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くせ毛を生きる


人生で初めてショートカットにした日 2018

タイトルは雨宮まみさんの「東京を生きる」のパクリです。

リアル知り合いの方はご存知ですが、ワタシ、ものすごいくせ毛なんです。
くせ毛、つーか縮れ毛?
捻じれててうねうねしてて乾くとブワーッと天に向かって広がるタイプ。量も多い。
ある程度延ばしてなんとか重力を感じさせていますが、短くすると怒髪天状態。

「私もくせ毛だよ」という人と比べても、私くらいひどいくせ毛の人には会ったことがありません。心の中で「その程度でくせ毛とか片腹痛いわ」とか思ってることは内緒です。
「パーマかけなくてもパーマっぽいなんて羨ましい〜!」は、くせ毛の人には禁句of禁句ね。

だからなんですが、美容院に行くのがものすごい苦痛な人生でした。

こんなどうしようもない髪で、おしゃれな人の中に入って行きたくない。
美容師さん、困ってるんじゃないか。早くこのキラキラした空間から解放されたい。

私みたいな髪なら、きっとひと月おきにカットに行かなきゃならないんでしょうけど、そんなわけで美容院に行きたくないので、数ヶ月放置する→伸び放題→ひとつにまとめる→限界がきて美容院に行く。この繰り返しです。

縮毛矯正したこともありません。
ありったけのスタイリング剤使って、さらに輪ゴムでまとめればとりあえず収まるんだから、もういいよって。

どこの美容室行ったってどうしようもないんだからと、会社から一番近い美容室に通ってました。
しかし美容師さんがたくさんいる大きいお店は居心地が悪くて、だからますます足が遠のいてしまう……個人でやってる小さなお店の方が他のお客さんと顔を合わせなくてすむからいいのかなあ。

ようやくお店を変えようと思いつき(遅い)、美容師さん一人のお店に2年くらい通いましたが、予想以上に気が楽になりました。
あー、隣の椅子にサラサラ髪のおしゃれな女性がいないと落ち着くわあ。

以前よりはカットに行くようになったのでまだマシのような気もするけど、根本的なところは変化なし。
白髪も増えてきたしなんとかしなきゃ。

……とか考えていた時、とある人が私のことを「変な髪だよね。久居さん、どうしてあんな変なヘアスタルしてるの?」と言っているのを知ってしまいまして。

ひえっ……

え、これ「disられた」ってヤツ…??
このトシになって、しかも歳上の女性から、生まれつきの髪を「変」と笑われるなんて。
直球すぎて驚いた。

でもべつに怒るようなことでもないか〜。
怒るより呆れた。
逆にいろんなことがストンと腑に落ちて、今後自分がどう生きていくか考えなきゃならない時期なんだな、と思いました。

今までその場しのぎでやり過ごしてきた髪のこと。
人間関係のこと。
これからの仕事のこと。
あれこれ。

外見にケチつけて笑うくらい私を嫌っている人と、我慢してお付き合いする必要なんてないんだ。
もうフェードアウトしちゃおう。
そうしよう。


ちなみに洗いっぱなしでスタイリング剤なしの状態がこちら…と言いたいところですが、これでも軽く水で濡らしてボリュームダウンしてます。
我ながら酷い髪だ…震災とかでスタイリング剤が入手できなかったら死ぬレベルです。

でも私、自分の髪がそれほど嫌いじゃないんですよ。

だってどうあってもこの先一緒に生きていく髪なんだから、嫌うより好きになったほうがいいに決まってる。
なんとかもっと好きになりたい。

「変な髪ww」とかdisってくる人にとっては「え、私この髪、結構気にいってますけど?」なんてのは許しがたいことでしょう。
ご期待に沿えず申し訳ない。



今まではなんとなくウェーブパーマをかけてました。
くせ毛にパーマ?と思われるでしょうが、このほうがウェーブが綺麗に出るし…というか、特に何も考えてなかったというか。
思えば若い頃は今ほどくせ毛じゃなかった気がする。いや長さがあったから重みで伸びてただけなのか??
美容院を本気で選んだこともなかったし、美容師さんから「こうしたら?」なんて提案されることもなかった……というか、そういう美容師さんを探そうとしたこともなかった。

去年の夏以来伸ばしているので、美容室には半年行っていません。
ちなみにパーマかけたのは2年前が最後なので残ってません(でもくるんくるん)。
縮毛矯正もヘアカラーもなし。リセットするにはちょうどいい時期です。そんなわけで、新しいお店を探さなくては。

個人経営で、美容師さんが少人数で、通いやすい場所で、じっくり話を聞いてくれそうなお店。くせ毛に理解のある美容師さん。

なんだかんだ探しまくって「ここなら」と思うお店を見つけたので、予約入れて行ってきました。
今回は本気だったので、事前に上記の画像を送って見てもらったりもしました。
「なかなかですね」って言われたけど、美容師さんご本人もくせ毛なこともあり、親身に話を聞いてくれた。

もうどうしたらいいかホントにわからなかったので、「とにかくこの髪をなんとかしたい。結んだり留めたりしなくてもなんとかなるようにしたい」とオーダー。

……おそらく大抵の美容師さんなら「縮毛矯正」をすすめると思います。
でも私は、それはやりたくなかった。
なんとかこの髪質を活かすことはできないか。
美容師さんご自身もくせ毛なこともあり、「カットだけでいけるかも」と言うお返事。ありがたい。

で、ワタシ史上最高に短くしてもらいました。

軽い!
頭がスースーする!!!

今までは保険として「結べる長さ」を死守してきたのですが、今回は「ショートカット」と言っていい長さ、いや短さです。
軽くなったぶんクセも全開で、これが地毛だなんて我ながら信じられないウェーブ。

髪の量が多いからといって、ただ梳くだけではますます膨張してしまうのがくせ毛の難しいところで、ここらへん理解してくれる美容師さんでないと大変なことになってしまうのです。
だから最悪の事態を回避するために「結べる長さ」を残しておくんだけど、そうすると何もかもが中途半端で「もっさり」しちゃう。
このジレンマを突破する思い切りが私にはなかったのです。

で、そのくせ毛ショートですが……いいんじゃないのかなあ…と、自分では思うんですが…どうなんだろう…長年もっさり頭と格闘してきて、「普通のヘアスタイル」という状態を知らないので判断できない。

やっぱり「変な髪www」とか言われちゃうんだろうか。
いや、でも自分は「いい」と思ったんだからいいんだ。

今日は朝から3回もシャンプーしてスタイリングの練習してます。
髪の流し方がわからぬ…頑張れ自分。

えーと、そうだ、あれを目指せ、ネイサン・チェン。彼も天パだ。

フィギュアスケート界のレジェンド


髪の量が多すぎるなんて、少ない人からしたら贅沢な悩みかもしれません。
でもそんなの「どっちがマシか」なんて比べるようなものじゃないと思う。

私は自分のぺったんこな胸が好きで「なくてよかった」って心底思ってますが、それがコンプレックスで手術しちゃう人もいる。
かと思えば「胸が大きいくていいことなんて何もない」と、無い胸を羨ましがられたりもするし、隣の芝生はいつも青く美しく見えるんだよ。
昔は身長あるのが嫌だったけど、今では「あと5センチ欲しかった」とか思ってるし、いつかこの髪も今より好きになれるかもしれない。
そうなれたらいいな。



しかしまあ、くせ毛ショートって化粧やファッションに気合い入れないとサザエさんになる可能性大です。
いや、くせ毛ショートじゃなくても気合い入れるのが当たり前だろって歳なのでちょうどいいと言えるのか。カジュアルTシャツとか処分する機会なのかも。

くせ毛のみんなー、強くうねって生きようぜー。
サラサラストレートな黒髪こそ正義、なんて価値観はそろそろ捨てていいんだよ。

白髪だろうが、金髪だろうが、猫毛でも剛毛でも、自分の髪を好きになろう。



2018-02-25の記事をブログより転載・修正




くせ毛で前髪は作れるか? 2019


実は最近、くせ毛のウェーブが緩くなってきたんです。
髪質が変わったというより、加齢でコシがなくなってきたんじゃね?と思ってるんですがどうなんだろ。

なのでもう少し短くしたいなーと思っていたんですが、美容師さんからは「前髪作りましょうよ」と。

前髪ですと??

いやいやこんなもあもあの髪で前髪なんてできるわけないじゃん…
長さを残して横分けがせいぜいだしょ??
無理無理ぜったい無理と思いつつも「でももしかして可能なの?」「信頼してるプロが言うんだから」と試したくもあり。

収拾つかなくなったら分けて固めりゃいいかとお願いしました。
結果。。。

禁断の一眼自撮り。手がプルプルした

いいのか?
これでいいのか??
なんか変じゃない???
自分ではよくわからない。

帰宅して夫の意見を聞いたら「いいじゃん!」と。ホントか〜?
「分けておでこ出したほうが良くない?」
「前髪あったほうが若く見える」

ホントかあぁ〜〜???

イメージとしては多分こんな感じになるといいなってことなんですががが↓↓

「凪のお暇」か米津玄師みたいになってます。

ま、まあいいや。
自分ではよくわからないけど旦那が推してくれたから頑張ってみよう。ダメならサイドで分ければいいんだ。
長く伸ばして括るしかないと思っていた髪、こんなに短くできるなんて驚きです。

ところでこの髪にしてしばらく経ってから、自宅の近所のおばさまに呼び止められて「その髪、すごくいいわ」と言われました。
髪型を褒められたなんて生まれて初めてだったので「記念日……!短歌読まなくちゃ!」みたいな気分でした。
すごく嬉しかった。

「変な髪ww」と、生まれつきの外見をdisられたことは一生忘れないし許さない所存ですが、もっとちゃんと自分のどうしようもない髪と向き合いたいと思えたし、いい美容師さんに出会えたので結果的には良かったです。

でも許さないけどな

2019-12-22の記事をブログより転載・修正


現在 2024

ブログの過去記事でおそらくいちばんにアクセスがあった「くせ毛関連」のエントリふたつを修正して転載しました。
改めて読み直すと今もおつきあいしてる美容師さんには感謝しかない。
命の恩人くらいに思ってます。
生き直したって感じ。
この美容室を探し当てた当時の自分を褒めたいです。よくやった!

数年経過した現在は、髪が細くなってきたためか(加齢により?)当時ほどのくるくるくせ毛ではなくなりました。
なのでさらに短くして、隠れツーブロックになり、耳も全開。
白髪はあまり隠したくないのでほどほどに暗くしつつ、メッシュ状にブリーチしてます。
で、カラーシャンプーでそのブリーチ部分にピンクを入れてる。

事務系会社員としてぎりぎりかなと思うけど、職場が服装自由になったのもタイミング良かったです。

今の髪は史上最高に気に入ってる。
ありがとう世界!


スタイリング剤とカラーシャンプー

スタイリング剤は、ムースやローションやグリースやいろいろ試したけど、ロレッタのハードゼリーに落ち着きました。
ベタベタせず、乾くとつるんとした手触り、強力セット力、なのに洗い流しは簡単。小分けにして持ち歩けるのも高ポイント。

カラーシャンプーはホーユーSOMARCA(ソマルカ)のピンク。
金髪くらいのブリーチだとはっきりとしたピンクに染まります。私はそれほど明るくしていないので、ピンク寄りのブラウンみたいな色になる。

いつかハイブリーチして明るいピンク髪にしたいな、天上ウテナみたいな。


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定期的に読み返す記事たち。
読むと元気が出るよ。







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