稲木紫織のアート・コラムArts & Contemporary Vol.10
ジャズフォトグラファーの草分け
中平穂積さんの写真からは
熱いジャズが聴こえてくる
KKAGから届いたDMのビル・エヴァンス
この一枚の写真をDMで見て、いきなり心を鷲掴みされた。好きなジャズピアニス
ト、ビル・エヴァンスだったからだけではない。彼の精神性や人生が、一瞬にして
そこに立ち現れており、崇高さすら感じたからだった。この写真を撮影したのが、
中平穂積さん。日本のジャズフォトグラファーの第一人者である。
DMを送ってくださったギャラリーは、馬喰町のKKAG。最近、隠れ家的なお洒落
なお店や美味しいレストランがめっきり増え、ファッショニスタやフーディーたち
が通うエリアだ。KKAGの入るアガタ竹澤ビルには、オリジナリティ溢れるファッションブランド、ミナ・ペルホネンのインテリア店も入っている。
KKAGが入るアガタ竹澤ビル
KKAGとはKiyoyuki Kuwabara Accountihg Galleryのこと。オーナーの桑原清
幸さんはカメラ好き、写真好きの公認会計士・税理士で、ここはその名の通り、
彼の会計事務所とギャラリーが融合している空間。日、月、火曜日が休廊なのは
桑原さんが東北大学で教授を務めており、教えている日程の関係だそう。現在、ここで中平穂積写真展「JAZZ GIANTS 1961-2013」が開催されている。
KKAGの入り口
小さな白い一室なのだが、コージーで非常に落ち着く大好きなギャラリーだ。ちな
みに桑原さんは音楽好き、音響マニアでもあり、ここのスピーカーやアンブはプロ
顔負けの装置らしい。もし、訪れた時にBGMが流れていたらラッキー。ぜひ耳を
澄ませてみてほしい。そこで中平さんにお会いした。
ここから先は
1,583字
/
5画像
¥ 100
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?