本屋さんを覗く
たまには本屋さんで、ゆっくりと時間を過ごしてみるものですね。それも、少し大きめの本屋さんで。
残念ながら、わが街・鶴岡には大きな本屋さんがありません。昔はね、ちっとも大きくはないけれど、人文系の本もそれなりにそろえた面白い本屋さんがあって、ぼくはそこで筑摩やみすず書房の本を買ったものです(ぼくがこの本屋さんで買ったいちばんの珍本はゲール語の入門書。誰も買いそうになかったので気の毒に思い、つい買ってしまった)。でも、今はねえ。岩波文庫もろくに揃えてない郊外型の本屋さん、それにちょいと個性はあるけれど、いかんせんスペースが狭すぎる本屋さんがあるのみ。
だから、毎週山形市で仕事があるのを幸い、夜、職場の近くの大きめの本屋さんをよく覗いています。ついこの間は谷川多佳子さんの『デカルト「方法序説」を読む』(岩波書店)を見つけ、金欠だったのに財布を叩いて買っちゃいました。ぼくも最近は情報不足なので、この本の刊行を今まで知らずにいたのです。森有正関連本なのにね。
ところでぼくの主たる仕事場は仙台市。だったら大きな本屋さんには不自由しないようなものなんだが、いかんせん大規模書店は遠すぎます。いくら本が好きでも、疲れ切った夜に、駅前まで足を伸ばす体力も気力もありませんて。(2002.10.30)