LEONIEとマイレオニーの旅25
私の日本での映画制作において何といっても欠かせないのが、全国のサポーターの皆さんの存在です。『レオニー』では企画段階から「松井久子監督の第三作を応援する会」が立ち上がり、集まった約3300人のマイレオニーたちが日本ロケの間も現場で様々な役割を担い、監督の私を支えてくれました。エキストラで映画に出演くださった皆さんは勿論のこと、各ロケ地で見物人の整理や炊き出しなどで参加してくださった方々の活躍ぶりを、今回はスナップ写真を中心に見ていただきます。
撮影初日の犬山市明治村。撮影が始まる前、制作担当の木村さんから説明を受ける見物人整理班の皆さん。
毎日栄養いっぱいの昼食を用意してくれた犬山マイレオニー
犬山市の炊き出し班の皆さんは、毎日100人近いスタッフ・キャストの昼食のため美味しい料理の腕を振るってくださいました。
エキストラ体験は、マイレオニーの皆さんの思い出づくり?
撮影6日目のイサムが剣道に通う道や、帝国ホテルのシーンにも、沢山のエキストラの皆さんが出演してくださいました。
もしかしたらこの皆さんのシーンは編集でカットされてしまったかもしれないですね。今更ながらごめんなさい!
帝国ホテルのシーンも、こんなに沢山の方が出来上がった映画をご覧になって
「どこに写ってるんだよ〜!」と、ガッカリされたかもしれません。
撮影9日目には近くの老人福祉施設から見学にこられたお年寄りが、中村獅童さんと記念撮影。
何処の現場にもアメリカで言うクラフト・サービスのお菓子がスタッフたちの疲れを癒してくれます。
撮影場所が変わってつくばみらい市の撮影現場、大地康雄さんが鉋を使うシーンにははるばる高山市から宮大工の八野明さんが大工指導に駆けつけてくれました。
圧巻だった四国・善通寺ロケ
撮影20日目はいよいよ香川県善通寺市の自衛隊跡地で行われた、横浜港にレオニーとイサムが到着するシーン。高松のマイレオニー湯浅文代さんが集めてくれた250名ものエキストラもすべて四国在住のマイレオニーの面々です。皆さんが朝の5時半集合でそれぞれの衣裳とメイクを済ませ、丸二日間にわたる長丁場の撮影につき合ってくれました。
愛媛県松山市の映画サークル「マネキネマ」の面々は、『ユキエ』の頃からの長いおつきあい。
日本橋のシーンもマイレオニーのエキストラが大活躍!
撮影25日目は再びつくばみらい市のロケセットに移動して、関東地方のマイレオニーが大集合して、日本橋のシーンでのエキストラ体験です。
ピンクの着物を着た芸者さんはマイレオニーの会長斎藤弘美さん。
この日はクレーンに乗ったカメラも登場した大掛かりな撮影。
札幌マイレオニーの大居さんも駆けつけて、東京のマイレオニー米田典子さんと嬉しい再会。
アメリカのスタッフも、日本の美術が見たいとやって来た!
この日はなんとアメリカから、プロダクションデザイナーのジャイルス・マスターズと美術スタッフも陣中見舞いに来てくれました。
そしてこの日は、ヨネ役の中村獅童さんの撮影最終日ということで、スタッフ・キャストが全員揃って集合写真も撮ったのです。
つくばみらい市・NHKワープステーションの撮影はさらに続き…
撮影29日目には札幌ファンドを集めてくださった松田氏もエキストラでご出演。
30目には、アメリカ・クルーばかりか、エミリー・モーティマーのお連れ合いと息子さんも見学に来てくれました。
札幌モエレ沼公園に、吉行和子さんが来てくれた!
7月4日。プロダクションは最後のロケ地、札幌のモエレ沼公園に移ります。
この地でも、モエレ沼公園で遊ぶ子供達をはじめ沢山のエキストラを札幌マイレオニーが集めてくれました。
大感激だったのは、吉行和子さんがわざわざ東京から陣中見舞いに来てくださったことです。
海の撮影でのダイナミックなスタッフの働きぶり
7月9日に行われた千葉県富津海岸のロケにはエキストラはいなかったけれど、海の撮影のスタッフの奮闘ぶりが見ものです。
思いがけない人の、思いもかけぬ名演技
そしてこの日、なんと!この映画の資金の大半を出資してくださったMさんが、
漁師の役で出演してくださったのです。
セリフはなかったものの、私の演技プランをすぐに飲み込んで実に自然な演技をしてくれたおかげで撮影は一発でOK。
ご本人は「映画に出してもらうのに〇〇億円使いました」といつも笑って言われますが、Mさんとの出会いがなければ生まれることのなかった『レオニー』。
私の生涯の恩人です。
DVDで改めて見て欲しい、一流の活花
作品のインドア撮影のすべてを通して、活花を担当された草月流の先生も、マイレオニーの主要メンバーのお一人。撮影の間じゅうボランティアで参加してくださったのでした。
撮影初日、ヨネの書斎に生けられたもみじと桔梗
小泉セツの家に生けられていたクレマチス
レオニーが津田梅子を訪ね就職を頼むシーンで、梅子の応接室に生けられた花
友情出演してくださった中村雅俊さんが演じる仙田東舟の茶室に生けられた
蓮の花。青磁の花器は勅使河原宏さんの作だそうです。
そして、クランクアップ
7月11日。6週間にわたった日本撮影の最終日はつくばみらい市のオープンロケ・セットに建てられたイサムの設計した家のシーン。エミリーはお腹の中に赤ちゃんがいることを、とうとうYuuki以外の誰にも告げぬままクランクアップの日を迎えたのでした。そして、私がそれを聞いたのは、成田空港にエミリーを送った直後のことだったのでした。
永田鉄男さんはじめ、撮影部の皆さん
故・佐野武治さんと照明部の皆さん。結局『レオニー』が佐野さんの遺作になってしまいました。
美術部の皆さん
装飾部の皆さん
録音部の皆さん
衣裳、メイク部の皆さん
特機部のお二人
演出部の皆さん
制作部とドライバー、そして演技事務、経理部の皆さん
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鏡のなかの言葉(定期購読)
映画監督松井久子が編集長となり、生き方、暮し、アート、映画、表現等について4人のプロが書くコラムと、映画づくり、ライティング、YOGA等の…
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