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ふやけた手で食べる豊かさよ
私が普段いる"浦浜"と呼ばれる内湾側の海では、養殖漁師さんがたくさんいる。
養殖物で生計を立ててる漁師さんが多いというのもあって、太平洋側に面した表側の海と比べると、浦浜ではウニを獲ったり磯物獲りは日数が少なめ。
(ウニを売って生計を立ててるわけではなく、自家消費程度の量しか獲らないため。)
そんなわけで、今日は数少ないウニの開口日でした。
やっとだよ…待ちわびてたよ…!
むき身のじーちゃんが獲ってきてくれたので、牡蠣の作業の合間に2時間くらいウニむきへ。
ウニは基本的にぜんぶ手作業。
カギ獲りの場合、箱メガネと呼ばれる海中を覗くための道具を使いながら船を動かしつつ、ウニを見つけたらカギですくって獲っていく。
去年の写真だけど、イメージとしてはこんな感じ。
陸上に戻ってきたら、今度はウニの殻を開ける道具を使ってぱかんと開けて、ウニ用の細長いスプーンで身を壊さないようにくり抜いていく。
そして、次はピンセットを使って滅菌水につけながら身を壊さないように少しずつ細かいワタを取る。
私はそんなにうまくないのだけど、ピンセットでなんとか細かいワタを取ってぴかぴかなウニが見えてきたら、うれしくて仕方なかった。
手袋をせずに素手でワタを取ってたから、途中から手がふやけてシワシワに。
むき身のじーちゃん夫婦と職場のみんなの分をタッパーにわけながら、入りきらない分はそのままみんなでつまみ食い。
みんなでせっせとむいて、ふやけた手でそのまま食べるウニのおいしさったら。
みんなが何気なくやっているこういうことが、豊かさのひとつなんだと思う。
たぶん、うちの職場の人たちの今日の夕飯はウニ丼かもしれない。
明日聞いてみよう。
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