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つれづれ日記19 親子って何だろう?

なんて素敵な、仲睦まじい家族の写真でしょう!
この一枚はもちろんプロのカメラマンが撮ったものでしょうが、先日、このご家族のお宅にはじめてお邪魔した折、リビングルームの壁に飾られた写真にすっかり魅せられてしまいました。そして写真を眺めているうち、次第に胸の内に「親子って、家族って、いったい何だろう?」との思いが膨らんでいるのでした。

実は、この夫婦と二人の男の子は、本当の親子ではありません。
いえ、「本当の」という言い方は正しくないですね。もし血の繋がっている親子を「本当の親子」と言うなら、写真のKご夫妻と二人のお子さんは血が繋がっていず、戸籍の上でも赤の他人です。
お子さんのいないK夫妻が8年前(兄弟が7歳と5歳の時)から、兄弟の実の親御さんから自らの意思で預かって育てていらっしゃる、里親と里子の関係なのです。

私がこのご家族とはじめて会ったのは、今から2年ほど前のことでした。
そのときの、普通の家族よりもはるかに仲が良く、ナチュラルな親子関係を築いていらっしゃる家族の姿に、ある種の驚きを感じたのを覚えています。
驚き。それは私の中に「里親」と聞くだけで、先入観や既成概念にとらわれて、「実の親子よりはるかに仲がいいわ!」という、勝手で無責任な驚きに過ぎません。そんな子供たちが二人共、もう中学生になったと伺って、彼らがどんな風に成長しているのかを拝見したくて、先日はじめてK一家のご自宅を訪ねたのでした。

家族を形成する上で「血が繋がっているかいないか」にどれだけの意味があるのか?は、昔から漠然と興味のあったことでした。親子関係には「血が繋がっているからこそ難しい」と感じることも沢山あって、そこを一度真面目に考えてみたいと思ったこともありました。
たとえば私自身が自分の息子を育てていた頃、小学生の時まではほんとに素直ないい子だった我が子が中学に入るなり反抗期に突入して、喧嘩の絶えない日々を重ねたことや、彼が成人して映画制作のスタッフとして参加してもらったとき、親子だから互いが感情的に衝突してしまうことなども経験しました。
それが単に実の親子だからの甘えなのか、それともDNAの問題なのか、家族であるがゆえに互いを縛りあっていることも山ほどあることを思えば、K家のような家族のあり方にはとても興味があります。

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