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稲木紫織のアート・コラムArts & Contemporary Vol.14

クリスマスに贈りたい
珠玉のアートブック
河内タカさんの『芸術家たち』

この一年間、リビングルームの傍らに置いて、何かある度に繰っては、確認したり楽しんだりしていたのが本書である。河内タカさんの著書で、2019年に上梓された『芸術家たち 1〔建築とデザインの巨匠 編〕』と、2020年に続けて出版された『芸術家たち 2〔ミッドセンチュリーの偉人 編〕』(ともにオークラ出版)の2冊だ。

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     『芸術家たち 1』と『芸術家たち 2』(河内タカさんのFacebookから)

河内タカさんは、サンフランシスコの美大を卒業後、ニューヨークに拠点を移し、アートや写真に関する展覧会のキュレーションや写真集の編集を手がけ、30年間のアメリカ生活を経て2011年帰国。現在は、コロタイプという希少で伝統的な写真印刷技法を持つ京都の便利堂にて海外事業部を統括し、ライターとしても活躍。

本書は、タカさんが雑誌『& Premium』(マガジンハウス)に連載中の「素顔の芸術家たち」が元になって誕生しており、30号以降オンラインに移行後も、イラストとアニメーションを担当しているイラストレーター、SANDER STUDIOさんが帯や本文中のイラストを描いている。これが文章と絶妙にリンクしていて楽しい。次の写真は2019年7月、サンダーさんの個展が、乃木坂の「ブックスアンドモダン」書店にて開催中、お二人がトークした時の2ショットだ。

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          2019年7月、Books & Modernでのトークイベントにて
          左から河内タカさん、SANDER STUDIOさん

『芸術家たち 1』は、近代建築三大巨匠の一人であるル・コルビュジエから始まる。「この本を書こうとしたきっかけが、コルビュジエです。彼が1956年に手がけた上野の国立西洋美術館本館は世界遺産ですが、なぜ彼がすごいのかはあまり説明されていない。それを言葉で書いてみようと思いました」とタカさん。サンダーさんのイラストには、展示室に設置された“使われない階段”が描かれているのだが、ミステリアスな詳細はぜひ本書で読んでほしい。

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サンダーさんの個展から、上段中央がル・コルビュジエ、その右がイームズ夫妻

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