LEONIEとマイレオニーの旅 02
ドウス昌代さんの評伝『イサムノグチ 宿命の越境者』を読んで、母親レオニーの
物語を三作目にと思い立った動機は、高松と札幌という二つの土地に特別な思いがあったからでした。
庭園美術館のある高松とのご縁の深さは、『ユキエ』のコラムで書いていますが、モエレ沼公園のある札幌も、私にとっては「大切な人たちの住む、特別な場所」になっていたからなのでした。
『ユキエ』と『折り梅』、二本の映画で全国を歩きながらその土地土地で出会ったたくさんの「お友達」と呼べる人たちと、一緒に映画づくりをしたい。彼女たちが側にいてくれたらどんなに心強いだろう。そんな思いは、イサム・ノグチにゆかりの場所が映画の舞台に欠かせない土地だったのと負けないほどに大きな理由だったのです。
そして高松と同じにイサム・ノグチ庭園美術館のあるニューヨークには、『ユキエ』で苦労を共にしたプロデューサーの吉井久美子とマイケル・テイーラーの二人がいてくれる。日本の映画界にはなかなか仲間と呼べる人のいない私にとって、ニューヨークの二人のフィルムメーカーと日本の観客の代表の方たち、すべてがイサム・ノグチと繋がっていたことに運命的なものを感じたのでした。
2005年4月 再びニューヨークへ
ここに、『レオニー』のために二度目に訪ねたニューヨークで過ごした二週間のスケジュール表が残っています。目的はマイケル・テイラーと私が日本語で書いたシナリオを英訳することと、久美子が企画してくれた『ユキエ』ニューヨーク上映のためでした。
4月3日(日)16:30 JFK着 久美子さんとホテルで食事
4日(月)8:00 セントラルパーク散歩
9:00 プラザホテルで朝食
11:00〜16:00 マイケルとシナリオ直し打合せ
18:00〜 60丁目イタリアンで夕食。
ロンドンから通訳のために勇気が合流。
5日(火)10:00~12:00 マイケル打合せ
14:00~15:30 マイケル打合せ
16:30 〜 TVジャパン訪問
ウォール街~バッテリー・パーク~グランド・ゼロ見学
19:00~レストラン・クリス(久美子、かおるさん、勇気)
6日(水)10:00~11:30 マイケルとシナリオ作業
13:00~16:30ヤンキースタジアム(ヤンキース対レッドソックス)
18:30~21:30 ウエスト・ビレッジすみれで夕食
7日(木)10:00~5:00 マイケルとシナリオ作業
16:00〜17:30 VIJINヘア・カット
19:30〜21:00 ステーキハウス(勇気)
8日(金)オーストラリアの戦争花嫁、フォスター千秋さんご逝去のメール
13:00~14:30 60丁目イタリアン(勇気)
15:00 ウォルドルフ・アストリアホテル久美子待合せ
15:30~16:30 総領事館に安藤大使表敬訪問
16:30~17:15 『ユキエ』上映会場KPMBの下見
17:30〜18:00 VIJINヘア・セット
『ユキエ』NY上映でジョン・マッケイと再会
18:30分から始まった『ユキエ』上映会には沢山のニューヨーカーたちが集まってくださり、中でも8年前に『ユキエ』に出演してくれたジョン・マッケイがニューヨーク郊外の自宅から駆けつけてくださったのは何よりの感激でした。
あの「現場でトラブルがあればあるほど、いい作品になるんだよ」励ましてくれた俳優さんです。
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