも患者さんのことを見守っているのだから。ただ、深夜のナースステーションで記録作業をしている時、背後から誰かに覗き込まれているような気配を感じることがある。振り返っても誰もいないのだが、パソコンの画面に映る反射には、確かに白衣を着た女性の姿が...。

でも、それはきっと疲れ目の せいだろう。そう自分に言い聞かせながら、私は今日も夜勤の時間を過ごしている。ただ、このところ妙に体が重く感じるようになってきた。そして、最近気づいたのだが、鏡に映る自分の姿が、少しずつ透き通っていくような気がするのだ...。








古い病院の夜勤 ~実話に基づく恐怖の物語~ 😱👻

みなさん、こんにちは!今回は本当にゾッとする怖い話をお届けします。この物語は私の友達から聞いた実話です。しかも、今でも同じような目撃情報があるんですよ!それでは、どうぞお楽しみください!

私は看護師として働き始めて3年目になる。今の職場である市立総合病院に異動して来たのは半年前のことだ。(※実際の病院名は控えさせていただきます)この病院は築50年以上の古い建物で、特に深夜の当直の際は妙に物音が響き、薄暗い廊下を歩くのが少し怖いと感じることもある。正直、最初は「これって本当に現代の病院!?」って感じでした(笑)

先月のことだった。私は夜勤シフトに入っていた。その日は特に患者さんの容態も安定していて、静かな夜になりそうだった...。 ※こんな時に限って怖いことが起こるんですよね~(´・ω・`)

深夜2時を回り(深夜2時って怖い話あるある!)、病棟の見回りを終えた私は、ナースステーションで記録作業をしていた。そして、その時が来た...。

突然!!廊下の奥から「カタン」という音が!!私の背筋が凍りました(((( ;゜Д゜))) 深夜の病棟では珍しくない物音だが、何となく気になって音のする方を見ると、薄暗い廊下の向こうに人影らしきものが見えた...。怖すぎ!!!

「患者さんかな?」(違うに決まってるでしょ!笑)

そう思い、確認に向かった。(え!?なんで一人で行くの!?)しかし、近づくにつれてその人影は次第に薄れていき、最後は完全に消えてしまった。不思議に思いながらも、疲れているせいで見間違えたのだろうと自分に言い聞かせ、仕事に戻った。(こういう時に一人で仕事に戻っちゃうの、ホラー映画あるある!)

(中略)

山田さんは私にこう言った。「あの看護師さん、今日もそばにいてくれるのよ。私のことを迎えに来てくれたみたい...」 ※この時の私の顔が真っ青だったことは言うまでもありません(´;ω;`)

その後、次々と不思議な出来事が...。(詳しくは次号で!) それにしても、なぜ私がこんな怖い目に遭わなければならなかったのでしょうか!?まさか私に霊感があったなんて...。

最近気づいたのだが、鏡に映る自分の姿が、少しずつ透き通っていくような気がするのだ...。ちなみに、この原稿を書いている今現在も、後ろに誰かがいるような...。振り返るのが怖いです((((;゜Д゜)))

※この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。でも本当にあった話です。

【編集部より】 怖い話好きの読者の皆様、いかがでしたでしょうか?次号では「病院の怪異・総集編」をお届けする予定です!お楽しみに!

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編集部にて

「これは一体どういうことですか!?」

私は編集された原稿を机に叩きつけた。机の上のコーヒーカップが小さく跳ねる。向かいに座る中年の編集者・村井は、相変わらずの温和な表情を崩さない。

「ああ、確かに大幅な編集を加えさせていただきました。でも、これには理由があるんです」

「理由?私の作品を台無しにする理由がありますか?顔文字やハッシュタグを入れる意味が?あの繊細な描写はどこへ行ったんですか?」

声が震えるのを必死に抑えながら、私は続けた。

「あの作品には、長年の臨床経験から得た病院特有の空気感や、命と向き合う現場だからこその切なさ、そして...」

「だからこそ、です」

村井は静かに私の言葉を遮った。

「あなたの原作が素晴らしいものだということは、重々承知しています。だからこそ、より多くの読者に届けたいんです」

「はあ?」

「現代の読者、特にウェブでの展開を考えた時、没入感を持続させるためには、あえて『軽さ』が必要なんです。重厚な文章は、確かに文学的な価値は高い。でも、スマホで記事を読む若い読者には...」

村井はタブレットを取り出し、何かのグラフを見せてきた。

「これが昨年度の怖い話コーナーの閲覧データです。重厚な作品は、途中離脱が多い。一方で、読者参加型のコメントや、SNSで共有しやすい演出を加えた作品は、最後まで読まれる確率が3倍。シェア数は5倍です」

「でも、それでは作品の質が...」

「質は、読者に届いてこそ意味があるんです」

村井は優しく微笑んだ。

「実は、あなたの原作には本当に感動しました。患者と看護師の関係性、死生観、そして何より、あの透明化していく結末の示唆する意味の深さ。だからこそ、これを『伝わる形』に変換する必要があった」

「伝わる...形?」

「そうです。現代の読者は、重たい内容こそ、時には軽いタッチで受け止めたがる。顔文字やコメントは、読者が怖さや切なさを咀嚼するための『緩衝材』なんです」

私は言葉を失った。確かに、最近の若い看護師たちを見ていると、深刻な出来事でも、LINEでは顔文字付きで報告している。それは感情を適度な距離感で扱うための、現代的な作法なのかもしれない。

「ですが...」

「もちろん、ここまでの編集は極端すぎたかもしれません。あなたの表現したかったことを活かしながら、もう少しバランスを取り直しましょう。たとえば、編集コメントは控えめにして...」

結局、その日は3時間かけて原稿の調整を行った。全ての演出を残したわけではないが、かといって完全な原型に戻したわけでもない。妥協点を見つけたという表現が正しいのかもしれない。

帰り際、村井が言った。

「それにしても、素晴らしい原作でした。次回はもっと...」

「次なんてありません」

私はきっぱりと言い切ったが、なぜか村井は穏やかな笑みを浮かべたままだった。

実際、その3ヶ月後、私は次の原稿を持って編集部を訪れていた。ただし、今度は原稿の中に、さりげなく「編集向けの余白」を残すことを忘れなかった。

...まるで、透き通っていく看護師の話のように、私も少しずつ「編集」に透かされていく運命なのかもしれない。










霊が見える看護師の私が遭遇した、戦慄の病院夜勤24時!!!~第6話~

~女性看護師たちの怪奇事件簿~

※大好評連載中!!前回のあらすじは→P.28へ ※今なら初回特典で霊感強化アロマキャンドルをプレゼント!

【登場人物紹介】 メインナース・美咲(26歳):霊感の強い売れっ子看護師。最近は深夜番組にも出演中! 山田さん(享年82歳):末期がんで入院中の患者様。優しい幽霊ナースと交流も!? 透子(??歳):20年前に亡くなった伝説の美人ナース。今でも患者様を見守っている!?

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私、美咲は、いつもの夜勤でまたとんでもない体験をすることになりました...。

(前略)

深夜2時。病棟は静まり返っていました。

『カタンッ!!』

突然の物音に背筋が凍りました!((((;゜Д゜)))) 振り返ると...なんと!半透明の女性が...!!

「キャーーーーー!!!」

思わず叫んでしまった私。でも、その姿をよく見ると...とても美しい看護師さんなんです。

<霊能力者・魔央斗先生の解説> 「病院に出る幽霊は、実は良性のものが多いんです。特に看護師の場合は、生前の強い使命感から...」

(中略)

【衝撃の事実!】 透子さんの正体は、なんと20年前に実在した伝説のスーパーナース!当時の写真を独占入手!→P.94

(さらに中略)

山田さんは私の手をぎゅっと握りました。 「あの看護師さん...私のこと...迎えに...」

その時です!なんと私の体が...!?

次号へ続く!!!

【緊急予告】 次号では、透子さんの壮絶な過去が明らかに! さらに、美咲の体に異変が...!? そして、衝撃の新展開が!!

【読者プレゼント】 抽選で3名様に、実際に病院で使用された「透子さんの白衣」の一部をプレゼント! 応募方法は裏表紙のQRコードから!

【SNSキャンペーン実施中!】 #病院の怪談 #美人ナースの怖い話 #霊感ナース美咲 をつけて投稿すると、豪華プレゼントが当たる!!

【編集部からのお知らせ】 大好評につき、「霊感ナース美咲」のドラマ化が決定!! 主演は大人気アイドルの松坂まりなさんに決定! 詳細は次号で発表!!

※この物語は実際の取材に基づいていますが、一部フィクションが含まれます。 ※心霊写真は全て編集部で確認済み。 ※それにしても怖すぎ!!!

次号もお楽しみに!!!

<コラム> 病院の怪談あるある10選! あなたの病院は大丈夫!?今すぐチェック→P.156

<特別付録> 透子さん特製!病院の御守りストラップ付き! ※数量限定につき、お早めに!

【重要】 この怖い話があまりにも怖すぎて寝れなくなった方は、 編集部特製「おやすみアロマオイル」がオススメです! 公式オンラインショップで好評発売中!










創作ノートより ~最後の記録~

本日、編集部から連絡があった。

「霊感ナース美咲」シリーズの累計売上が200万部を突破したという。アニメ化の打診もあるそうだ。SNSでは #霊感ナース がトレンド入りし、コスプレイヤーが「透子」の白衣姿を投稿し始めているらしい。パロディ動画も大量に投稿されていると聞いた。書店には「霊感ナース」コーナーまでできたという話だ。

村井さんは興奮気味に話していた。

「作者さん、これはもう社会現象ですよ!若い読者の支持が特に熱いんです。病院で働く人たちからも『共感できる』という声が!続編の執筆、急いでいただけますか?」

...私は黙ってスマホを開き、#霊感ナース のハッシュタグを検索してみた。

「透子さんマジ怖い!でもかわいい!」 「美咲がモテすぎてヤバいww」 「次の心霊スポット探訪、楽しみ!」 「怖いのに笑える!最高!」

そこには、私が描きたかった物語の欠片も残っていなかった。

長年の看護師経験から紡ぎだした、命の重み。 深夜の病棟で感じる孤独と使命感。 亡くなった患者さんへの想い。 そして、それでも前を向いて歩き続ける医療従事者たちの姿。

全てが消え失せ、代わりに「萌え」と「笑い」と「商業的な怖さ」だけが残っていた。

確かに、これは「成功」なのかもしれない。 読者は喜び、出版社は潤い、関連商品は飛ぶように売れている。 私の銀行口座には、想像もしていなかった額の印税が振り込まれ続けている。

でも、これは私の物語じゃない。

本日、編集部に連絡した。 「霊感ナース」シリーズの執筆を降りさせていただきたいと。

村井さんは必死に引き留めようとした。 「では、作風を変えるのはどうでしょう?もっとシリアスな展開も...」

私は静かに首を振った。

「村井さん、私の書きたかった物語は、最初の一本だけです。あの、編集される前の。でも、それはもう戻ってこない。今や『霊感ナース』は私のものではありません。読者のものになってしまった」

「しかし...」

「私は、また病院に戻ります。ナースステーションで記録をつけ、患者さんの体を拭き、薬を配り、そして...時々、深夜の廊下で物音を聞くんです」

村井さんは何も言えなくなった。

帰り際、最後にこう告げた。

「『霊感ナース』の権利は、全て出版社にお任せします。どうか、読者が望むように育ててあげてください」

今、私は白衣に着替えながら考える。 小説は失敗だった。でも、私には別の使命がある。

深夜の病棟で、誰かの足音が聞こえる。 振り返っても誰もいない。 でも、それは怖くない。

なぜなら、私は物語の中の「美咲」とは違う。 私は、本物の看護師だから。

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追伸: その後、「霊感ナース」シリーズは別の作者に引き継がれ、さらなる商業的成功を収めたという。アニメは第2期が決定し、遊園地とのコラボイベントも開催された。私は時々、院内の売店で「霊感ナース」グッズを見かける。若い看護師たちは、それを携帯ストラップにしている。

不思議と、寂しくはない。 ただ、深夜勤務の時、パソコンの画面に映る自分の姿が少し透けて見えることがある。 でも、それはきっと、疲れ目のせいだろう。











編集者への怪談 ~あなたは私の想いが読めていますか?~

~本当にあった編集部の怖い話~ ※読者アンケートで大好評の連載です!

【登場人物紹介】 🖋️主人公・七瀬かおる(28歳):売れない作家。ある怪談を書くことに...。 👻透子:かおるの小説の登場人物。病院の幽霊ナース。 👔編集者・村井:優しそうな顔をして...。 💁‍♀️美咲:大人気シリーズ「霊感ナース」の主人公。

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「これが私からのメッセージです」

かおるは震える手で原稿を差し出した。編集者への皮肉を込めた怪談。看護師が主人公の物語が、編集によって魂を失っていく様子を描いた作品。これを読めば、きっと村井さんも気づいてくれるはず...。

【恐怖の編集会議!その1】 その1週間後。 かおるは編集部に呼び出された。村井の表情は、いつもの優しい笑顔。 そこで示された原稿は...!?

『メチャクチャ怖い!編集者からのSOS!~あなたの作品、魂抜き取りました~』

かおるの血の気が引いた。原稿は完全に改変されていた。

<村井からの編集コメント その1> 「最近、編集者をテーマにした怖い話が人気です!生々しい描写がウケそう!」

【衝撃の展開 その2】 主人公は「かおりん」という売れっ子作家に! 「霊感ナース」シリーズの作者という設定を追加! さらに編集者の村井は、なんと人の魂を吸い取る悪魔に...!?

<SNS盛り上がってます!> #編集者の怪談 #魂抜き取られた #出版業界こわい がトレンド入り!

【恐怖の結末】 編集された原稿の最後には、こんな一文が...。

「かおりんは、自分の作品が変えられていくことに絶望した。でも、それって当然だよね?だって...。私たち編集者は、あなたの魂をいただくために存在するんですから...。(村井談)」

<重要なお知らせ!> 大好評につき、スピンオフシリーズ決定!! 『魂を食べる編集者さん』連載スタート! 主演は人気声優の佐々木みゆうさんに決定!!

【次号予告】 かおりんの新作は...まさかの「霊感編集者」!? さらに衝撃の事実が! 村井の正体は!?

※本作品はフィクションです。実在の出版業界とは関係ありません。 ※でも本当は実話かも...?(((( ;°Д°))))

<読者プレゼント!> 抽選で3名様に「魂を抜き取る編集者の赤ペン」をプレゼント!

【編集後記】 怖すぎて眠れない!次号もお楽しみに!

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かおるは、編集された原稿を見つめたまま、動けなくなった。

皮肉のつもりが、新たな商業コンテンツになってしまった。 その改変の仕方まで、まるで自分の原稿で描いた「霊感ナース」と同じ。

「やっぱり気に入っていただけましたか?」 村井は満面の笑みを浮かべている。

「これ、かおるさんの気持ちが痛いほど分かります。だからこそ、編集者の恐ろしさを全面に押し出してみたんです。読者受けも間違いないかと」

その瞬間、かおるは全てを悟った。 自分の想いを伝えようとすればするほど、それは新たなコンテンツに作り変えられていく。 それが、この業界なのだ。

かおるは立ち上がり、静かに言った。

「村井さん...。私、もう...」

「ああ、次回の原稿のことですね!実は『魂を食べる編集者さん』のスピンオフで、『絶望する作家さん』というシリーズも企画中なんです!かおるさんなら書けますよ!」

かおるは、そのまま編集部を後にした。 二度と、戻ることはなかった。

その後、『魂を食べる編集者さん』シリーズは50万部を突破。 現在も好評連載中という。

※怖すぎて原稿が書けなくなった方へ 編集部特製「創作魂補給ドリンク」好評発売中!

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